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NEC、日立、松下が共同でホームネットワークのフィールド試験を実施

 NEC、日立製作所、松下電送システムは、IEEE1394を使用したホームネットワークのフィールド試験を12月1日より約1年間実施すると発表した。

 TAO(通信・放送機構)からの受託により行なうもので、大林組が運営する墨田区の高層マンション「リバーサイド墨田」の居住者と、開発に携わる3社の社員宅、あわせて約30戸のモニター家庭が対象となる。

 具体的には、高精細なデジタル動画を含む各種データを電送する方式の開発や、その伝送方式を実現するためのホームネットワーク機器の開発、インターネットやデジタル放送、AV機器、PCなどを統合的に利用できるソフトウェアの開発などを行なっていく。

 フィールド試験を行なう家庭では、インターネットとADSL回線で接続、放送ゲートウェイ(STB)やデジタルビデオ機器、PCなどを相互接続する。映像関連の機器をPCから新開発のソフトでコントロールしたり、PC上で映像機器の出力を再生したりといった利用も可能。

 AV機器やPCは、情報分電盤と呼ばれる機器で接続される。この機器により、IEEE1394を用いて200Mbpsもしくは400Mbpsで部屋間を接続するほか、PDAやノートPCと無線LANブリッジを使用して無線で接続したり、ADSL回線からモデム、ブリッジを介してIEEE1394ネットワークへ接続したりといったことができる。

 今回、ホームネットワークのインフラにIEEE1394を採用したのは、NECによれば映像を扱うのにもっとも適しているため。著作権などの問題が解決すれば、映像機器を接続するインフラとしては主流になると考えているという。もっとも、PCなどのデータ系機器を接続するには、従来どおりイーサのほうにメリットがある。つまり、将来的にIEEE1394とイーサは混在し、両者を相互接続・利用できるようにすることがホームネットワークのあるべき姿と考えたわけだ。

 3社の役割分担は、NECがIEEE1394系のブリッジや制御用のソフトウェアを開発、日立は映像系のゲートウェイ(STB)、松下は総合的な使い勝手や安全性の向上、故障時のバックアップなどを行なう。情報分電盤は、NECが開発した。

 NECによれば、今回のフィールド試験で使われる機器が一般家庭でも登場するようになるのは2002年頃で、ちょうど実験が終わったころを想定している。もっとも本格的な普及期に入るのはもう少し先で2005年頃になるのではないかという。

 フィールド試験で培ったノウハウをベースにした事業化も検討中。IEEE1394関連を中心に、イーサとのブリッジやIEEE1394ターミナルなどを順次製品化していく計画だ。

 今回、研究開発を委託したTAOは、総務省の認可法人として情報通信分野で研究開発を行なう機構。フィールド試験も、TAOの「次世代の住宅情報化に関する技術の研究開発」の一環として行なわれる。


□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0111/2701.html
□NEC
http://www.nec.co.jp/

笠井 康伸
2001/11/27 17:32

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