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大和総研、ブロードバンドの現状や将来に関するレポート

 大和総研は、ADSLやFTTH、CATVといったブロードバンド環境の現状や将来に関するレポート「ブロードバンドの将来 1」をWeb上で公開した。

 大和総研では、2001年6月にも「xDSL 業界の展望」というレポートを発行しており、1年前は米国のDSL事業者の経営破たんやNTTがFTTHを推進しているといった理由からADSLの将来については悲観論が多く見られたとしている。しかしソフトバンクグループがADSL事業に進出、下り最大8MbpsのADSLサービス「Yahoo! BB」を他社の約半額で提供開始したことにより、そういった悲観論が大きく変化したという。Yahoo! BBの価格が他のDSL事業者にも反映されることでADSLサービス全体が低価格化した結果、ブロードバンドの普及につながったと大和総研は見ている。

 ADSLやCATVなどのブロードバンドサービスが普及する以前のインターネット接続方法はダイヤルアップであった。これについては「電話とインターネットを同時に利用できない」という点から「インターネットのお試し版」と位置づけ、ブロードバンドによってインターネットの「本番」が始まり、水道やガス、電気などと肩を並べるインフラの1つになっていくと予測している。

 ブロードバンド回線の選択要因として、大和総研は「導入のしやすさ」「価格」「品質」の3点を挙げている。このうち導入のしやすさについては屋内工事が不要なADSLが突出しており、屋外および屋内工事の必要なFTTHやCATVに比べて大きな優位点となっているという。料金面でもADSL料金の平均は月額3000円~5000円程度であるのに対し、FTTHは6000円~1万円程度であり、新規導入でFTTHを選択するには料金がネックになっていると指摘する。

 品質面では、FTTHの帯域が10Mbps~100Mbps、ADSLが下り1.5Mbps~8Mbps、CATVが最大1~30Mbpsとなっており、FTTHやCATVがADSLに比べてはるかに優れている。しかし実効速度で見ると、8MタイプのADSLサービスが2.4Mbps程度、個人向けのBフレッツ ファミリータイプでは4.6Mbpsであり、その差は2倍程度でしかない。また、価格面や導入面ではADSLが優れており、大和総研ではADSLが将来的にFTTHに移行していくといった観点は現実的でないとしている。また、各ADSL事業者が発表している12Mbpsの拡張サービスといったADSLの技術革新、マイクロソフトの次世代ストリーミング技術「Corona」などの動画圧縮技術の向上により、FTTHを利用する必然性はさらに低くなり、今後もADSLがブロードバンドの中心になると大和総研は総論づけている。


□ブロードバンドの将来 1
http://www.dir.co.jp/kj/Search/Search_020101.html
□大和総研
http://www.dir.co.jp/

甲斐祐樹
2002/07/10 18:57

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