モバイルブロードバンド協会（以下MBA）は、MBA標準草案としてMISプロトコル仕様書とMISモバイルIP仕様書を公開する。公開はMBAホームページにおいて、4月8日夜より開始される予定。

　MBA標準草案は、MBA内のプロトコル分科会において、会員から提案された技術文書を審査し、業界標準規格案として仮公開するもの。標準草案は同分科会で６カ月以上の審査を経てから、最終的にMBA標準として正式公開されるという。今回公開するのは会員企業のモバイルインターネットサービス（以下MIS）が提案したもので、無線LANによる公衆サービスを提供するための技術仕様書となる。

　MBAでは、MIS提案によるMBA標準草案は、「利用者の識別と暗号化技術によるセキュリティの向上、ハンドオーバーによる移動中の通信実現、という他にはない優れた特長がある」としている。

　ただし、MBA標準イコール業界標準となるかどうかはまだわからない。MISのサービスに関しては、専用ドライバのインストールが必要、あらかじめ利用申請が必要などの面でユーザーから見た利便性に劣るとの指摘もある。サービスも4月1日よりようやく商用サービス（月額2400円）が始まった段階で、市場にどれだけ受け入れられるかどうかはまだ未知数と言ってよいだろう。レストランチェーン、ホテルなどへ顧客サービスの一環としての無線LANアクセスをSI販売し、ユーザーからは課金しないビジネスモデルを推進するメーカーもある。MIS方式がデファクト・スタンダードとなるかどうかは、サービスエリアの充実などで課金を受け入れるユーザーをどれだけ獲得できるかにかかっていると言えそうだ。

□モバイルブロードバンド協会（仕様書公開もこちら）
http://www.mbassoc.org/
□モバイルインターネットサービス
http://www.miserv.net/

（工藤ひろえ）
2002/04/08 16:06