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NECインフロンティア、IPベースのオフィス電話システム

NECインフロンティア社長の登家正夫氏

 NECインフロンティアは、オフィスコミュニケーションゲートウェイ「Aspire(アスパイア)」について都内で発表会を行なった。オフィス電話をイーサーネットに融合し、フルIP化したもので、電話とパソコンの連携、サテライトオフィスへの対応などを特徴とする。

 発表会では代表取締役社長の登家正夫氏が挨拶に立ち、今回のフルIP化したシステムを発表する背景として「固定電話に明日はない」と厳しい現状を語った。その上で、今後の同社のオフィス電話システムはフルIP化した「Aspire」に置き換えていくことを発表した。

 「Aspire」は、オフィス電話をVoIP技術を使ってフルIP化する製品。コンピュータ用のLAN配線があれば、音声通信にも利用できる。オフィス内の電話専用の配線が不要となるほか、IPベースで接続されたサテライトオフィスへ電話を転送したり、外出先のホットスポットで内線通話を受けたりといったことも可能になる。また、ベストエフォートのVoIPのほか、イーサーネットの物理層を使ったギャランティ型の通話も同時にサポートしている。

 このシステムは従来のオフィス電話システムと同様、主装置と端末を組み合わせて使用し、電話機も一見して通常のタイプと変化はない。主装置に接続する外線も、従来と同じくISDNやアナログ回線を用いる。主装置と端末の間の配線は既存のLAN配線を使ってもよいが、停電時の使用や端末への電源供給もサポートする専用のハブも用意される。

 フルIPシステムとしての利点は、パソコンなど他の機器との統合が行なえるところ。パソコンにはソフトフォン「WebDial」を使用し、着信時にはパソコン上にも着信電話番号を表示し、着信番号を利用するアプリケーションとの連携も可能になる。逆にパソコン上のアドレス帳から電話を発信し、通話は手元の電話機で行なうといったこともできる。

 発表会では、NECのPocketGearを無線LANで接続し、内線電話機として使用するデモや、IPベースで接続されたサテライトオフィスに電話を転送するデモなども行なわれ、フルIP化に伴って自由度が高くなったシステムをアピールした。

 なお、「Aspire」の価格はISDN6回線を収容し、主装置とIP多機能電話機を32台用意した構成で約350万円。同社では、今後1年で3万セットの販売を目標としているという。

IP多機能電話機などIPターミナル製品 「Aspire」主装置
電話機の接続にはイーサネットケーブルを用いる PocketGearにソフトフォンを搭載したデモ


□NECインフロンティア
http://www.necinfrontia.co.jp/

正田拓也
2002/06/17 20:10

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