東京都総務局IT推進室は、東京都の公共施設で実施し、11社が参加する無線LANインターネット接続実験の詳細を発表した。8月1日から10月31日までの期間、都庁や都立中央図書館などでIEEE 802.11bに準拠した無線LANサービスを利用できる。
今回の試験サービスは、東京都が公共施設を企業に開放し、企業が独自に無線LANサービスを提供するもの。企業間での相互接続は現在のところ予定されていない。認証やIDといったセキュリティの方式や料金についても各企業によって異なる。
サービス提供エリアは、東京都庁、都民広場地下、都立中央図書館、東京ビッグサイト、東京国際フォーラム、都営地下鉄大江戸線 新宿西口駅。また、都立中央図書館と都営地下鉄大江戸線 新宿西口駅ではNTTコミュニケーションズ(NTT Com)の「HOTSPOT」、東京ビッグサイトではNTT東日本の「Mフレッツ」、東京国際フォーラムではMフレッツとモバイルインターネットサービス(MIS)の「Genuine」のサービスエリアとして無線LANが提供される。
インターネットの回線は東京ビッグサイトと東京国際フォーラムがFTTH、それ以外のエリアではADSL 8Mタイプを使用しているという。すべてのエリアでIEEE 802.11bに準拠した無線LANが利用可能。
サービスの対象は各事業者ごとに異なり、HOTSPOT、Mフレッツ、Genuineはそれぞれのユーザーのみ利用できる。アイ・ティー・テレコムとイー・アクセスがサービスを提供する東京都庁都民情報ルームおよび都立中央図書館については、アイ・ティー・テレコムのWebサイトから申し込むことで試験期間中有効なIDとパスワードを無料で取得できる。また、都立中央図書館では24時間限定で利用できるIDとパスワードをスクラッチカード形式で配布、事前登録なしで無線LANを利用することもできる。なお、アイ・ティー・テレコムのIDとパスワードは同社が関西圏で行なっている無線LANサービスにも対応する。
東京都は今回の試験サービスは10月31日までの期間限定であり、期間終了後は機器を撤去し、サービス自体を終了させる予定。なお、都立中央図書館および東京国際フォーラムでは複数の事業者がサービスを提供しているが、いずれも干渉の問題はないとしている。特にNTT Comは干渉がないとした上で「万が一の場合は商用サービスとして何かしらの対策を講じる」とコメントした。
無線LAN実験エリアおよび参加企業
エリア |
企業(サービス名称) |
東京都庁第一本庁舎1階及び2階 |
松下ネットワークオペレーションズ 理経 |
東京都庁第二本庁舎1階及び2階 |
京セラ |
東京都庁第一本庁舎3階都民情報ルーム |
アイ・ティー・テレコム&イー・アクセス |
東京都庁第一本庁舎3階都民情報ルーム |
日本電気&日本電気システム |
東京都庁第一本庁舎南展望室 |
日本テレコム |
都民広場地下 旅券の窓口 |
理経 |
都立中央図書館 |
アイ・ティー・テレコム&イー・アクセス NTTコミュニケーションズ(HOTSPOT) |
東京ビッグサイト |
NTT東日本(Mフレッツ) |
東京国際フォーラム |
NTT東日本(Mフレッツ) モバイルインターネットサービス(Genuine) |
都営地下鉄大江戸線 新宿西口駅 |
NTTコミュニケーションズ(HOTSPOT) |
【UPDATE】 なお、NTT ComがHOTSPOTを提供する都立中央図書館と都営地下鉄大江戸線 新宿西口駅では、IEEE 802.11aに準拠した最大54Mbpsの無線LANにも対応しているという。
□公共施設における無線LANインターネット接続サービス実験
http://www.taims.metro.tokyo.jp/soumu/musen.nsf/
□ニュースリリース(イー・アクセス)
http://www.eaccess.net/jp/press/2002/pr020712.html
□関連記事:東京都、都庁と中央図書館でホットスポット実験
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/13/tokyoto.htm
□HOTSPOT
http://www.hotspot.ne.jp/
□Mフレッツ
http://www.ntt-east.co.jp/flets/mflets/
□Genuine
http://www.miserv.net/
(甲斐祐樹)
2002/07/12 17:22
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