京都大学の中島玲二教授

　京都大学数理解析研究所中島玲二教授の研究グループを中心とした慶應義塾大学、東京工業大学、東京大学、早稲田大学の5大学の研究グループとオムロンで構成した「SOBA（Session Oreiented Broadband Applications）プロジェクト」は、メンバーにNTTコムウェアを迎え、7月に「SOBAフレームワーク α版」を発表する。

　SOBA フレームワークは、ブロードバンドに適したアプリケーションやコンテンツを作り出すためのフレームワーク。SOBAプロジェクトによれば、Javaをベースとしたアプリケーションをパズル感覚で作成することが可能であり、テレビ会議システムであれば50行程度のソースで作成することが可能になるという。現在はWindowsベースで作られているものの、2003年にはLinuxなどにも対応したマルチプラットフォーム化を形成、オープンソース化を目指す。また、P2P方式を採用することで、サーバの処理能力に依存せず、効率のよいネットワーク利用が可能になるとしている。

　京都大学の中島教授は、「ブロードバンドのインフラが整ってきたとはいえ、利用したいと思うようなコンテンツはまだ少ない。SOBAによってキラーアプリケーションを作りだすことが可能となり、そのコンテンツを利用するためににさらにインフラのクオリティが高まっていく、といった効果を創出していけたら」とコメントした。

　SOBAプロジェクトでは7月にSOBAフレームワークのα版をリリース、同時にプロジェクトに参加する企業の募集を開始する。2003年にはマルチプラットフォーム化を実現、開発環境などを充実させたβ版をリリースする予定。基本的にはオープンソースで、企業などが利用して利益を生み出す場合には何らかのロイヤリティを徴収するという形態でプロジェクトを進めていくという。

囗ニュースリリース
http://www.nttcom.co.jp/news/pr02052401.html
囗関連記事：SOBA、ブロードバンド時代のコミュニケーションを変える産学協同プロジェクト
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/09/05/soba.htm
囗SOBA PROJECT
http://www.soba-project.org/
囗オムロン
http://www.omron.co.jp/
囗NTTコムウェア
http://www.nttcom.co.jp/

（甲斐祐樹）
2002/05/24 17:53