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「ブラウザでWebサイトも閲覧が可能」PSPのネットワーク機能を検証

 ネットワークによるアップデートや無線LANの簡単設定機能、インターネット対応タイトルの発売など、PSPの無線LAN環境が充実してきた。実際にインターネット接続に対応したタイトルを使い、PSPのネットワーク環境をレポートする。





「AOSS」「らくらく無線スタート」で手軽に無線LANを設定

 最初に、PSPのネットワーク設定から確認しておこう。PSPは「アドホックモード」「インフラストラクチャーモード」という2つのネットワークモードを搭載している。アドホックモードとはクライアントのみで通信するモードで、PSP同士の対戦時に利用するのがアドホックモードだ。通常は初期設定の「自動」にしておけば、相手と同じチャネルを自動で検索、対戦が可能になる。

 一方、インターネットに接続するための通信モードが「インフラストラクチャモード」だ。SSIDやWEPといった無線LANの設定を行なうことで、無線LANアクセスポイントを介してインターネットに接続できる。SSIDはアクセスポイントから自動検索で取得することも可能だ。WEPは64/128bitのどちらも設定できる。


ネットワーク設定は「アドホックモード」「インフラストラクチャーモード」の2種類 SSIDの設定画面

SSIDやWEPはソフトキーボードで入力 周囲のSSIDを自動で検索する機能も搭載

 ただし、WEPの暗号キーは英数文字の羅列のために手入力では設定が煩雑だ。128bitのWEPを16進数で設定すれば、その文字数は26桁にもなる。このため、PSPのインターネット対応タイトルの発売に合わせて発表されたのが、バッファローの「AOSS」およびNECアクセステクニカの「らくらく無線サポート」のPSP対応だ。

 AOSSとらくらく無線スタートは、どちらも対応ルータの本体ボタン操作のみで無線LANを設定できる機能だ。AOSSとらくらく無線スタートに対応したPSPのソフトとしては、レースゲーム「「WIPEOUT PURE(ワイプアウト ピュア)」、競馬ゲーム「ダービータイム」の2作品が発表されている。ワイプアウト ピュアの場合、メニュー画面の「オンライン」から「自動設定」を選択、あとは画面に従って操作していけば無線LANの設定が可能だ。


「ワイプアウト ピュア」のネットワーク設定画面。手動設定または自動設定を選択できる 自動設定は「AOSS」「らくらく無線スタート」に対応

AOSSの設定イメージ。ルータ本体のボタン操作は1回のみで無線LAN設定が完了する


らくらく無線スタートの設定イメージ。本体ボタンは設定中に再度押す必要がある


 設定方法から見るとほぼ同じに見えるAOSSとらくらく無線LANスタートだが、細かいところでは設定が異なる。AOSSはWEPだけでなくAESやTKIPといった高セキュリティの暗号化にも対応し、設定するたびに最も高いセキュリティを自動で検出する仕組みだが、この自動選択にPSPが対応していないため、PSPが混在するネットワークでは、PSPに合わせて自動的に64bitのWEPを設定する仕組みを採用している。

 これに対してらくらく無線LANスタートの場合、ルータに設定された暗号をクライアントへダウンロードする仕組み。そのためPSP側で暗号方式を自動選択する必要がなく、128bitのWEPも設定可能だ。

 また、AOSSは最初に本体のAOSSボタンを1回だけ押せば設定が完了するが、らくらく無線スタートは設定途中で再度ボタンを押す必要がある。PSPの画面でボタン操作の指示が表示されるので、見落とさないようにしよう。

 なお、AOSSの場合、PSPでネットワークを利用し終わった後に再設定することで、再び最も高い暗号に設定できる。常にPSPをネットワークに接続できる状態にしたい、というのでもなければ、PSPのネットワーク利用が終わった後に改めてAOSSを設定するといいかもしれない。





インターネットでコンテンツダウンロードや本体アップデートが可能

 PSPがインターネットに接続してできることは現在のところ2つ。1つはシステムソフトウェアのアップデートという本体機能の強化で、もう1つがコンテンツダウンロードやオンラインイベントへの参加といったゲーム面でのオンライン対応だ。

 ネットワークアップデートでは、本体発売時の「1.00」から、3月24日に公開された「1.50」にアップデートが可能だ。1.50はゲーム関係では大きな変更はないものの、スリープモードから復帰時に、中止したところから映像や音声を再生できるレジューム再生機能が追加された。インターネット接続というとオンライン対戦やコンテンツダウンロードといった機能を思い浮かべがちだが、本体に新たな機能を追加できるアップデートプログラムという点でもインターネット対応は重要なポイントだろう。

 アップデートにはメモリースティックDuoに14MB以上の空きがあること、PSPのACアダプタとバッテリパックを用意することが条件。ACアダプタが装着されていない場合は注意が表示され、フル充電の場合でもアップデートはできない。なお、無線LAN環境がないユーザーの場合、SCEIのWebサイトで公開されているソフトウェアをPCでダウンロードし、メモリースティックDuo経由でアップデートすることも可能だ。


ファームウェアのアップデート確認画面 ACアダプタが装着されていない場合はアップデートできない

 コンテンツダウンロードでは、4月7日発売のレースゲーム「ワイプアウト ピュア」で、新しいサーキットや「クラフト」と呼ばれる乗り物をセットにしたパックが専用サイトからダウンロードできる。現在のところ、「ガンマパック1」が提供されており、5月には「ガンマパック2」が公開予定だ。

 また、4月27日発売の競馬ゲーム「ダービータイム」では、インターネットに接続し、実際の競馬レース予想でゲーム内の資金を稼げる「仮想投票」モードが用意されている。毎週末に行なわれる実際の中央競馬と連動し、中央競馬で的中させた配当がゲーム内のポイントとして反映される仕組みだ。


ワイプアウト ピュア ダービータイム




公衆無線LANサービスから接続してブラウジングも可能

 AOSSやらくらく無線スタート、あるいは手動設定によって、家庭内では簡単に無線LANに接続できる。では、公衆無線LANサービスへ接続した場合はどうなるのだろうか。東京都内で利用できる主要な公衆無線LANサービスで、ワイプアウト ピュアを使ってインターネット接続を試してみた。

 はじめに実験に用いたのは、「Yahoo! BB モバイル」。現在も実験サービスが続いているために無料で利用できるほか、都内のマクドナルドには比較的多く導入されているために利用もしやすい。事前に専用サイトで申し込む以外にも、携帯電話・PHSからその場で登録できる点も特徴の1つだ。

 さすがに公衆無線LANサービスはAOSSやらくらく無線スタートには対応していないため、SSIDとWEPを手動で設定後、「ワイプアウト ピュア」のメニュー「オンライン」から接続すると、PSPにはYahoo! BBモバイルのポータル画面が表示された。

 Yahoo! BBモバイルを初めとする公衆無線LANサービスは、ブラウザを立ち上げた際にサービスのポータルを強制的に表示、そこからIDやパスワードを入力してログインする仕組みを採用している。このため、通常であればワイプアウト ピュアのPSP専用ポータルに表示されるところが、リダイレクトによってYahoo! BBモバイルのポータルが表示されるというわけだ。


Yahoo! BBモバイルのSSIDとWEPを設定しておくと自動でYahoo! BBモバイルのポータルが表示される 文字入力画面ではソフトウェアキーボードが立ち上がる

 ブラウザ画面はSSLに対応しており、画面左上には鍵マークも表示される。そのため、Yahoo! BBモバイルのIDやパスワードの入力にも対応し、ログインすればインターネットのWebサイトが閲覧可能だ。Yahoo! BBモバイルであればログイン後にYahoo! JAPANのリンクも表示されるため、Yahoo! JAPANからサイトも検索できる。

 なお、PDAやPCのように自由にWebサイトを閲覧できるわけではない。URL入力欄が存在しないため、表示させたいページは検索やリンクを利用するしかない。また、Flashは非対応のため、Flashで構築されたサイトは表示できない場合がある。さらに「戻る」機能も存在しないため、表示できないページにアクセスした場合は閲覧を続けられない。ページの表示もPSPの幅にリサイズされずに通常の大きさで表示されるため、横長のページは十字キーで操作する必要がある。


Yahoo! JAPANを表示 Googleを表示

Broadband Watchを表示。Flashに非対応のため、広告部分が表示されない


 公衆無線LANサービス全般で試したところ、ほぼすべてのサービスがリダイレクトによるログインが可能だった。ただし、FREESPOTに関しては、設定が設置場所のオーナーによって異なる。りんかい線の「ITスポット」で接続したところ、WEPの設定も不要なほか、リダイレクトなしにワイプアウト ピュアのポータルが表示された。

 公衆無線LANサービスでは、一度ログインが終了すれば規定の時間内はログイン状態が保持される。ワイプアウト ピュアでのWeb表示も同様で、一旦ログインが終了すれば、電源を再度投入して「オンライン」を選択しても、通常のワイプアウト専用ポータルが表示される。そもそもこうしたWebサイトの表示はワイプアウトピュアの機能外の利用方法であり、Web閲覧を主たる目的として使うには厳しいだろう。また、純粋に公衆無線LANサービスでワイプアウト ピュアを楽しみたいユーザーは、一度ログインした後に改めて「オンライン」を選択すればワイプアウト ピュアのポータルを表示できる。


モバイルポイント Mzone

HOTSPOTは英語ページが表示される 無線LAN倶楽部




インターネット接続で広がるPSPの可能性

 本体発売時からインターネット接続をサポートしていたPSPだが、ネットワークアップデートやオンライン対応タイトルの発売によって、その利用方法が具体化された。また、ワイプアウト ピュアに搭載されたブラウザで、操作性に制限はあるものの、Webブラウジング機能もPSPで実現できることが確認できた。SSLに対応が可能なことからも、将来的にはインターネットを利用したアイテム課金やオンラインショッピングなどの実現も期待できそうだ。

 今後の展開で気になるのはPSPのオンライン対戦。PSPがサポートする無線LAN規格のIEEE 802.11bは理論値こそ最大11Mbpsだが、実効速度では数Mbps程度がいいところだ。単なるポータルサイトへの接続以外に、リアルタイム性が重視されるオンライン対戦などは有線LANよりも環境として厳しいかもしれない。PS2以上の表現力を持つとも言われるPSPであれば、転送データ量も大きいだろう。現在のところ、オンライン対戦に対応したタイトルは発表されていないが、PSPでのオンライン対戦サポートもぜひ期待したいところだ。


関連情報

URL
  PSP
  http://www.playstation.jp/psp/
  ワイプアウト ピュア
  http://www.playstation.jp/scej/title/wipeout/

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(甲斐祐樹)
2005/04/13 11:16
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