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富士通、ネットワークトラフィックを分散させるLinux用ソフトを無償配布

連絡先:
ネットワークシステム研究所
ネットワークアーキテクチャ研究部
Tel: 044-754-2765
E-mail: chugo@jp.fujitsu.com



 株式会社富士通研究所は、同社のIP(Internet Protocol)トラフィックエンジニアリング技術を使用し、ネットワークトラフィックを自動的に分散させるソフトウェアのプロトタイプソフト(Linux版)を、8月8日より無償配布する。

 今回無償配布されるIPトラフィックエンジニアリングソフトは、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)(*1)ネットワーク上で動作するソフトウェア。「トラフィック統計情報収集通知機能」「代替経路検索機能」「負荷振り分け機能」といった機能を持ち、それらが自律的な動作を行なうことで、インターネット内にある特定経路のトラフィック(回線の通信量)が増大し、データ転送や接続の遅延が生じた際、自動的に通信量の少ない別の経路にデータを振り分け、遅延を緩和することができるという。

 インターネットでは、人気スポーツの試合やコンサートチケット、ゲームハード・ソフトの予約、また最近ではブロードバンドユーザーを対象とした、スリーミングライブ中継やソフトウェアのダウンロードなどにより、特定のネットワークにトラフィックが集中することがある。その結果、通信遅延を招くことがあり、場合によっては「ブラウザで申し込みページを開けない」などといった、目的のサーバーとの接続すら確立できないこともある。

 現在のルーティングプロトコル(ネットワークを流れる情報を目的の場所へ届ける手順)では、単純に最短経路を選択するのが一般的であるため、前述のようなイベント時には、特定のサーバーへ向かうネットワークのトラフィックが増大しやすい。こういった問題を解決する方法として、トラフィックをネットワーク内で分散させ、ネットワーク資源を有効に利用するIPトラフィックエンジニアリング技術が注目されている。

 富士通研究所は、今後、Linuxのオープンソースコミュニティと協力し、同ソフトウェアの安定化と機能拡張を図ると共に、2002年度を目標にIPトラフィックエンジニアリング技術の実用化を予定している。

IPトラフィックエンジニアリング技術

*1 MPLS
   現在、IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化作業が行なわれている、IPアドレスの代わりに下位レイヤ(ネットワーク層)のアドレス情報を用いるスイッチング技術。高速転送および経路制御や帯域制御を容易に実現できる技術であり、MPLS対応のスイッチやルーターで使用可能。最初のパケット受信時に、パケット内のルーティング情報に「ラベル」と呼ばれる短い固定長の情報を付け、次のホップ先に転送することから「ラベルスイッチング」とも呼ばれる。


□ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2001/08/3.html
□無償ダウンロードサイト(8月8日より)
http://www.labs.fujitsu.com/free
□株式会社富士通研究所
http://www.labs.fujitsu.com/

(水倉 正俊)
2001/08/06 12:45

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