理事長に就任した後藤滋樹氏

　モバイルブロードバンド事業に関する仕様策定や情報通信技術の調査・研究などを行なう団体、モバイルブロードバンド協会（Mobile Broadband Association、略称MBA）は、8月29日、都内で設立総会を開催した。総会では役員の選出、事業計画と予算が議決された。

　理事長には早稲田大学理工学部教授の後藤滋樹氏が選出され、「いつでも、どこでも、誰でもをキーワードに、モバイルブロードバンド社会の到来を意識させるイベントを開催する」と抱負を語った。後藤氏は旧電電公社からNTTソフトウェア研究所に入り、1996年から早稲田大学教授となった。現在、電子情報通信学会のインターネット研究会の委員長や（社）JPNICの副理事長などを務める。

　ほかの理事には日本サムスン（株）専務の安相佑氏、（株）コアラ社長の尾野徹氏、松下電器産業（株）常務の櫛木好明氏、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター所長の公文俊平氏、モバイルインターネットサービス株式会社代表取締役社長の真野浩氏、（株）アサツーディ・ケイの永井秀之氏の6名、監事ににはルート(株）の寺田崇氏が就任した。

　協会は第一期の事業として、（1）モバイルブロードバンドに関する調査研究及び仕様策定（2）モバイルブロードバンドに関する情報の収集、交換及び提供（3）モバイルブロードバンドに関する関係機関との連絡調整（4）モバイルブロードバンドに関する普及啓蒙啓発の4つを挙げた。

　協会の正会員には法人会員としてパソコンメーカーや無線LAN関連企業やプロバイダ、コンテンツ提供会社などが名を連ね、個人会員は大学教授から大学院生まで、主に研究者が会員となっている。

　定款には「エンドツーエンド原理とグローバルアドレスに基づきNAT等の介在物を含まないインターネットのモバイルでブロードバンドなサービスの仕様策定及びその有効活用のための研究開発…」と明記されるほど、グローバルアドレスへのこだわりが感じられる。Webブラウジングにとどまらず、グローバルIPアドレスを使ったコミュニケーションの発展も期待できそうだ。

（田中 章）
2001/08/29 21:21