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総務省、Yahoo! BBとNTT東西に業務改善を求める指導文書

 総務省は、Yahoo! BBを運営するビー・ビー・テクノロジー(BBT)に対して、ユーザーが解約手続きを行なった場合、速やかに回線を解放するように指導文書を出した。また、NTT東西に対しても、ADSL事業者から要求された工事を迅速化するように指導文書を出し、開通までの工事期間の短縮を求めた。

 総務省によれば、電気通信消費者相談センターに対しYahoo! BBによる回線解除手続きの遅れに関する苦情が多数寄せられているという。このため2001年12月1日から12月25日までの間に寄せられた189件について調査を行なったところ、利用者が契約解除を申し出てからBBTがNTTに対して設備撤去工事を申し込むまでの平均日数が27日、NTTが撤去の申し出を受けてからBBTに対して完了報告をするまでに平均11日を要していた。

 このため、BBTに対しユーザーが契約解除を申し出た場合、迅速かつ確実に処理するとともに、ユーザーに対して状況の説明が適切に行なえるように顧客管理および事務処理手続きといった社内体制の整備を求める指導文書を発出した。

 また、NTT東西に対しても工事が完了してからADSL事業者に報告するまでに日数を要していることから、NTT東西の社内業務システムとADSL事業者のシステムを接続することで期間を短縮するよう指導を行なったという。

 このほかに、BBTからの意見にもとづき、総務省はNTT東西に対しても指導文書の発出を行なっている。これは、NTT東西がADSL回線の適合検査やジャンパ工事を、事業者間の取り決めである7営業日以内に終わらせていないというもの。加えて、BBTはNTT東西が自社サービスを優先的に処理していないかや、ADSL申し込み時の本人確認の簡素化も求めている。

 この意見に対し総務省が調査を行なったところ、BBTから工事の申請を受けてから7営業日以内に工事が完了していなかったケースがNTT東日本で約20%、NTT西日本で77%もあったという。

 総務省によれば、この要因のひとつとしてBBTが特定のNTT局舎での工事を特定の日に集中させたり、工事の申し込みの一部に不備があったためとしながらも、NTT東西に対し改善を行なうように指導したという。

 具体的な指導内容は、NTT東西と工事施工業者の連絡を効率化し工事日調整のための所用期間を短縮すること、工事申し込みを受け付けるシステムとNTT東西の業務支援システムを接続することなど。また、7営業日以内に工事が行なわれているかどうかや、遅延が生じた場合はその理由を3カ月に一度をメドに公表することも求めている。

 NTT東西が自社のADSLサービスでの工事をほかのADSL事業者と同等に扱っているかについては、NTT西日本のある代理店でサービス開始までの期間が短い(5営業日)と宣伝を行なっていたことに注目。代理店にこういった宣伝を行なわないように周知徹底するように指導したという。

 ADSL申し込み時の本人確認の手段については、個人情報の保護などの問題があるため、今後、研究会で検討していくとしている。

回線握りに関するBBTのコメント

 解約が殺到していた2001年9月、10月は回線を解放するまでにかなりの日数を要していた。もっとも総務省の分析ではBBTのほうが所要日数が多くなっているが、BBTによる全件(1万7363件)の分析ではBBTの所要日数が平均9.4日、NTTが27.7日となっておりNTTのほうが日数を要していることが判明している。

 現在は、社内体制を整備するとともにNTT東西に対しても体制の整備を要求。その結果、NTT東日本は改善が図られたものの、NTT西日本についてはいまだに整備されていない部分もあり、改めて1月16日に改善要求を提出している。


□総務省
http://www.soumu.go.jp

笠井 康伸
2002/02/08 19:15

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