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日本テレワーク協会他、プラスチック光ファイバの実証実験を開始

GI-POFを発明した小池康博教授

 日本テレワーク協会はプラスチック光ファイバの実証実験を行なうと発表した。教育施設とマンションへのネットワーク導入は慶應義塾大学と三井不動産、拠点間の通信回線はパワードコム、光ファイバネットワークは旭硝子、技術的支援は科学技術振興事業団ERATO小池フォトニクスポリマープロジェクトが担当し、コンテンツ関連も含めた実験実施のトータルコーディネイトを三菱商事が行なう。

 実験で用いるプラスチック光ファイバは全フッ素樹脂光ファイバ(GI-POF)で、慶應義塾大学理工学部の小池康博教授が発明したもの。旭硝子が製品化し「ルキナ」として2001年6月から販売している。柔軟性、簡易接続性を実現し、石英光ファイバの10分の1の時間で接続作業が可能になるという。

 小池教授は現在のネットワーク構造について「ネットワークの95%は毛細管、最後の数百メートルの物理層ができていない」と末端における高速な通信線がないことを指摘した。今回のGI-POFが、「まさに最後の数百メートルに使う」と端末までのギガビットネットワークを実現するために必要なものであるとした。また、GI-POFの性能については「常に石英ファイバーを超える性能を持っている」として、簡易的なものではないことを強調した。

実験の概要

 今回の実験は、大学と小学校とマンションに光ファイバを敷設する。大学は慶應義塾大学の三田キャンパス、小学校は慶應義塾幼稚舎に、マンションは三井不動産が販売する「パーク・ハイム自由が丘二丁目」が実証実験場所となる。

 光ファイバが張り巡らされたマンションでは居住者同士が動画でコミュニケーションを行なうことが可能になる。複数の子ども部屋を結び、それぞれの家にいながらにして子ども同士が遊ぶことや、キッチンを結んで料理を教え合ったりといったコミュニケーションが実験される。また、大学とギガビットで結び、学内のコンテンツをマンションで閲覧したり、遠隔講座なども行なう。

 小学校の実験では構内に計50台のパソコンと1T(テラ)バイトのストレージを設置。単独でしか使えなかったアプリケーションソフトを、ネットワークで連結してコミュニケーション型として使えるものにすることなどを実験する。また、アメリカンスクールの西町インターナショナルと高速回線を用いた国際文化交流を行なう予定もあるという。

 日本テレワーク協会では、このほかにマンション内ギガビットイーサネット環境の提供先を公募する。3月1日まで応募を受け付け、4月中旬から12月下旬まで実証実験を行なう。


□ニュースリリース
http://www.poweredcom.net/news/02_news/020218.html
□日本テレワーク協会
http://www.japan-telework.or.jp/
□旭硝子「ルキナ」
http://www.agc.co.jp/lucina/
□慶應義塾大学
http://www.keio.ac.jp/
□慶應義塾幼稚舎
http://www.yochisha.keio.ac.jp/
□三井不動産
http://www.mitsuifudosan.co.jp/
□三菱商事
http://www.japan-telework.or.jp/
□パワードコム
http://www.poweredcom.net/index2.html
□科学技術振興事業団
http://www.jst.go.jp/

正田拓也
2002/02/18 15:20

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