西日本電信電話株式会社(NTT西日本)と東宝株式会社は、東宝洋画系で公開上映する映画「千と千尋の神隠し」(スタジオジブリ製作、宮崎駿監督作品)を、NTT西日本の光アクセスラインを使い、配信実験を行うと発表した。実験期間は2001年7月17日から2002年3月31日まで。
これはブロードバンド時代における映画の新しい配信モデルの確立に向けて、その有効性をサービス面、技術面から実証するために行なわれるもの。
実験では、NTTスマートコネクト株式会社内に映画コンテンツ配信用のデータセンターを構築し、東宝の直営映画館(大阪府・梅田スカラ座など)に映像蓄積サーバーと受信サーバーを設置、サーバー間を光アクセスライン(最大1Gbps)を用いて接続する。
第1段階では、ネットワークセキュリティを確保した大容量データ転送の検証を行ない、NTTが開発した高速転送プロトコルによる転送速度の検証する。また、転送前後のデータ内容を転送ブロックごとに比較してデータの品質保証の検証も実施する。
今秋から実施する第2段階では、データ送達確認、認証方式などの技術方式の開発を行ない、それによって得られたサービスモデルを実装した形での実証研究を行なう。
具体的には、なりすましなどのセキュリティ低下を防止する認証コンポーネントを開発する。コンテンツの種類や送信先を区別する管理IDを転送のたびに独自にサーバーで生成し照合する機能を持たせる。また、転送前のデータ品質と転送後の品質を確保するため、サーバー間でのデータ整合性を確認するコンポーネントも開発する。さらに、各コンテンツに対応した通信方式を実現するために、異速度通信の管理機能の開発を行なうとしている。
□ニュースリリース
http://www.ntt-west.co.jp/news/0107/010717.html
□映画「千と千尋の神隠し」の紹介(MOVIE Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/movie/special/2001/07/03/010703_5.htm
□西日本電信電話株式会社
http://www.ntt-west.co.jp/
□東宝株式会社
http://www.toho.co.jp/
(遠藤 剛)
2001/07/17 21:20
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