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イー・アクセス、ユニバーサルサービス関連の答申に対し意見書

 イー・アクセスは、情報通信審議会が出した「IT革命を推進するための電気通信事業における競争政策の在り方について」に関する第2次答申に対し意見書を提出した。この答申に記載されているユニバーサルサービスを維持するための基金の負担ルールに関するもので、コスト負担の公平性を強く求める内容となっている。

 答申にあるユニバーサルサービスとは、ビジネス的に利益を出すことが難しい離島などの特定地域であっても、加入電話や公衆電話、緊急通報などのインフラをほかの地域と同様に提供するというもの。インフラへの投資の回収が難しい地域でのサービス提供を支援するために「ユニバーサル基金」を設置し、費用負担を軽減させるといった内容だ。

 この基金を負担する事業者として、答申には「NTT東西以外の電気通信事業者も応分の負担を行なう」と書かれている。ADSL事業者を対象にするといった具体的な記載はないものの「基礎的電気通信役務を提供する事業者を適格電気通信事業者として総務大臣が指定」と補足されている。ADSLサービスではユニバーサルサービスが対象とする加入電話の設備を使用することから、基金を負担する事業者として指定される可能性がある。

 イー・アクセスは、まずこのユニバーサル基金の負担を新技術を使用した新しい通信事業者にも負担させる可能性があることについて、事業者の新規参入を阻害してしまうものとして強い憂慮を示している。そもそも基金で補填される費用は、NTT東西という独占事業者の非効率性とマイラインなどによる従来からの技術をベースとした事業者間の競争の中で発生したものであり、新技術をベースとした事業者に負担させるのはおかしいという論理だ。

 さらに、ADSLサービスを提供する事業者は、技術的にユーザー宅から収容局までの距離がある地域、つまり収容局がカバーするエリアが広い地域ではサービスを提供できない。しかし、ユニバーサル基金の対象となるのはもっぱらこういった地域が中心となることから、基金のメリットを受けられないとしている。

 アクセス回線を利用する事業者に基金の負担を求めるといった、対象事業者の「設備面」からの選定にも疑問を示している。ドライカッパやダークファイバを利用した専用線サービスなどでも加入電話用の設備が利用できることから、同じ設備を利用しているにもかかわらず利用形態によって基金を負担する事業者が変わるのはおかしいからだ。これに対しイー・アクセスは、どういったサービスを提供しているかといった「役務面」に着目し、負担事業者を決めるのが適当だと考えを述べている。


□イー・アクセスが提出した意見書(PDF)
http://www.eaccess.net/jp/press/pdf/op020214.pdf
□情報通信審議会の第2次答申
http://www.mha.go.jp/s-news/2002/020213_3.html
□イー・アクセス
http://www.eaccess.net/

笠井 康伸
2002/02/14 19:40

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