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メールや地図が利用できるiPod touchの有料ソフトウェアレポート

 アップルは16日、iPod touchに新機能を追加する有料ソフトウェアの販売を開始した。このソフトウェアを実際に購入、使用感をレポートする。


既存ユーザーは2,480円の有償アップデートが必要

新機能を追加したiPod touch
 今回新たに提供されるiPod touchの新機能は「メール」「マップ」「Webクリップ」「株価」「メモ」「天気」に加え、ホーム画面のカスタマイズ、音楽再生中の歌詞表示機能の8種類。1月16日以降発売されるiPod touchにはこれらの機能が標準でインストールされているが、1月15日以前に購入したユーザーは2,480円の有料アップグレードが必要になる。

 有料アップグレードを行なうにはソフトウェアの購入に加えて、iPod touchの本体ファームウェアを「1.1.3」に、iTunesを最新の「7.6」にアップデートする必要がある。iTunesに関してはアップデート後に再起動が必要になるため、ソフトウェア購入の前に行なっておくとよいだろう。

 iPod touchとiTunesのアップデートを済ませたら、iPod touchの新機能を紹介したWebページから「今すぐ購入」をクリックするとiTunesが自動で立ち上がり、ソフトウェアへの購入手続きが表示される。ソフトウェアを購入したらiTunesのiPod touchメニューから「同期」を選択すればインストールが可能だ。初期化したiPod touchにソフトウェアをインストールしたところ、容量は98.7MBと表示された。


iTunes Storeでソフトウェアを購入 購入したソフトウェアをiPod touchに同期する

ソフトウェア同期後のiPod touch 初回起動時にはホーム画面の操作説明が表示される

標準でGmailなどをサポート。複数メールアドレスの設定も可能

メールの初回設定画面
 まずはメールから新機能を見てみよう。設定できるメールアドレスは標準でYahoo!、Gmail、.mac、AOLが用意されており、メールアドレスやパスワードを入力するだけで設定が可能。そのほかのメールアドレスもPOPやIMAP、Exchangeサーバーに対応しており、サーバーのアドレスなどを設定すれば利用できる。なお、Yahoo!は米国サービスのため、日本の「Yahoo! JAPAN」は「その他」のメールアドレスとして設定する必要がある。

 メールアドレスは複数設定でき、メール画面の「アカウント」をタッチすることで切替が可能。Gmailの場合はラベルがフォルダとして表示されるほか、接続がIMAPで行なわれているためにフォルダをタッチするごとにメールを読み込む仕様となっており、iPod touchでのメール操作がWeb上のGmailにも反映される。

 メール閲覧画面からは返信やフォルダ移動、削除、新規メール作成といった操作が可能で、画面下のアイコンをタッチして操作する。フォルダを表示するごとにメールを読み込むためにやや待たされるが、いったんメールをダウンロードしてしまえば、画面を指ではじきながら操作するピンチ操作に対応しているので閲覧は快適だ。

 文字入力はソフトウェアキーボードから行なう。英語入力の場合はタッチした瞬間に文字が入力されるが、日本語入力の場合はワンテンポ置いてから文字が表示されるために文章作成にはやや時間がかかる。日本語環境で使う場合、基本的には閲覧中心に考えたほうが良さそうだ。

 メールの設定は、ホーム画面の「設定」にメールの項目が新たに用意されており、プレビューの行数や表示するメッセージ数、自動メールチェックの有無などをカスタマイズ可能。複数のアカウントで利用する場合はここからメールアドレスを追加できる。署名機能も搭載しており、標準では「iPod から送信」という署名が付けられている。


Gmailはメールアドレスとパスワードのみで設定できる その他のメールアドレスはサーバーの設定などが必要 メールの設定画面。複数メールアカウントの設定も可能

複数のメールアカウントを設定 Gmailはラベルがフォルダとして表示される ピンチ操作でメールの削除も可能

地図は日本語検索にも対応。株価や天気は米国データ

マップ機能
 マップはGoogle マップの地図データを用いた機能で、地図データや航空写真などGoogle マップと同様のデータが利用可能。ピンチ操作による地図の移動や拡大・縮小が可能。任意の地点にピンを打つこともできるほか、検索した地点をブックマークとして登録できる。

 地図や検索は日本語にも対応しているため、日本の地図データも表示可能だが、渋滞情報や指定した2点間を結ぶ道案内といった機能は利用できなかった。また、無線LANによる現在位置の検出機能も搭載しているが、Impress Watchのある市ヶ谷では現在位置を検出できなかった。アップルによれば「東京で利用できることは確認している」とのことだが、エリアによって使える場所に違いがありそうだ。


航空写真も表示可能 市ヶ谷では現在位置検出機能は利用できなかった 2点間の経路情報も表示できず

天気は米Yahoo!のデータだが日本も表示できる
 「株価」「メモ」「天気」はiPod touchの機能として新たに追加された機能。株価に関しては米Yahoo!のデータを使っているため、日本の株式市場は利用できないようだ。天気も同様に米Yahoo!のデータを用い、標準で米Apple本社のあるカリフォルニアのCupertinoが登録されているが、こちらは「Tokyo」と検索することで日本の天気も表示可能。Yahoo!.comの天気サイトへアクセスすることもできるが、こちらも英語表示となる。

 「Webクリップ」は、標準搭載されているブラウザ「Safari」と連携した機能で、ブックマークをホーム画面のアイコンとして登録できる機能。Safariのブックマーク登録画面にはホーム画面へ登録する機能に加え、メール機能を搭載したことで表示しているWebサイトのURLをメールで送信できる機能も追加された。

 Webクリップは初期表示されているホーム画面を含めて最大9つのホーム画面に登録可能で、1つのホーム画面にはSafariなどの標準機能を含めて16個のアイコンが設置できる。ホーム画面はピンチ操作で切り替えることができる。

 ホーム画面のアイコン並び替えも可能になり、移動したいアイコンをタッチし続けるとアイコンがすべて揺れはじめ、ドラッグ操作で並び替えが可能になる。並び替えを終了する場合には本体下部のホームボタンを押すと元の画面に戻る。


株価情報は米Yahoo!のデータ メモ機能

SafariのブックマークにWebクリップとメール送信機能が追加 ホーム画面にBroadband Watchへのリンクがアイコンで表示された

 以上、iPod touchの1.1.3向けに提供された新機能を紹介した。メールやマップといった機能はWebメールやGoogle マップを利用すれば可能ではあったが、専用機能として搭載されることでより使いやすくなった。メールは日本語入力に手間がかかるものの、閲覧はピンチ操作で読み進めていけるために快適だ。

 インターネット接続が基本的には無線LANしかサポートされていないため、インターネットに接続する環境をいかに用意するかが課題だが、メールであれば自宅やオフィスなどでダウンロードしておき、移動中に確認するといった利用も可能だろう。また、期間限定ではあるがiPod touchから無料でインターネットに接続できる「Wi-Fine」や、ヨドバシカメラで販売を開始した低価格の公衆無線LANサービス「WirelessGateヨドバシオリジナルプラン」などを利用するのもいいだろう。

 残念なのは株価や天気情報などが米国サービスが標準で設定されており、日本向けの情報が利用できない点。とはいえメールやマップ、Webクリップなど総じて機能は向上しており、既存ユーザーにとっては2,480円という追加価格がこれらの機能に見合ったものと感じられるかがポイントになりそうだ。


関連情報

URL
  新機能紹介ページ
  http://www.apple.com/jp/ipodtouch/whatsnew.html

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(甲斐祐樹)
2008/01/16 15:29
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