NTTアドバンステクノロジの田崎公郎社長

サンプル。3つの矢印に沿ってマウスをドラッグすると頭や足が動かせる

　NTTアドバンステクノロジ（以下NTT-AT）は6月13日より、インタラクティブコンテンツ作成ソフト「DRAGRI」を発売する。動画ファイルを取り込み、マウスのドラッグ操作で自由に制御可能なコンテンツを作成できる。価格は1万4800円で、提供形態は専用ポータルサイトでのダウンロード販売のみ。7月1日からは機能を限定した簡易バージョン「DRAGRI Lite」も4980円で発売する。

　DRAGRIは映像の開始・終了点を設定し、被写体の動きに合わせたマウスの軌跡を設定することで「ドラッグモーションムービー」と呼ばれるコンテンツを作成できるソフト。作成したコンテンツは個人のWebサイトでも簡単に公開できるほか、商品カタログや映像マニュアル作成といったビジネスユースにも充分対応できるという。

　DRAGRI Liteは対話形式のインターフェイスを採用しており、初心者でも簡単に作成が可能。AVI/QuickTime/MPEG-1形式の動画ファイルを取り込める。また全機能が利用できる通常版ではタイムライン編集方式を使った、より複雑なコントロールができる。Liteで取り込み可能なファイルに加え、MPEG-2形式や音声処理もサポートする。

　DRAGRIによって実際に出力される成果物は、データ部分となる複数個のJPEGファイルと、制御用のJavaアプレットファイルなど。JPEGファイルは暗号化されるほか、一般的な方式に比べて40％程度効率が良い独自開発の圧縮方式を適用しているという。

　DRAGRIの対応OSはWindows XP/Me/2000/98で、Macintosh版は現在開発中。作成したコンテンツの再生にはJavaに対応したWebブラウザを利用するため、特殊なプラグインソフトをインストールする必要はない。

　NTT-ATはNTTグループの研究所が開発した技術を民間企業に紹介・提案することが業務の1つで、約1700人の従業員の大半が研究者だという。田崎公郎社長によればとかく技術偏重に陥りやすいものの、今回発表したDRAGRIは「研究者自らがよりお客様志向で開発した製品」「いかに安価で販売できるかを追求したこと」の2つを特徴に挙げ、また製品としての機能にも自信を見せた。

　なおNTT-ATではDRAGRIで製作したオリジナル作品を募集する「GRIグリーティングコンテスト2002」を開催する。グランプリの賞金は50万円で、応募締切は9月30日までの予定。

DRAGRI通常版のスクリーンショット	元プロテニスプレイヤーの神尾米氏は、テニスのサーブシーンを扱ったサンプルを見て「インパクトの瞬間など、見たい場面で簡単に映像を止められるのがよい」と語った

□ニュースリリース
http://www.ntt-at.co.jp/news/2002/release99.html
□DRAGRI
http://www.dragri-fan.com/
□NTTアドバンステクノロジ（NTT-AT）
http://www.ntt-at.co.jp/

（森田 秀一）
2002/06/13 22:26