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アバイアとCTC、ワールドカップの大会運営用ネットワークを構築

IMCが設置されるパシフィコ横浜
左から日本アバイアの鵜野正康社長、米アバイアのPaul Myer氏、同じくDouglas Gardner氏、CTCの永田毅CRM営業推進本部長
 日本アバイアと伊藤忠テクノサイエンス(以下CTC)は、「2002 FIFA ワールドカップ」の大会運営用ネットワークの構築で協業。両社が構築を担当する日本国内の報道拠点「International Media Center(以下IMC)」が5月24日からオープンしたことにともない、報道関係者向けに現地説明会を開催した。

 米アバイアはワールドカップを主催するFIFAと2001年6月にオフィシャルパートナー契約を締結し、日本・韓国の各会場とIMC間をつなぐネットワークの構築業務を請け負っていた。CTCでは全27カ所のネットワーク拠点のうち、日本国内にある試合会場10カ所とIMCを結ぶネットワーク構築のサポートや保守を担当している。

 IMCは横浜・みなとみらい地区にある国際展示場「パシフィコ横浜」内に設置されており、マスコミが取材・放送を行なう上での拠点となる施設。大会期間中は24時間体制で各国の報道関係者が利用することになる。IMCから外部の各施設には2~20Mbps程度の回線で接続されているという。

 IMC内部に構築されたネットワークは、通常のデータ処理に加え音声処理機能をサポートする統合型ネットワーク。ルータなどの各種機器はアバイア製のもので、IP電話機能を実装している。

 記者陣が自由に利用できる作業スペースには、IEEE 802.11b規格の無線LANアクセスポイントが配備されており、インターネットへのアクセスが可能。また各試合会場の記者席やピッチ周辺でも無線LANは利用可能になっており、カメラマンが撮影した画像を即座に転送することもできる。ワールドカップ大会で無線LANシステムが提供されるのは今回が初めて。

 今大会のネットワーク構築では、セキュリティの面でも特に配慮がなされた。米アバイアのDouglas Gardner氏によれば「2001年9月に起こった同時多発テロ以降、大会関係者の間ではセキュリティが最優先事項となった」。韓国のソウルにも開設されるIMCと横浜のIMCのうち、どちらかにトラブルが発生しても残りのIMCでバックアップできるフェイルオーバー機能を用意するなど、万全の対策を講じたという。

 大会運営に必要な各種業務を統合するシステムは、専用のイントラネット上で構築されている。試合の進捗管理や身分照会などを直接取り扱うことが可能で、ソフトウェア部分の開発はFIFA側で行なった。アバイアと同様にオフィシャルパートナーである東芝はサーバーやパソコン端末を供給するなど、ネットワークだけをとっても各企業のサービスが結集している格好だ。

 日本アバイアの鵜野正康社長は「初めての2カ国共催ということもあり、試練が多かった」と語った。スイスにあるFIFA本部などとも接続する世界でも最大級のネットワークを約9カ月で構築するにはかなりの苦労があった模様だ。しかし同時に「各種の最新技術が今大会で採用されたことで、民生品の機能にも反映されるだろう」と将来的な期待も述べている。

IMCを示す看板 記者用の作業スペース周辺に設置される無線LANアクセスポイント
無線LANカードの販売やテクニカルサポートを行なうアバイアのブース ネットワークの管理センター。上部モニターに表示されるのはネットワークの稼働状況を表わしているとのこと


□ニュースリリース
http://www.avaya.co.jp/press/2002/02_05_24.html
□日本アバイア
http://www.avaya.co.jp/
□伊藤忠テクノサイエンス(CTC)
http://www.ctc-g.co.jp/

森田 秀一
2002/05/28 22:35

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