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【 2009/12/25 】
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アスキー特別顧問の西和彦氏ほか2社が「1ch.tv」の開設を発表

1ch.tvの画面
 西和彦氏とバリュー・エクスチェンジ、Eストアーは、記事単位での購読が可能なWebマガジン「1ch.tv」を開局すると発表した。無料でアクセスできる試験サービスを10月5日に開始、来年からの本格サービスを目指す。

 1ch.tvでは、政治・経済・文化など様々なジャンルの掲示板を構築。各掲示板では、ジャーナリストが記事を掲載でき、ユーザーに対して有料で情報発信が行なえる。記事の価格はジャーナリストが決めるものの、高額であればアクセスが増えない。結果的に、しばらくの間、試行錯誤が続いた後に、ユーザーが受け入れられる価格に自然と落ち着くと予想している。

 ジャーナリストとしての記事の掲載は、項目ごとの掲示板に登録すれば誰でもできる。多くのジャーナリストに収益を確保できるコミュニティスペースを提供することで、多数の記事を集めるのが狙いだ。

 ユーザーは、Eストアーのシステムやプリペイドカードを購入することで、記事を購入・閲覧。無料で記事に対するコメントを掲示板に書き込んだりといったことも可能である。記事単位で購読可能にすることで、価値のある記事を書くジャーナリストをユーザーが判別、魅力のある記事、ジャーナリストには多数のユーザー(購読者)が集まるという仕組み。

 1ch.tvでは、項目別に立てられたトピックスをすべて保存することで過去記事を自由に閲覧できるようにする。さらに編集者を設けることで、無意味な投稿や嫌がらせなどを排除するという。


 発表会では、アスキー特別顧問の西和彦氏が、掲示板開設の経緯や狙いなどを詳細に語っている。主な発言は次のとおり。

発表会場での西和彦氏の発言

1ch.tvへの意気込みを熱く語る西和彦氏
掲示板開設のきっかけ

 今、インターネットで開設されている掲示板はタダ。タダの掲示板でいいのか。ちょうど貸本屋が本を貸さないで立ち見だけやっているような状況だ。貸本屋が1回5円や10円で好きな本を読めるようなものがあってもいいのではないか。

 間接的には、私がアスキーを辞めるときに、ほかの掲示板に根も葉もない意地悪をたくさん書かれた。私は、その掲示板に文句をつけて戦った。そのプロセスでそんなに言いたいことがあるんだったら自分でやったらどうだと言われた。知り合いを通して話をしており、それも大きな実現の理由となった。

 写真週刊誌のフォーカス。最近写真を撮られて載ってしまった。ひどいじゃないかと思っていたらフォーカスが廃刊になり、リベンジという感じがした。では、なぜフォーカスが廃刊になったのか。それは、1冊200円というのが高すぎるからだ。しかし、ほとんどの人はフォーカスの中で1つくらい読みたい記事がある。1つの記事に10円とか20円は払うのではないか。記事単位で売ったら200万部、300万部はいっただろう。それをネットで実現したいと思ったのもきっかけのひとつだ。

 今、マスコミは情報発信を独占している。実際に地面を走り回って記事を書いているのは、半分以上がフリーランスのジャーナリスト。それがインターネットでは、究極の中抜きが発生すると思う。読者はPCの前でクリックしている人、クリエーター(ジャーナリスト)は現場を走り回っている人。途中に有名新聞社や出版社は必要ない。ユーザーは、本当に新しい情報、本当の知りたい情報をクリエーターから直接得られるようになるわけだ。

1ch.tvの運営計画

 6カ月以内に1日40万の訪問者数、月間1億ビューを目指したい。これは国内でヤフーに続いて第2位になると思う。

 お金の徴収には、バリュー・エクスチェンジのマイクロペイメントシステムを採用する。これは、インターネットとオフラインの両方で使えるシステムだ。100円ショップなどと提携すればモノが買える。ポイントが貯まるようにもなっている。このシステムを1ch.tvの閲覧と情報発信に利用する。

 私(西和彦氏)自身はアスキーの特別顧問を勤めている。もっとも1ch.tvは個人でやっている。アスキーやほかの会社との提携の可能性、大学での電子マネーでの研究などいろいろな含みを持たせて広くパートナーを募る触媒になるべく参加した。

2chとの関係

 2chみたいなひどいめちゃくちゃなBBSが存在してもいいのかという憤りがある。私は瞬間湯沸かし器みたいなものだから頭にきた。その後、よく考えてみたら、私はあおられたわけだ。そんなにイヤだったら自分でやったらどうだ、ということで自分でやることにした。

 もっとも売られたケンカを買っただけではなく、ほかにもいろいろ理由はある。

 2chのOSは「あめぞう」が作ったものをパクった。人のものをパクってきて自分のところのOSにしているから改良できない。使いやすさを求めて改良できないのだ。これが2chの一番大きな欠点だと思う。

 そこで「あめぞう」とコンタクトして改良点を示し、「そんなん1日で直したる」ということで、直してもらい商用化へのメドをつけた。

 一部では「24ch」という名前になるのではと言われていたが、私は言っていない。それも考えたが、結局1ch.tvにした。彼(あめぞう氏)が改良してくれると言っているので、本当に使いやすいモノができると思う。

 2chには、あおり屋がいる。本来はけしからん発言を消す人があおっているのだ。うそを付くとんでもないやつもいる。

 それを「あめぞう」にいったら、BBSを乱す人は少ないという。1万人の中で一人か二人が悪いヤツ。それが朝から晩まで悪いことを書く。そしてネットワークで広がってしまう。ガン細胞みたいなモノだ。そういうヤツは抗ガン剤でやっつけるしかない。

開設にあたって

 非常に興奮している。興奮指数は、月刊アスキーを創刊したときが1だとしたら、週刊アスキーが4、5くらい。そして、今回の1ch.tvは10くらい。理由は、すぐにユーザーが反応できるメディアだから。しかも、PCだけではなくさまざまなジャンルをカバーできる。非常に大きな興奮を感じている。

西氏は何か書くのか

 2chには、もういかないから、ここでうろうろしているつもりだ。忙しくなったら分からない。


□1ch.tv
http://1ch.tv/

笠井 康伸
2001/10/04 18:19

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