公正取引委員会は、NTT東日本およびNTT西日本に対し、ADSL関連で不公正な行為を行なっている疑惑があるとして警告を行なった。保安器の取り付けや収容替え工事をフレッツ・ADSLユーザーに対しては無償で提供していたのに対し、他事業者のADSLユーザーには有償としていた疑い。
今回、警告が行なわれたのは電話着信によりADSL接続が切断される可能性のある保安器の取り替え工事と、光ファイバからメタルケーブルへの収容替え工事について。公正取引委員会によれば、NTT東西は自社のフレッツ・ADSLユーザーに対してはこれらの工事を無償で提供していたにもかかわらず、アッカやイー・アクセスなど他事業者のユーザーからは工事料金を請求していた疑惑があるというもの。
こういった行為は独占禁止法第19条「不公正な取引方法」の第9項「不当な顧客誘引」または第15項「取引妨害」の規定に違反するおそれがあるという。
NTT東日本のコメント 今回、公正取引委員会から警告を受けたことについては、他事業者との間で不公平が生じるような行為を意図的に行なったものではなく、すでに全支店に対し指導の徹底を実施し改善を図っているところでありますが、今後はこのような疑念を招かぬよう格別の注意を払っていく所存です。
イー・アクセスのコメント
今回の件については公正取引委員会からヒアリングを受けており、そういった事実があったことは認識している。もちろん問題がある行為だと考えており、警告が出たのは望ましいことだ。もっとも、こういった問題が持ち上がったのは春ごろ。NTT東西は8月に約款の変更を行なっており、フレッツ・ADSLユーザーに対する保安器の取り替えや収容替え工事も有料化されている。つまり8月の時点で解決済みの問題という認識だ。
□警告文(公正取引委員会)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/01.december/01122501.pdf
(笠井 康伸)
2001/12/25 18:28
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