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代表取締役社長の佐藤賢治氏 |
平成電電は、下り最大12MbpsのADSL接続サービス「電光石火」を発表した。利用料金は年額1万5000円(1カ月あたり1250円)で、サービスは9月から開始する。当初の提供エリアは全国33都道府県の327局となる。
このサービスは、GlobeSpan製のADSLチップを使って下り最大12Mbpsを実現し、同時にNTT局からの線路長が7kmまで対応するもので、方式としてはアッカ・ネットワークスがサービス提供する「Annex C.x」と同様のものとなるという。サービス開始当初は下り最大10Mbpsでスタートし、10月末には7kmまでの距離をサポート、11月末に下り最大12Mbpsの通信速度に対応する予定と発表された。
ユーザー宅で使用するADSLモデムは沖電気製のもので、Annex C.xに対応したルータタイプのものになるという。また、NTT局舎に置かれるDSLAMはNEC製で、いずれも12Mタイプに対応したハードウェアとなっているため、ファームウェアの入れ替えで下り最大12Mbpsのサービスに対応するという。
サービス提供方法はNTT東西のフレッツ・ADSLと同様に、ユーザーはADSL回線を平成電電と契約し、インターネット接続部分は対応するプロバイダーと別途契約する方法となる。対応プロバイダーは交渉中として同社の「FREECOM」以外は一切発表されていないが、サービス開始から1年間は「ユーザーにプロバイダー選択の時間をとってもらうため」(代表取締役の佐藤社長)として、プロバイダー部分も平成電電が独自に無料で提供する。
接続サービスとしては、同社で提供している無料プロバイダー「FREECOM」が対応するため、ユーザーは平成電電が提供する無料ISPサービスが終了しても、「FREECOM」を利用すれば2年目以降も年額1万5000円のみでインターネット接続ができることになる。このほかにかかる費用は、モデムレンタル料金が月額700円、初期費用3000円とNTT東西への工事費、回線使用料などが必要となる。
利用申し込みは8月1日から「電光石火」のWebサイトで先行して開始し、9月からは書類による申し込み、2003年1月からは電話での申し込みも開始するという。なお、サービスエリアは当初の327局から、年内には47都道府県の1000局まで拡大、30万人の会員を集めたいという。
今回のサービスについて、同社の代表取締役社長の佐藤賢治氏は「Yahoo! BBより4割安く、フレッツ・ADSLに対しては半額から1/3という画期的な低価格」と述べ、価格的に自信があるサービスであることを強調した。ただし、この比較はあくまで、初年度のみの無料ISPサービスを使った場合で、今後発表される予定の有料の対応プロバイダーに接続した場合は、Yahoo! BBとの差は小さくなる。また、Yahoo! BBのように初期費用や数カ月間の料金を無料にするキャンペーンなどは発表されず、サービス申込から1年間のトータルコストでは差がさらに少なくなる見込みで、年額1万5000円の料金も最初に一括して支払う必要がある。
なお、平成電電では、4月にホールセール型の8MタイプADSL接続サービスの概要を発表していたが、今回発表されたサービスとは別のサービスになるという。6月に試験サービスを開始するとしていたことについて佐藤氏は「発表はミスで、試験サービスは行なっていない」として4月に当時の井田高次社長が行なった発表を撤回した。8Mタイプのホールセール型のADSLサービスは大阪地区で8月15日から開始予定で、提携プロバイダーは、現在のところ非公開だという。
□ニュースリリース(PDF)
http://www.hdd.co.jp/news/news20020730_adsl.pdf
□電光石火
http://www.denkosekka.ne.jp/
□平成電電
http://www.hdd.co.jp/
(正田拓也)
2002/07/30 18:02
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