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分科会レポート「IP電話の国内・国際標準化動向」

NECケーブルメディア 技術本部の松本壇氏

 「ケーブルテレビ2002」分科会IIでは、NECケーブルメディア 技術本部の松本壇氏が「国際/国内標準化に見るケーブルVoIPの現状と近未来展望」と題した講演を行なった。松本氏は日本CATV技術協会の規格・標準委員会ケーブルテレコムワークグループ主査でもあり、VoIPを含むIPシステム開発が専門。

 現在、国内のIP電話の課題は総務省の「IPネットワーク技術に関する研究会」が発表したIP電話ガイドラインの中にあるという。音質の基準、音のとぎれや会話の間延びといった接続品質、IPパケットの遅延や損失率・誤り率などの伝送品質について基準の策定が求められている。さらに、その性能の評価方法、輻輳時の対策、緊急通報の確保なども課題に挙がった。

 松本氏は、IP電話の品質についてアクセス形態別に分けて考える必要があると説明した。専用IP網を使ったIP電話の場合には既存の電話サービスと同等以上の品質だが、IP-VPN網やインターネットにデータを通すIP電話の場合は、携帯電話なみかそれ以下の品質となることを、ユーザーが理解できるようにしていくことが必要とした。

 電話番号については「050」で始まる番号と決まる見込みだが、第一種事業者が固定電話相当のサービスを提供する場合には、既存の固定電話と同じ番号の付与もある説明。また、発着信がIP網に限定されているならば、数字以外にアルファベットを用いる可能性もあるという。発信のみのIP電話サービスには従来通り番号の付与の対象外とした。さらに、「この番号の付与に向けて電気通信番号規則の見直しも不可欠」と述べた。

 番号とIPアドレスの対応付けについてはドメインからIPアドレスに変換する方式を用いると説明した。実際には電話の発信に用いる番号(ITU-T勧告E.164)を特別なドメインに割り当て、さらにDNSでドメインをURI(Uniform Resouce Indentifier)に変換した上でIPアドレスにする。これにより、同一の電話番号で電話に限らずメールやFAXといったさまざまなアプリケーションを利用できるという。

 続いて、IP電話で用いられるプロトコルについて説明が行なわれた。現在使われている主なプロトコルは、Windows XPのIP電話機能でも採用されている「SIP」、企業の内線などで採用例が多い「H.323」、軽い動作の「MGCP」、大規模運用に向く「MEGACO」の4方式がある。このうち、「SIP」はテキストベースのシンプルなものとなっており、松本氏は電話に限らず他のメディアとの連携ができる点を評価した。


□NECケーブルメディア
http://www.nec-cmedia.co.jp/
□ケーブルテレビ 2002
http://www.catv-f.com/

正田拓也
2002/06/13 16:35

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