Windows XPに標準で付属するMessengerから利用できるPC to Phoneサービス(インターネット電話)が、2002年1月以降に延期されることになった。延期の理由はサービス品質を確保するためで、インターネットと電話網のゲートウェイを提供するイー・アクセスとマイクロソフトが明らかにした。
PC to Phoneサービスは、当初はWindows XPの発売日である11月16日よりサービスを開始する計画だった。しかし、開始予定日にイー・アクセスと関係各社との手続き上の問題を理由に延期。この時点ではできるだけ早い時期にサービスを開始するとだけ表明していた。
今回の延期の理由はサービス品質を向上させるため。イー・アクセスによれば、マイクロソフトと協議の結果、対策が完了するまでサービス提供を延期することに決めたという。もっとも、具体的な対策内容について、イー・アクセスは明らかにしていない。
マイクロソフトも、この件に関しては口が重い。現在は、ADSLやCATVなどのブロードバンド環境だけではなく、ISDNやアナログモデムでも利用できるようにネットワークパフォーマンスの改善を行なっているという。イー・アクセスは、PC to Phoneサービスの利用には100kbps程度の帯域を使用するためブロードバンド環境がなければ音質の確保は難しいと説明していた。これを数十kbps程度であっても使えるように改善する。加えてセキュリティ面での強化などを、米国マイクロソフトの開発部隊を交えて取り組んでいるというのだ。
もっとも、改良を行なっているのはクライアントソフトであるWindows Messenger自体ではない。マイクロソフトによれば、一連の対策で現在提供しているMessenger 4.5をバージョンアップする計画はないという。
延期の理由は、先行してPC to Phoneサービスを開始した米国で、何らかの改善点が判明したためという可能性もある。いずれにしろ、サービス開始は2002年1月に延期される。この時期についてもきちんとしたサービスを提供できることが前提で、マイクロソフトによればさらに延期される可能性もあるという。
□インターネット電話(イー・アクセス)
http://www.iptel.jp/jp/index.html
□関連記事「イー・アクセス、Messengerから利用できるPC to Phoneサービスを延期」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/11/20/ea2.htm
(笠井 康伸)
2001/11/29 21:14
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