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スカイ・ファイバー、近赤外線レーザーで622Mbpsの企業向けネットワーク

屋上に設置された「ノード」

 スカイ・ファイバーは、近赤外線レーザーを使って2点間を622Mbpsの通信速度で接続するネットワークインフラの提供を開始した。主にビル間の通信を必要とする企業や、光ファイバが敷設できない環境にいる企業をターゲットとする。

 同社が提供するのは、近赤外線レーザーを使用する通信サービス。レーザーの送受信を行なう「ノード」をビルの屋上に設置し、ほかのノードと622Mbpsの通信を行なう。1つのノードは最大で4つのノードと同時に通信でき、複数のビルが網のようなメッシュネットワークを形成できる。

 同サービスは、日本全土をカバーするネットワークを形成するというよりも、光ファイバを設置できないビルや地域を対象に、局所的なネットワークを点在させる、という形で提供される。

ノードのレーザー送受信部

 通信には周波数382.17THzのクラス1近赤外線レーザーを使うため、遮蔽物がなく視認できるノード同士でしか通信できず、ノード同士の距離は最大でも500mまでに限られる。また、天候の影響も受けるため、頻繁に霧が発生する地域などでは、設置ノード間距離を短くする必要がある。しかし、使用する近赤外線は電波法外のため、電波法上の許可を得ずに利用できる。

 新たに光ファイバなどを敷設する必要がないため、専用線敷設工事ができないビルのテナントもサービスを利用できる。ノードの設置作業は4~5時間で行なえて、撤去も同様に短時間で行なえる。ノードは重しとなる水タンクを備えていて、秒速45mmの突風にも耐える設計。ノード同士の位置把握もGPSを利用し、自動でレーザー方向を補正できるため、地震などがあってもほぼメンテナンスフリーで運用できる。

 同サービスは、主に光ファイバを引き込めないビルの、テナントおよびオーナーを対象とする。また、企業だけでなく複数の建物を持つ大学や病院などの機関にも提供する。

 サービスは、回線のレンタル形式で提供される。回線使用料は、既存のサービスの3分の2程度になるという。インターネットに接続するには、ネットワークを構成するノードの1つがインターネット専用線を持っている必要があるが、同社ではインターネット接続を含んだサービス提供を来年より開始する予定。

 現在、トライアルとして東京丸の内地区の5つのビルと、東京大学本郷キャンパスにおいてメッシュネットワークを形成している。同社は今後、インターネットの「幹」となる光ファイバに対し、いわゆるラストワンマイルをカバーする「枝」のような形で同サービスを提供していく。


□スカイ・ファイバー
http://www.skyfiber.co.jp/

白根 雅彦
2001/11/07 15:53

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