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IPA、W32/Klezウイルスの感染が拡大と警告

 情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2月のウイルス被害などの届出状況を発表した。これによると、届出件数は1月と比較して減少しているものの、W32/Klezウイルスの亜種については増加傾向にあり、セキュリティホールへの対応パッチの適用などを迅速化することを勧めている。

 発表によると2月の届出件数は1439件。2001年12月は3900件、2002年1月は2283件で2カ月連続の減少となっている。実害率も1月の13.6%から8.8%で、過去3年間で最小の水準まで減少した。

 もっとも1月に出現したW32/Klezの亜種「W32/Klez-E」は、届け出数が増加傾向にあり引き続き注意が必要だという。ウイルス対策ソフトメーカーであるシマンテックも、3月6日付けでW32/Klez-Eの危険度を1つ高い3へ引き上げている。これは、W32/Klez-Eの報告件数が発見日から3月7日までで4796件(世界)、日本では140件と急増しているからだという。W32/Klez-Aが世界で23件、W32/Klez-Dが15件、W32/Klez-BとW32/Klez-Cがあわせて282件であることからも、いかにW32/Klez-Eが突出しているかが分かる。

 IPAによれば、件数自体は減少したものの、2月にはW32/NimdaがLAN経由で100台のPCに感染したという届出があったという。この被害では、PCを修復するだけで8人が5日間を要し、さらにすべてのPCを対象とした感染有無の確認作業などの作業が発生。IPAは、安易な共有設定やウイルス対策ソフトを導入していないノートPCなどの接続にも対策が必要だとしている。

 同日付けで不正アクセスの届出状況についても発表した。これによると、2月の届出は69件で、1月の80件よりは減少しているものの依然高い水準にある。

 内訳は外部からの侵入による被害が15件、アクセス形跡が40件となっており、1月とほぼ同数。個人ユーザーからの届出が49件あり、このうちADSLやCATVインターネットを使用した常時接続環境が全体の7割を占めたという。IPAは発表の中で、常時接続環境の不正アクセスに対する危険性を認識し、セキュリティ対策を行なうことが必要だとしている。


□2月のウイルス発見届出状況(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2002_03outline.html
□2月の不正アクセス届出状況(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/crack_report/20020307/0202.html
□ウイルス「W32.Klez.E@mm」の情報(シマンテック)
http://www.symantec.com/region/jp/sarcj/data/w/w32.klez.e@mm.html
□関連記事「電子メールで感染するウイルスに新種「W32.Klez.E@mm」」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/01/24/klez.htm
□情報処理振興事業協会セキュリティセンター
http://www.ipa.go.jp/security/

笠井 康伸
2002/03/07 16:12

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