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IP Talk端末は、通話先がIP電話かアナログ電話かをユーザー側であらかじめ調べる必要がない |
三菱電機グループで電話のアダプタなど通信機器を開発するミヨシ電子の100%子会社、アイピートークは、4月末から5月始め頃のサービス開始を目指していることを明らかにした。
アイピートークは、三菱電機とミヨシ電子が共同開発した家庭向けIP電話アダプタ「IP Talk」を使ったインターネット電話サービス事業を行なう新会社で、4月1日に設立した。
三菱電機では3年前から家庭向けに家電品のように専門知識を必要とせずに利用できるVoIP端末の開発に着手。「グローバルIPが必要」「かける相手がVoIPに対応しているかどうかを確認してIPアドレスと電話番号の対応付けが必要」などの問題点を解決するために、HCAP方式を開発したという。
HCAP方式は、IP電話規格の主流となると見られるSIP方式に準拠したピア・ツー・ピア通信(RTP/UDP通信)と、Webアクセスで利用されているHTTP方式に準拠した呼制御・音声通信を組み合わせたVoIPの通信方式。セッション管理サーバと音声中継サーバをインターネット上もしくはプロバイダーの網内に設置し、家庭内のIP Talk端末の呼制御を行なう。ユーザー側のIPアドレスがDHCPによる動的アドレスでも、サーバー側で端末が発呼時に使用しているIPアドレスの通知を受け、その時点でのIPアドレスを相互に用いて通話することを可能とした。HCAP方式では、VoIPサービスの導入に従来必要とされた大規模ゲートウェイやゲートキーパーが不要で、プロバイダーの設備投資負担も大幅に軽減できるという。
ユーザー側では、DHCPによる動的IPアドレスでも利用できるほか、NAT利用によるプライベートアドレスにも対応しているため、ブロードバンドルータ経由でも利用できる。通話相手にIP Talk端末が接続されていればIP電話として、接続されていなければアナログ電話回線を利用するため、接続先がIP Talk端末を導入しているかどうか確認する必要がない。また、電話網での初回通話時に相手にインターネット電話をかけるための情報を自動学習し、自分も相手も現在の電話番号そのままでIP電話による発着信ができるという。
IP Talkのフィールド実験は2001年10月より行なわれており、三菱電機グループのプロバイダー、DTIの他30数社が参加。現在はこれらの実験参加プロバイダーやCATV事業者などを中心に、正式サービスに向けて検討を行なっているという。
□アイピートーク
http://www.iptalk.net/
□三菱電機
http://www.melco.co.jp/
□ミヨシ電子
http://www.miyoshi.elec.co.jp/
(工藤ひろえ)
2002/04/08 18:55
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