ハードウェアによる暗号化回路を搭載する「XR-300/TX2/DES」

　センチュリー・システムズは、実効スループットが40Mbpsを超えるCATVやADSL、FTTH対応ルータ「FutureNet XR-300」シリーズを発表した。ポート数や暗号処理を行なうハードウェアの有無などで3機種がラインナップされる。ベースモデルとなる1ポートの「XR-300/TX2」の予想実売価格は4万円前後の見込み。

　ラインナップには、このほかにハードウェアによる暗号化をサポートした「XR-300/TX2DES」とポート数が4つになる「XR-300/TX4」が用意される。XR-300/TX2DESとXR-300/TX4の予想実売価格は6万円前後。発売開始はXR-300/TX2とXR-300/TX2DESが11月中旬、XR-300/TX4が12月上旬の予定だ。

XR-300シリーズの価格と発売時期

製品名	ポート数	暗号回路	予想実売価格	発売時期
XR-300/TX2	2	×	4万円前後	11月中旬
XR-300/TX2DES		○	6万円前後
XR-300/TX4	4	×		12月上旬

　XR-300/TX2のインターフェイスは、WANとLAN側用にそれぞれ10BASE-T/100BASE-TXが1ポート（計2ポート）と、モデムを接続したりコンソール用として使用したりできるシリアルポートが1つ。

　PPPoEやDHCPサーバー／クライアント機能をサポートしており、ADSLやCATVインターネット、FTTHなどで使用できる。セキュリティ関連では、パケットフィルタリング機能やDoS検出機能などをサポートしているほか、12月以降のファームウェアのアップデートでStateful Packet Inspectionファイヤウオールも組み込む予定だ。

　CPUにPowerPC 405GP 200MHzを搭載しており、フィルタ類を使用しない場合は最大で50.7Mbps、NAT使用時で46.4Mbps、32個のパケットフィルタ使用時で42.4Mbps、NAT＋パケットフィルタで39.2MbpsというWAN-LAN間の実効スループットを誇る。センチュリーによれば、NTTのBフレッツなどのFTTHサービスでも十分なパフォーマンスを発揮できるという。

WAN-LAN間の実効スループット（最大値）

測定方法	速度
フィルタ類未使用	50.7Mbps
NAT使用時	46.4Mbps
パケットフィルタ×32個使用	42.4Mbps
NAT＋パケットフィルタ×32個	39.2Mbps

　XR-300/TX2DESとXR-300/TX4の基本スペックはXR-300/TX2と共通。

　XR-300/TX2DESは、トリプルDES暗号化方式をハードウェアで実現。IPsecを利用してIP-VPN（IP仮想専用線）を構築した場合、ハードウェアによる暗号化を行なわない場合、実効スループットは最大4.0Mbps程度に低下するが、ハードウェアで処理した場合最大8.4Mbps程度になるという。

　XR-300/TX4は、10BASE-T/100BASE-TXポートを4つ搭載。ポートをWAN用、LAN用、DMZ用に自由に割り当てられるのが特徴となっており、たとえばWAN用に2ポート、LAN用、DMZ用に各1ポートといった使い方ができる。この場合、WAN側にADSLとFTTHの回線をそれぞれ接続。障害時に回線を切り換えて使用するといった運用が可能だ。将来的には、IPアドレス（接続先）やネットワークの状態に応じて使用する回線を使い分けるといった機能もサポートする計画だ。

　DMZ機能をサポートしているため、LAN側にインターネットで公開するサーバーを設置することもできる。複数のグローバルIPやローカルルータ機能にも対応しており、柔軟なネットワーク構築が可能である。

　本体サイズ（幅×奥×高）は81×118×32mm（XR-300/TX4は81×118×56mm）、重量約240g（同320g）、OSはLinux 2.4.10、フラッシュ8MB、メモリ64MBを搭載する。

本体上面。サイズ（幅×奥×高）は81×118×32mmと小型である

状態を表示するための7セグメントLEDを本体前面に配置（写真左側の黒い部分）

□ニュースリリース（PDFファイル）
http://www.centurysys.co.jp/xr/pressrelease.pdf
□「FutureNet XR-300」製品情報
http://www.centurysys.co.jp/xr/
□センチュリー・システムズ
http://www.centurysys.co.jp/

（笠井 康伸）
2001/11/09 21:05