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ファイル交換ソフト「WinMX」使用者を世界で初めて逮捕


 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、ファイル交換ソフト「WinMX」を使用し、Photoshopなどのビジネスソフトをインターネットに公開したとして、京都府警ハイテク犯罪対策室、山科署、五条署が本日、東京都杉並区の19歳男性(大学生)と埼玉県さいたま市の20歳男性(専門学校生)を、それぞれ著作権侵害の疑いで家宅捜査し、逮捕したと発表した。

 WinMXは、インターネットに接続された不特定多数のパソコン同士でファイル共有を可能にするソフト。サーバーにファイルを置くのではなく、個人同士で行なえるので「ファイル交換ソフト」と呼ばれている(実際にはコピーしている)。

 今回逮捕された杉並区の19歳男性は、WinMXを使い自宅パソコン上のPhotoshop(アドビ)、一太郎(ジャストシステム)、Visual C++(マイクロソフト)など、ACCS会員企業のソフト約100タイトル700万円相当を含む2400個のファイルをインターネット上で共有状態に置いたという。

 さいたま市の20歳男性は、同じくWinMXで500以上のファイルを共有状態に置いたという。さらに20歳男性には、著作権を侵害するMP3形式の音楽ファイルも送信可能な状態に置いたという容疑も持たれている。

 著作権法では、WinMXが行なうようなファイルの共有を「公衆送信」と規定している。公衆送信は「公衆によって直接送受信されることを目的として無線通信または有線電気通信の送信を行なうこと」と定められており、同法では著作物を公衆送信する行為、公衆送信可能な状態に置く行為について、著作者が占有する権利(著作権)を有すると規定している。

 著作権法では、著作権を侵害した人に対し3年以下の懲役または300万円以下の罰金としている。

 著作権法によって個人同士のファイル交換ソフト使用者が刑事摘発されたのは今回が初めて。ファイル交換に対応できる法律を整備しているのは、先進国でも日本とオーストラリアのみとなっており、ネットを経由する個人のファイルコピーが刑事事件として摘発されるのは世界でも例がないという。

 京都府警ハイテク犯罪対策室などでは、今回逮捕された男性らの著作権侵害行為について捜査を進めており、ACCSも男性らの公衆送信状態や公衆送信ファイルの著作権の有無確認などで協力を行なっていたという。

 ACCSでは、ファイル交換ソフト利用者による著作権侵害行為の拡大に対して「今後も関係団体と積極的に協力し、著作権思想の普及・啓発に一層努めるとともに、今国会で成立した『プロバイダー責任法』なども活用しながら、わが国の著作権保護の実現に寄与してまいりたいと考えております」と述べている。


□社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会
http://www.accsjp.or.jp/

白根 雅彦
2001/11/28 20:56

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