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NTT東日本、ADSLの伝送速度を開通前に推定するシステムの実験を開始

速度推定で用いられる5つの速度レンジ

 NTT東日本は、通信・放送機構(TAO)からの委託研究で、ADSLの伝送速度を開通前に推定するシステムの実験を行なう。専用ソフトを用いてアナログモデムから指定場所にダイヤルして測定するもの。2月12日から2003年2月まで行なわれる予定。

 推定可能なADSLの方式は、G.lite AnnexA、G.lite AnnexC、G.dmt AnnexA、G.dmt AnnexC方式の4方式で、下りの速度。測定は無料だが、茨城県・つくば市にある研究所までの電話料金はユーザーの負担となる。

 測定方法は「ADSL伝送速度事前推定実験システム」のWebサイトから専用のソフトウェアをダウンロードし、アナログの56Kモデムが研究所の推定システムに電話をかけて回線状態を判断する。約1分間の試験を3回行なうと、5段階評価で推定された結果が電子メールで通知される。

 結果は自宅からNTT局舎までのメタルケーブルの状況をアナログモデムの通信状態から判断する。56Kモデムの場合、回線の状態でリンクアップ速度が大きく変わってくるが、この特性を利用してADSLの速度を推定する。アナログモデムで使われる帯域は4kHzまで、ADSLが使うのは1MHzまでと隔たりがあるため、高い周波数帯域に含まれるノイズの影響は、試験結果に反映されない。あくまで、メタルケーブル部分の損失などの推定になるということだ。

 必要な環境は、アナログ回線であることや、NTT局舎までの途中経路が光収容されていないことなど。ISDNのTAにアナログモデムをつないだり、光収容でも測定自体は可能だが結果はまったく意味をなさないものになる。また、NTT局舎と研究所までの間は、通常デジタルでデータが流れるために、全国のどこから電話をかけても測定は可能だが、マイラインなどで途中にデータ圧縮のされたIP電話事業者を経由した場合などは、正しい測定ができなくなるという。

 なお、これはあくまで推定値なので、実際にADSLを申し込むかどうかは「ユーザーの判断」だという。


□ニュースリリース
http://www.ntt-east.co.jp/release/0202/020208_1.html
□ADSL伝送速度事前推定実験システム
http://www.dlqs.jp/

正田拓也
2002/02/08 17:36

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