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総務省情報通信政策局長の高原耕三氏 |
6月12日から14日までの3日間、東京・池袋のサンシャインシティで「ケーブルテレビ2002」が開催されている。総合シンポジウムの中で、総務省情報通信政策局長の高原耕三氏が「情報通信政策の展望」と題した基調講演を行なった。
まず、高原氏は「CATV局が将来に渡って繁栄するためには、地域密着と技術力、経営力が必要」と発言した。CATV市場は2500億円しかなく、通信事業者にはそれを超える売上をもつ事業者があること、さらにその上には外国の企業も待ちかまえていることから、これからの1~2年が勝負になるとした。
現在、日本のCATV普及率は世界第3位で27.1%、これはアメリカ(70%)、ドイツ(57%)に次ぐ数値だという。最近の1年間の伸びも6%上昇と早い普及ペースを記録した。このように上り調子だからこそ、「これからの1~2年の間に繁栄の道筋をつけなればならない」と高原氏は強調する。
CATVはインフラを持っていることが強いと例を挙げながらも、インフラがなくてもCATV事業のようなものは可能だとも発言。FTTHがあれば回線を借りてCATVと同様のサービスを行なえるという点も指摘した。
しかし、その一方で、行政もCATVを大事なインフラだと認識しており、振興策を構築していることも発言、高原氏のもうひとつの担当である地上波デジタル放送の普及にも重要な役割を持っていることも強調した。5年以内に、世界最先端のIT国家を目指すという政府プロジェクトの中では、3000万世帯が高速インターネットアクセス網に接続されていることが挙げられ、それには、CATVインターネットもその役割を担っているとした。
また、現在、CATV局が直面している問題としては、技術的なものと事業戦略的なものがあるとした。技術的課題は、IP電話事業などを推進していく必要がある中で技術者が不足していること。高原氏は「技術者が充実していると言うにはほど遠い」と現状を厳しく指摘した。また、戦略的課題はADSL、FTTHと競合していく中で、IP技術を活用した映像配信などにも取り組んでいく必要や、地域密着型であることを活かしたサービスの提供などが必要とした。
さらに、話は政府のIT戦略におよび、電子政府・電子自治体構想の実現には地域密着型のインフラが必要とした。現在のIT化はデータを蓄積するようなバックオフィス部分が中心であったが、これから取り組むことは、国や地方公共団体へ申請・届出するような手続きのIT化だという。2003年には所得税・法人税、消費税の申告・納税がIT化され、選挙も電子投票に移行していく。
高原氏は、それらに対応していくことがCATV事業のカギになるとし、自身もCATVが繁栄していく基盤ができるように努力していくと述べた。
□総務省
http://www.soumu.go.jp/
□ケーブルテレビ 2002
http://www.catv-f.com/
(正田拓也)
2002/06/12 18:26
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