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イー・アクセス、8MサービスのスループットがわかるADSL回線の評価結果

 イー・アクセスは、日本で使われているG.dmt AnnexCやG.dmt AnnexA、G.lite AnnexCなどのADSL規格の回線特性を発表した。自社研究室の実験環境を使用して評価したもので、これによると、最大下り8MbpsのG.dmtであってもYahoo! BBが採用するAnnexAよりも、イー・アクセスなどが採用するAnnexCのほうが優れた結果を示したという。

 評価はイー・アクセスがサービスで使用しているDSLAMおよびADSLモデムを使用して行なった。もっとも回線は実際のものではなく、回線シミュレータおよびISDNノイズシミュレータで擬似的に回線環境を作りだしている。実際の回線環境では、ISDNノイズのほかにもAMラジオや電源などが影響をおよぼすため、今回の評価結果よりも悪い結果になると思われる。

 なお、G.dmt AnnexAについてはイー・アクセスがサービスを提供していないため、同規格に準拠した日本で一番多く使用されている製品を使用したという。イー・アクセスは具体的なメーカー名を明らかにしていないが、Yahoo! BBで使用されている通信機器を用いたものと思われる。

評価結果:ノイズが混入しない場合
評価結果:ISDNノイズが混入する場合
 測定はノイズを混入しない環境と、ISDNノイズシミュレータにより、ADSL回線のまわりに24本のISDN回線がある場合と同等のノイズを発信させた状態で行なっている。この環境は、実際の回線環境でもISDN回線の影響を非常に強く受けるケースとなる。

 ISDNノイズのない環境では、回線距離が1.5kmまではG.dmt AnnexCとAnnexAでは、いずれも最大値に近い8Mbpsを記録している。それ以降はスループットの低下がはじまり、4kmではG.lite AnnexCとほとんど差がなくなってしまう。

 評価結果を見た場合、回線距離にかかわらずG.dmt AnnexCがG.dmt AnnexAよりも高速。また、G.lite AnnexCと比較すると、G.dmtはAnnexA、AnnexCともに距離による速度の低下が顕著に表われる。

 ISDNノイズを強く混入させた環境では、G.dmt AnnexCは、すべての状況でG.lite AnnexCより高速となったのに対し、G.dmt AnnexAは2km手前でG.lite AnnexCより低速となってしまう。規格上の最大値はG.dmt AnnexAは8Mbpsだが、この実験結果では2km手前で1.5MbpsのG.lite AnnexCより低速になるということだ。

 1.5Mbpsから8Mbpsへの乗り換えを検討しているユーザーは、収容局からの距離や現在の実効帯域を参考にすれば、今回の評価結果は乗り換えによってどの程度のメリットを得られるかの目安となる。具体的には、G.lite AnnexCを使って実効スループットが1Mbps前後のユーザーは、G.dmt AnnexCにすることで2.5Mbpsを超える程度の高速化が期待できる。500~800kbps程度の場合は、1~2Mbps前後。それより遅い場合は、乗り換えることによる高速化はほとんど得られないことになる。

 ADSLでは、最大下り1.5Mbps、上り512kbpsのG.lite AnnexC、最大下り8Mbps、上り1MbpsのG.dmt AnnexC、G.dmt AnnexAが日本では主に使われている。各社が接続サービスで採用している通信規格は、G.lite AnnexCとG.dmt AnnexCは、イー・アクセスやアッカネットワークス、NTTのフレッツ・ADSL、G.dmt AnnexAはYahoo! BBである。


□ニュースリリース
http://www.eaccess.net/jp/press/2001/pr011101.html
□イー・アクセス
http://www.eaccess.net/

笠井 康伸
2001/11/01 18:32

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