総務省は、電気通信審議会から「5GHz無線アクセスシステムの技術的条件」について答申を受けたと発表した。これは屋外で5GHz帯の無線LANなどの無線アクセスシステムなどを利用するための条件などをまとめたもので、今後、屋外での利用の実用化に向けて関係省令を整備していく。
すでに、屋外の利用では5.3GHz帯について審議会に諮問されたことがあるが、地球探査衛星や気象レーダーとの干渉があり、2000年10月に共用利用は困難との答申が出された。しかし、5GHz帯における高速無線アクセスのニーズは高く、4900~5000GHzについて再度、審議会に対して諮問していた。
今回の答申では、5GHz帯を利用するにあたって様々な条件が設けられた。想定される利用シーンは駅前や公園などのホットスポットでのインターネットアクセス、住宅やマンションなどのインターネットアクセスの2通り。ホットスポットでは最大300m程度の距離、住宅向けは最大3kmの距離の通信が可能になる。
いずれの方式でも、5GHzの基地局については無線局の免許が必要となる。加入局(ユーザー側)でも住宅やマンションからのアクセスのように無線設備の出力が大きい場合やアンテナの利得が高い場合にも免許が必要となる見込みという。基地局、加入局の出力は0.25W以下、使用するアンテナの利得は原則として10dBi以下に制限される。
周波数や通信に用いるチャネルは20MHzの帯域が割り当てられ20Mbps以上の通信が可能という。4900~5000MHzで4チャネル、5030~5091MHzでは3チャネルが確保される。帯域が10MHz、5MHzの狭帯域チャネルの導入も一部で可能とした。
また、答申は固定マイクロ通信システムと干渉を避けるため、設置場所や隣接する周波数帯への漏れ電波についても条件を付けた。さらに、5030~5091MHzの周波数の利用については、衛星のマイクロ波着陸方式に割り当てられており、使用が取りやめになる可能性があるとした。
□ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020507_1.html
□総務省
http://www.soumu.go.jp/
(正田拓也)
2002/05/07 19:44
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