|
NTT-MEの第3営業部門長 竹下健一氏(左)、第4JunKanビジネス本部担当課長 小野田哲也氏(右) |
|
ビジネスモデル図。表内の料金設定はあくまで参考価格だという |
|
NTT-MEの考えるモバイル端末の発展 |
NTT-MEは、東武鉄道、相模鉄道、エーエム・ピーエム・ジャパンなど17社と協力し、IEEE 802.11bに準拠した無線LAN接続サービスを開始すると発表した。ISP事業者やキャリアに縛られることなく本サービスを利用できるという。7月中旬にモニターを募集、8月上旬より試験サービスを実施する予定。
このサービスは、NTT-MEが中心となって構築する無線LANネットワークをどのISPユーザーであっても利用できる共通のプラットフォームとして提供するサービス。ユーザーは自分が加入するISPのオプションとして本サービスを利用できる。また、国内で初めて国際ローミング規格「WiFi-Zone」の認定を取得、海外とのローミングサービスも推進していくという。
このサービスのビジネスモデルはNTT-ME、ISP事業者、アクセスポイントを提供する事業者、アクセスネットワークを提供する事業者の4タイプで構成される。ISP事業者は自前のネットワーク設備を構築することなく収入を得ることが可能であり、アクセスポイントやアクセスネットワーク事業者にはアクセス数などの実績が収入に反映される仕組み。NTT-MEでは事業者が限定されていた従来の無線LANビジネスと異なり、無線LANネットワークを広く開放することでインターネット普及時に見られた「自己増殖」型のビジネスモデルを構築することがこのサービスの狙いだとしている。
サービスは提携企業の東武鉄道、相模鉄道の路線内およびam/pmの店舗で提供される。NTT-MEでは他にもファーストフードチェーン店や民間鉄道会社など数社が提携予定であり、今年度内にアクセスポイントを1000程度用意、約1万人のユーザー獲得を目標とした。また、今回の提携企業の中にISP事業者が含まれていないのは、特定のISP事業者に固定したイメージを避けるためであり、提携企業のアイパス・インクを通じるなどの手段で各ISPには今後働きかけていく予定であることを明らかにした。
7月上旬にはこのサービスの技術的検証を目的とした接続試験が行なわれ、7月中旬にモニターを募集、8月上旬より試験サービスを実施する。試験サービスは東武鉄道の池袋駅、浅草駅、新越谷駅、相模鉄道の横浜駅、大和駅、緑園都市駅、湘南台駅、am/pmの一番町本社ビル店ほか数店舗で提供される予定。モニターは該当エリア内で無線LANサービスを無料で利用できるほか、提携企業の提供する地図情報やショッピングガイト、ダウンロード型書籍などのコンテンツを利用することができる。モニターの定員は特に設けないが1000名程度を見込んでおり、PDAを無料貸与または低価格で提供する予定。対応端末はWi-Fiに準拠した無線LANカードが利用できればPDAやパソコンの種類は問わない。また、現在のところ認証にはIEEE 802.1xを用いる考えだという。NTT-MEではユーザーがもっとも求めているのは認証などのセキュリティ面であるため、この点には力を入れていくとしている。
商用サービスは試験サービスを検討した上で11月から提供する。月額料金は1500円程度で、試験サービス中に提供されたコンテンツサービスのほか、無線でのVoIPサービスも月額1000円程度で提供する予定。9月に総務省から付与される「050」から始まる電話番号にも対応予定であり、IEEE 802.11aにも現在は未定ながら状況次第で対応を検討していくという。
今回の発表でNTT-MEは「ネオモバイル」という考えを表明し、「050」から始まる電話番号や携帯電話の高速データ通信化という流れを踏まえた上で、将来的には無線LANやVoIP、携帯電話が一体化した発展型モバイル端末の時代が来るとコメント。その観点から今回の無線LANサービスはPDAに重点を置いているとした。また、すでに他社による無線LANの試験サービスを実施している飲食店などについては「あくまで試験サービスを提供している」という認識であり、今後NTT-MEの顧客となりうる可能性を示唆した。無線LANサービスを独自に展開する携帯電話事業者などに対しても今回のサービスを提供する姿勢であるとし、オープンな無線LANネットワークを構築するという考えを改めて示した。
提携企業一覧
□ニュースリリース
http://www.ntt-me.co.jp/news/news2002/nws020701.htm
□NTT-ME
http://www.ntt-me.co.jp/
(甲斐祐樹)
2002/07/01 20:42
|