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ソフトバンク決算、当期赤字888億。BB設備投資は875億


笑顔を交えて語る孫社長

 ソフトバンクは、都内で決算発表会を開催した。2002年3月期の売上は4053億1500万円で、前年に比べて2.1%のアップ。利益については、営業損失が239億円、経常損失が333億円、純損失が888億円となった。

 売上の内訳は、今期から新しく加わったブロードバンド・インフラ事業が92億円、イーコマース事業が257億円増えて2842億円、インターネット・カルチャー事業が188億円増えて320億円となっている。

 その席で、ソフトバンクの孫正義社長はソフトバンクの中長期ビジョンとして「ブロードバンドNo.1企業集団」を目指すとした。デジタル情報革命が起こり、その中心がブロードバンドであるとして「ブロードバンド産業は約50兆円の市場規模を持つと見ている」と述べた。

 ソフトバンクのブロードバンド戦略としては、(1)BBインフラNo.1になる、(2)各種No.1プラットフォーム集団を創出・連結、(3)サービス・コンテンツ集団No.1のシェアの3つを挙げた。また、BBテクノロジーをインフラを担う中核企業と位置づけ、ヒト、モノ、カネの経営資源を集中させる方針も明確にした。

 孫社長は「BBテクノロジーの社長も兼務しているが、いちばんの仕事で120%を占める」と思い入れを表現し、「やりがい、面白みという意味でも幸せだなと感じている」と笑顔を交えて心境を語った。

 ソフトバンクのブロードバンド戦略としては、すでに1200局を結ぶ光ファイバのバックボーン構築が終わったとし、これが競合他社に対する優位性だと強調。孫社長は「ADSLだけでなく、さまざまなサービスを付け加えることができる」と述べ、ADSLだけのバックボーンでないと訴えた。

 このバックボーンを活かしてBB Phone、Yahoo! BBモバイルなどの展開を行なっていくとし、Yahoo! BBモバイルの通信速度については「NTTドコモのFOMAの100倍くらいの速度が実現できる」(孫社長)と優位性を強調した。FOMAは最大384kbpsなので、最大38.4Mbpsということになる。

 BB Phoneのシステムについては「NTTですらIP電話方式に切り替えると発表したが、我々は古い交換機がないのでIP電話だけでなく革新的なサービスをより効率的に行なえる」とNTTに対しても対決姿勢を伺わせた。

 さらに孫社長は、Yahoo! BB開業時に「採算が合わない」と指摘された点についても反論した。「Yahoo! BBの特徴は8Mタイプにあるのではなく、バックボーンにある。これを言わなかったのは競合他社に油断してほしかったからだ」と語った。

 今後の展開としては、ユーザーに対して待たせずに開通する準備が整ったとして、BB PhoneのテレビCM展開など、拡販活動を広げていくとした。BB Phoneの受付開始後は、1日あたり従来の3倍の申込みがあると述べ、これはBB Phoneの開始だけでなく、家電量販店などのパートナーからの注文も申込み増加に貢献しているのだと説明。この上で、新サービスの提供や販売チャネルの充実と価格で圧倒的なシェアを目指すとした。

 BB Phoneの加入予測数については明らかにしなかったが、2005年に651万回線という民間シンクタンクの予測に対しては、「過小評価だ」とし、さらに回線が普及し、その上で圧倒的なシェアをとっていくと目標を語った。

 孫社長は、最後に創業時からの経営理念の「デジタル情報革命」を挙げた。ブロードバンド事業を行なっていくこで、従来からのコンテンツと相乗効果を持ち、トラフィックの増加とシナジーが顧客基盤の拡大につながり、インフラをより繁盛させると強調した。

ソフトバンクの3つのブロードバンド戦略


□財務情報(ソフトバンク)
http://www.softbank.co.jp/corpnews/fra_top.htm
□関連記事「ソフトバンク、マクドナルド店舗内にホットスポットと公衆IP電話を設置」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/07/mac.htm
□ソフトバンク
http://www.softbank.co.jp/
□BBテクノロジー
http://www.bbtec.net/

正田拓也
2002/05/10 21:45

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