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NTTドコモ講演、「携帯電話と無線LANの連携サービスを検討」

NTTドコモ クロスメディアビジネス部担当部長の木下誠氏
 7月19日、WIRELESS JAPAN 2002のワイヤレスネットワークセミナーにおいて、NTTドコモ クロスメディアビジネス部担当部長の木下誠氏が「NTTドコモのMzoneサービスの戦略と今後の展望」と題する講演を行なった。

 Mzoneは、NTTドコモが7月1日に開始した月額利用料2000円の無線インターネット接続サービス。IEEE 802.11b規格に対応し、幕張メッセや都内のホテル、NTTドコモの支店など約10施設をサービスエリアにしている。

 木下氏はまず講演の冒頭で、公衆無線LANの利用に対して前向きな回答が約9割を占めたアンケートなどをもとに、Mzoneの将来性について語った。また2010年には携帯電話全体のトラフィック量のうち、7~8割が非音声通信(データ通信)となる予測を挙げ、高速なデータ通信サービスの需要がますます拡大していくとの予測を示した。

 木下氏によれば、Mzoneは第3世代携帯電話「FOMA」と連携したサービスとして提供していく。移動性・携帯性・サービスエリア展開の面で有利なFOMAと、高速性・広帯域性に優れる公衆無線LANを組み合わせることで、より利便性が高くなるという発想だ。

 具体的には、FOMAのサービスエリアとMzoneのサービスエリアの切り替わりを意識せずに通信できる「シームレス・ローミング」機能を検討しているいう。大容量データをダウンロードする場合、移動中はFOMAを使い、Mzoneのサービスエリアに入れば自動的に無線LANを使った高速ダウンロードが始まるというものだ。

 「シームレス・ローミング」の提供時期は現段階で未定。それと並行して他事業者の無線LANネットワークとのローミングも検討していくという。セキュリティ・認証などの面で若干の課題を残すものの技術的には容易だとし、木下氏は公衆無線LANの普及のために「外せない機能だろう」と述べている。

 なおMzoneは商用サービスに先んじて試験サービスを行なっており、一般ユーザー1000名が参加した。木下氏によれば「約6割の利用者から『満足』に相当する評価を得た」という。不満点として「アクセスポイントの位置が不明確」「電源が確保できない」といった声が多数寄せられたことも明らかにし、サービス運営上の課題が多いことも伺わせた。

 今後サービスエリアは、2002年度内に東京都内23区を中心に数百カ所へと広げる予定。当面はホテルや空港、コンベンションセンターなど、比較的滞在時間の長い施設を中心に展開していく考えを示した。ただしそれら以外の施設についても随時サービス試行・検討を重ねる方向性にはあるという。

 木下氏は「サービスエリア展開の方向性などから、サービス開始当初は法人ユーザーの利用が中心となるだろう」と語ったが、同時に「個人ユーザーでも便利だと思える端末やアプリケーションが登場すれば、需要は爆発的に増えるだろう」と将来への期待を展望していた。

 また今後普及が予測されるIEEE 802.11a規格のサポートについては「世の中の動向を見つつ、対応できるようにしたい」と発言するのみにとどまった。

 最後に木下氏は「ユーザーの皆様に、携帯電話と無線LANの連携した利用しやすいメニューを提供したい」と語り、携帯電話事業者ならではのサービス展開を行なっていくことを強調した。


□関連記事:NTTドコモ、IEEE 802.11b準拠の無線LANサービス「Mzone」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/06/20/docomo.htm
□WIRELESS JAPAN 2002
http://www.ric.co.jp/expo/wj2002/

森田 秀一
2002/07/19 20:37

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