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秋葉原にブロードバンドカレーが登場

これがブロードバンドカレー(390円)だ!!
 秋葉原にブロードバンドに対応したショップが登場した。秋葉原でショップといってもPC関係のお店ではない。居心地のよさと低価格メニューをウリに根強いリピーターを持つ「カレーの東洋」である。

 正式な店名は「喫茶 東洋」。もっとも、このお店、昔からずっと390円という価格を守り続けたカレーが名物となっており、リピーターの間では「カレーの東洋」という名前で親しまれている。この東洋が飲食店業界の先陣を切って日本初のブロードバンド対応カレーショップになったのだ。

 お店は秋葉原、中央通り沿いにあるT・ZONE本店やツクモの並び、ソフマップ4号館が入っているビルの地下1Fにある。「東洋」と大きく書かれたのぼりや看板が目印だ。一見すると、とてもブロードバンドに対応しているとは思えないが、看板の横に置いてあるメニュー(ロウでできたカレーのサンプル)には、しっかりと「ブロードバンドカレー」の文字が書かれている。

 階段を下りお店の入り口へ向かうと、ここにも「ぶろーどばんどかれー屋」の文字。しかも、その下には「Powered By eAccess and IBM」と書かれたシールまで貼ってある。さっそく、お店に入り初のブロードバンドカレーを体験してみよう。

お店は中央通り沿いソフマップ4号館と同じビルにある。この看板が目印
入り口には「ぶろーどばんどかれー屋」のシールが貼ってある
入り口に比べて店内は広い。右にいるのが斉藤店長

ブロードバンドカレーってどんなもの!?

 取材に対応いただいたのは斉藤店長。ブロードバンドカレーとは、一言でいってしまえばブロードバンドを楽しみながら食べられるカレーのこと。お店には、イー・アクセスが提供するADSL回線と、IBMが提供する無線LAN機能付きルータ「Gateway」が設置してあり、お客さんは、無線LANを使って自由にインターネットに接続できる。

 インターネットに接続するからといって、特別な料金は一切不要。その代わり、当たり前だが何かしらの食べ物もしくは飲み物を注文する必要がある。もっとも、前述のとおりカレーは390円と安い。ほかにも丼物やサンドイッチ、コーヒー、紅茶、ビールなどがある。

 このお店、数カ所設置されているコンセントを自由に使っていいことでも有名で、ノートPCを持ち歩いている人には重宝する。ACアダプタさえ持っていれば、無線LANで何時間でもインターネットが使えるのだ。

 ただし、ノートPCや無線LANカードはお店では用意していない。自分で機材を持ち込む必要がある。もっとも、お店が用意するPCを使うより、自分のノートPCを使えるほうがはるかに便利と考える人も多いはず。また、店内には「昼食時など混雑時には無線アクセスを一時的に中止する場合があります」と書かれているものの、斉藤店長にはそういった気持ちはほとんどないようだ。

 実際、ブロードバンドを導入する前からノートPCを持ち込み、電源をコンセントにつないで1~2時間、PCを使い続ける人もいたそうだ。そういう人たちには、カレーとドリンクのセットメニューをお勧めしたいという。

 カレーショップというと、長時間居づらい雰囲気のお店も多いが、東洋はそういう意味では昔ながらの喫茶店。ゆったりとした雰囲気を楽しめる。秋葉原の散策で疲れた足を休ませつつブロードバンドを楽しめる絶好のスポットといえるだろう。

 なお、実際にThinkPad X20と無線LANカードをお店に持ち込み、インターネットに接続してみたところ、数分で利用することができた。設定といえば無線LANを「ANY」モードに切り換えるくらい。お店が地下で外に電波が漏れにくいということもあり、こういった運用を行なっているようだ。

 実効帯域も、インターネットで公開されているスピード計測サイトを使ってみたところ、800kbps程度は出ていた。電源や通信料金を気にせずにインターネットが利用できるのはとにかく便利である。

無線LANの設定は「ANY」モードに切り換えるだけといたって簡単
店内に設置されたADSLモデムと無線LAN機能付きルータ
数カ所ある電源コンセントは自由に使っていい。ノートPCユーザーは重宝する

なぜIBMやイー・アクセスが協力を?

 ところで気になるのが、どうしてIBMとイー・アクセスが東洋のブロードバンド化に協力しているのかということ。この点について斉藤店長にお話を伺ったところ、IBMとのお付き合いはWindows 95フィーバーの頃まで遡るという。この時期、IBMがT・ZONEのフロアを1つ利用しており、そこにコーヒーを届けていたのが東洋だった。

 IBMは、ワイヤレスのインフラ整備には力を入れている。PC Watchに掲載された大河原克行氏のコラム「パソコン業界、東奔西走」(http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20011001/gyokai15.htm)にも書かれているように、航空会社のラウンジやホテルのロビーなどで積極的なワイヤレスインターネットアクセスのインフラ整備を進めているのだ。

 もっとも、これまでIBMが整備してきたスポットは、どちらかといえば日常的に利用できる場所ではない。そこで、週末などに手軽に利用できる東洋に狙いを定め、インフラ整備の秘策として協力を申し出たのである。

 それでは「Powered by」に書かれているもう1社、イー・アクセスの意図はどこにあるのだろう。電話で尋ねてみたところ、次のような回答だった。まず、最初はIBMからホテルなど、ほかの施設も含めていろいろなインフラ整備をやろうと持ちかけられた。その過程で東洋にも出向き、居心地のよさに驚いた。そして何より、IBMの熱意に負けたことが協力のきっかけだという。

 もっとも、それだけでは終わらない。イー・アクセスでは、ADSLのよさをアピールするためのさまざまなプロモーション活動を行なっている。その一環として、ブロードバンドカレーを利用できると考えたのだ。秋葉原には、ADSLに魅力を感じている人たちが大勢やってくる。そういった人たちにアピールできる東洋は、まさにうってつけの場所だろう。

笠井 康伸
2001/10/26 19:02

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