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@nifty、レースクイーンの白川茉知を迎えたビデオチャットイベント

@niftyは6月3日より、ビデオチャットサービス「Eyeballパティオ」において、タレントやレースクイーンをゲストに迎えるイベントを定例化した。今回はレースクイーンの白川茉知さんをゲストに迎えた回を取材、実際にチャットを行なっている現場のレポートをお伝えする。


イベントでは手話によるコミュニケーションも

今回参加した白川茉知さん。@niftyのチャットイベントは今回で3回目だという
 Eyeballパティオは、月額300円の有料会員制ビデオチャットサービス。@nifty会員だけでなく、月額基本料などの必要がないコンテンツ会員「@nifty ID登録ユーザー」も、人数無制限のP2P型ビデオチャットが行なえる。

 ビデオチャット機能をサポートしたメッセンジャーソフトは、無料で利用できるものも多いが、Eyeballパティオは専用クライアントソフトを使わず、Webブラウザのみで利用できるのが特徴だ。加えて画面サイズも最大432×528ピクセルと大きく、IEEE 1392接続のデジタルビデオカメラもサポートしているため、高品質の画像を楽しめる。また、ルータや一般的な設定で利用しているファイアウォール環境下からも、基本的には問題なく使えるという。

 イベントは毎週火・水曜日21時から2時間に渡って開催される。2部制を採っており、最初の1時間は、非会員にも無料で開放。ゲストとユーザーが1対1で、5分間に限ってチャットできる。続いてEyeballパティオ会員のみ利用できる時間帯となるが、こちらはユーザーが複数人同時参加する形式となる。

 取材時のゲストは現役レースクイーンの白川茉知さん。定例化前にも出演しており、今回が3回目となる。若干のシステム側トラブルがあったものの、当初予定2時間の間、ほぼ切れ目なく参加者との交流を楽しんでいた。また、自身はあまりPCに慣れ親しんでいないとのことだが、イベント初経験者や、以前にチャット経験があるファンが入れ替わり立ち替わり参加するなかでも、非常にスムースなやりとりをしていたのが印象的だった。

 イベント中は趣味やレースクイーンとしての話を音声で行なうことが中心だが、ビデオチャットならではのシーンも多かった。背景に映る部屋の様子に話題がおよんだり、途中、キャラクターのお面をかぶるユーザー、食事の内容をカメラに映すユーザーも参加。また今回は、言葉の不自由なユーザーが、白川さんへ手話を教えるというシーンも見られた。

 イベント終了後、白川さんは、多人数が同時に発する言葉を聞き分ける難しさがある一方、「遠いところの方でも、目の前で会って話しているようで楽しい」と感想を語った。また今回あった手話のシーンについて、言葉が不自由なユーザーとも、ビデオと文字チャットの併用で十分なコミュニケーションが可能である点に触れ、新鮮な驚きの言葉を述べていた。


イベントの様子。会場からのチャットにはデジタルビデオカメラを利用している チャット中には何度も「ゲッツ!!」が登場。こうした動きを見せられるのもビデオチャットならでは

後半は複数ユーザーとの同時チャットに突入。全員への気配りを忘れない表情は真剣そのもの チャット画面の様子

「まず体験していただくことが重要」

@nifty サービス事業部コミュニティ部の日下部進氏(左)と飛永豪氏(右)
 続いて@nifty サービス事業部コミュニティ部の日下部進氏、飛永豪氏にEyeballパティオの現況を伺った。契約数や男女比などの詳細な数値は非公表とし、「数千人」との表現にとどまった。また当初見込んでいた契約数も明らかにしておらず、進捗度合いは「(サービス開始当初に掲げた数値は)若干強気だったかもしれない」とした。

 Eyeballパティオは、2002年5月の正式サービス開始から約1年を経過。5月末に行なったWebサイトのリニューアルや、月額料金の値下げ、イベント開催告知なども手伝い、契約数自体は、当初目標にはおよばないものの順調に推移しているという。

 ユーザー分布、特に男女比は@nifty全会員の分布とほぼ共通しているとのことで、日下部氏によれば「@niftyが、パソコン通信時代から続く歴史の長いプロバイダーということもあり、やはり男性が中心」だという。

 ただし年代や、居住地域の割合については若干の特徴が見られる。「@niftyは20代、30代のユーザーが多いが、Eyeballパティオでは40代の契約が多く見られる。また都心部ではなく、地方在住の契約者が多い」(飛永氏)。ビデオチャットのアピールポイントとして一般的に言われる「遠隔地間のコミュニケーション用途」が実際の数値でも示されたと言えるだろう。

 またイベント開催の影響・ねらいについても聞いた。日下部氏によると狙いの1つは、「ビデオチャットが初めてのユーザーの場合、まず会話する相手自体がいない。この状況の解消」だ。誰でも出入り自由なチャットルームは用意されているが、そのルームへの参加に抵抗を持つユーザーが多いのも事実である。明確な相手のいないユーザーに参加を促すことの重要性は、基本的ではあるが高い。

 事実、このねらいの波及効果もあったようだ。「前回までのイベントで、たまたま1つのチャットルームで一緒になったユーザー間が、知り合いになるケースがあった」(飛永氏)。同種のイベントで、数10人規模の参加ともなると、メインのゲストのみへの会話にとかく終始してしまいがちだが、Eyeballパティオでのイベントは、1つあたりのチャットルーム参加人数を、平均数人、多くとも14~15人程度にしていることも影響しているだろう。

 そして今回から始まる新たな試みが、Eyeballパティオユーザー以外への無料開放だ。これは先ごろ実装した新機能「ゲストコール」を利用したもので、Eyeballパティオのユーザーになる前にサービスを試してみるということが可能になった。「食わず嫌いというか、頭でわかっていても使えないという部分も多い。まず体験していただくことが重要だ」(飛永氏)。


ビデオチャットを使ったさらなる展開

 今回の、女性タレントやレースクイーンを招いたイベントは男性会員を意識していることは明らか。女性会員層を対象とした、男性タレントの招聘も検討したが、人選などに難しい面があるという。その一方で、すでに開催し、女性に好評を得たのは「ビデオチャットを使った占い」だ。

 ただし自分の映像を公開しない女性も多かったとか。「“メイクをしていない”“自分の後ろに映る部屋を見せたくない”といった、女性ならではの気遣いも見受けられた」(飛永氏)という。

 また@niftyでは、Eyeballパティオを活用した取り組みとして、eラーニング用途への展開も開始している。現段階では、ビデオチャットを使った英語レッスンで、こちらはサービス開始から日が浅いものの、滑り出しは好調だという。

 今後の展開としては、定期化したビデオチャットイベントを中心にEyeballパティオをプロモーションしていく方針だ。飛永氏はEyeballパティオについて「まだまだ市場的な知名度は低いものの、サービス開始から1年を経て、とりあえずはひととおり(Eyeballパティオの魅力を)お客さんに見せられたのではないか」とコメント。昨今の急速なブロードバンドの普及を受けて、これからはコンテンツが伸びていくだろうという予測を示したのち、「その中でEyeballパティオが大きなキラーコンテンツになると思っている」との自信を見せた。


関連情報

URL
  Eyeballパティオ テレビ電話イベント
  http://www.nifty.com/eyeball/program/index.htm
  関連記事:@nifty、P2P型のビデオチャットサービス「EyeballパティオLite」
  http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/21/nifty.htm

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(森田秀一)
2003/06/04 13:08
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