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関西圏のFTTHサービスプライスリーダー、ケイ・オプティコム社長に聞く ~蟻にしかできない地域密着型のサービスを~
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ケイ・オプティコムは、関西地方で光ファイバやADSL、PHSデータ通信サービスを提供している関西電力グループの通信事業者だ。同社サービスのうち個人向けサービス「eoシリーズ」の現状、また今後のサービス展開について田邉忠夫代表取締役社長にお話を伺った。
■ 関西圏168市町村に光ファイバを敷設し、世帯カバー率は84%に
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ケイ・オプティコム代表取締役社長の田邉忠夫氏
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――まず最初にケイ・オプティコムの会社設立から現在までの経緯を教えてください
当社の前身は関西通信設備サービスという会社で、1988年に設立され、設立当時はおもに携帯電話事業者に無線鉄塔を貸し出すサービスを行なっていました。ひと言で言えば、設備産業の会社だったんです。
その後、2000年6月に社名を現在のケイ・オプティコムに変更し、11月にはPHS事業者の「アステル関西」から営業を譲り受け、また、CATV事業者「関西ケーブルサービス(KCS)」と合併しました。これによって、従来の無線鉄塔の貸し出しに加え、難視聴対策を目的としたCATV放送サービス、PHSによる音声通話サービスの提供を開始しました。さらに、関西電力が保有する光ファイバの譲渡を受け、いわゆるダークファイバの貸し出し事業も開始しました。
しかし、それだけでは会社の発展が見込めません。そこで、PHSを使った64kbpsの定額インターネット接続サービスの提供を開始しました。それが現在の「eo64エア」です。
これは独自の光ファイバネットワークと、PHSの基地局を接続してインターネット接続サービスを提供するものです。ネットワークの入り口には光ファイバケーブルを集めた集約局を設置し、PHSから送信された音声およびデータを、音声通話ならばNTTへ、データ通信ならば当社ネットワークへと振り分けています。
この「eo64エア」で張り巡らせた光ファイバ網は、継続して構築・増強していましたので、2002年4月には関西圏の78市町をカバーし、関西の総世帯数780万世帯のうち約7割に光ファイバサービスを提供できる状況になりました。そうした経緯もあり、2001年6月からマンション向け光ファイバサービスを、2002年4月からは戸建て向け光ファイバサービスを開始した次第です。なお、2004年4月現在では、168市町村に光ファイバを敷設し、世帯カバー率で84%ほどになっています。
――光ファイバサービスは音声通話PHSサービスから始まったということですか
そういうことになります。アステルブランドで提供中のPHS音声通話サービスについては、4月6日に新規受け付けを終了しましたが、今後の話として、PHS音声通話サービス自体の終了も検討しています。
しかし、PHS音声通話サービスを始めたおかげで、PHSデータ通信サービス「eo64エア」を開始し、そのために構築した光ファイバ網がベースとなって、現在当社が提供するコンシューマー向け、法人向けの各サービスがあるというわけです。
今回のPHS音声通話サービスの新規申し込み受け付け終了を決定した背景には、携帯電話との競争が激化していることや、関西以外の地域でのローミングが縮小していることなどもありますが、音声通話サービスはNTT網への依存から脱却できず、採算上のマイナスが大きかったということがあります。
当社としては限られた経営資源を有効活用する、つまり「選択と集中」という観点からIPサービスに特化して、競合他社へ対抗する経営が最良であると判断し、今回の決定に至ったということです。
■ 光ファイバ接続サービスの加入者内訳は、戸建てが7割、集合住宅が3割
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個人向けサービス「eoシリーズ」のサービス案内ページ
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――光ファイバ接続サービス「eoホームファイバー」の加入者状況は
eoホームファイバー(サービス開始時名称は「eoメガファイバー ホームタイプ」)のサービスを開始した2002年4月には、FTTHには4重苦があるといわれていました。“工期が長い”、“価格が高い”、“エリアが狭い”、“コンテンツがない”の4重苦です。
特に、エリアの狭さと価格の高さについて議論が集まりましたが、eoホームファイバーではISP・通信回線料・機器使用料含め月額6,300円(税込)というインパクトのある価格で提供を開始し、多くのお客様から加入申し込みをいただくことができました。
その後、NTT西日本が「Bフレッツ ファミリー100タイプ」というサービスを開始されましたが、2002年度内の加入者獲得数については当社が多い状況でした。
しかし、2003年4月からNTT西日本が工事費無料キャンペーンを開始され、2003年末には関西地域における推定シェアが当社が4割、NTT西日本が6割程度とご契約者数で逆転されてしまいました。
そこで当社でも、2004年2月から従来の工事費半額キャンペーンから工事費無料キャンペーンへと切り替えたところ、3月・4月の新規加入者数は大幅に増加しております。やはりお客様にとって、初期費用の負担は大きいようです。
――ISP料金込みで月額6,300円(税込)という料金は、当時としては非常に思い切った低価格設定でしたが
当時のNTT西日本の社長にも会合でお会いしたときに、「なんであんな価格にできますねん」と言われました(笑)。この価格設定は、当時のADSLが大体4,000円、CATVが5,000円強でしたから、FTTHでは6,000円程度がお支払いいただける限度ではないかと思い、コストや採算よりもまず最初に価格を設定しました。
その上で、コストや採算が見合うのかを検討したわけですが、先ほどお話しました通り、当社では「eo64エア」や集合住宅向け光ファイバサービス「eoメガファイバー」、また法人向けサービスなど、多目的に光ファイバを利用していました。こうした背景があって、最終的にはコスト面でも月額6,300円(税込)で提供できると判断したわけです。
またサービス開始時には、ご契約者数が1万から2万程度の時は採算割れはしないものの少し厳しいと考えていましたが、一方で10万を超えればもう少し値下げできる可能性もあると考えていました。おかげさまで現在は10万を突破し、2003年10月にNTT西日本よりも先に、1年以上利用した場合に月額料金を割り引く「長期利用割引制度」を開始しました。
当社の場合は、1芯の光ファイバをE-PONで4分岐、ノードと呼ばれる終端部分で8分岐し、1芯の光ファイバで最大32ユーザーに対してeoホームファイバーを提供しています。採算を見る上では、加入者合計ではなく、ノードあたりのユーザー数が重要な点になります。
採算という点では、現在実施中の工事費無料キャンペーンにより、サービス提供から5カ月ないし6カ月間は実質的に投資回収できないことになるんですが、これは正直厳しいです。しかし、インフラ産業は幸いなことに、積分産業ですので、お客様数を確保していれば後々は採算がとれることになります。
――10万を突破した光ファイバ接続サービスの加入者数ですが、戸建てと集合住宅の比率は
比率としては、戸建向けのeoホームファイバーが7割、集合住宅向けのeoメガファイバーが3割です。最近、通信事業者各社が集合住宅向けサービスに注力すると言われていますが、関西地方についていえばどうかと思います。というのも、関西地方では戸建てが6割、集合住宅が4割と、住宅比率が東京などとは異なっているからです。
――現在、2.4GHz帯を利用した無線アクセスサービス「eoメガエア」を提供中ですが、5GHz帯を利用したサービスの提供は考えられていますか
5GHz帯利用のサービスは現在実験中の段階ですが、2.4GHzを利用したサービスを含めて、成長ビジネスにはならないと思います。ただ、eoメガエアもそうですが、固定無線アクセスサービスはFTTHとちがって、スポット的にサービスを提供することが可能なので、言ってみれば、光ファイバサービスの補完的な役割のサービスになると考えています。
■ 地域に密着し、よりニーズにあったサービスの提供を
――今後のサービス展開について
今後の軸としては、会社名にある通り関西一円に張り巡らせた光ファイバネットワークが当社の強みですので、これを軸足にしたサービス展開を行なうことは間違いないと思います。
そういった意味で、2004年においてはIP電話・光CATV・インターネット接続サービスの3点セットでユーザーにアピールしていくことが、これからのビジネス戦略の重要なポイントになると考えています。
また、NTT西日本を巨象、当社を蟻とするならば、蟻でもできるサービス、そして蟻にしかできないサービスを提供していく必要があると思います。小さいがゆえに、地域密着で、よりお客様のニーズにあった小回りのきくサービスをクイックレスポンスで提供していきたいと考えています。
――ありがとうございました
■ URL
ケイ・オプティコム
http://www.k-opti.com/
関連記事:ケイ・オプティコム、初期費用や月額料金が無料になる春のキャンペーン
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/4351.html
関連記事:ケイ・オプティ、6日付けでPHS音声サービスの新規受付を終了[ケータイWatch]
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/18376.html
(村松健至)
2004/05/06 16:41
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