トレンドマイクロは、国内における7月のウイルス感染被害マンスリーレポートを発表した。1位は4カ月連続で「WORM_KLEZ」となった一方で、WORM_FRETHEMが2位に登場している。
WORM_KLEZの被害件数は1999件で、前月の2809件より減少しているものの、依然高い数値となっている。2位の「WORM_FRETHEM」は562件で、WORM_KLEZに比べると1/4程度の件数であるものの、3位の「WORM_BADTRANS.B」の139件に比べると大きな差がある。ウイルス全体の被害件数は4336件で、前月の4749件と比べてわずかながら減少しているが、WORM_KLEZの被害件数が約1000ほど減少していることから考えると、WORM_KLEZ以外のウイルスについては被害件数が増加していることがうかがえる。
1位のWORM_KLEZと2位のWORM_FRETHEMに加え、3位のWORM_BADTRANS.B、5位のNIMDAには、Internet Explorer(IE)のセキュリティホールを利用し、メールをプレビュー表示しただけで感染、メール送信で自身を頒布するという共通した特徴がある。また、7月下旬にはIEのセキュリティホールに加え、Windows Media Playerの脆弱性も利用したウイルス「WORM_MANYMIZE.A」が発見されている。ランキングには登場していないものの、メール送信による感染活動も行なうため、注意が必要だ。
■ウイルス感染被害マンスリーレポート 2002年7月度
(トレンドマイクロ調べ)
順位 |
ウイルス名 |
種類 |
件数 |
先月件数 |
先月順位 |
順位比 |
(通称) |
1位 |
WORM_KLEZ※ |
ワーム型 |
1999件 |
2809件 |
1位 |
→ |
(クレズ) |
2位 |
WORM_FRETHEM※ |
ワーム型 |
562件 |
-- |
NEW |
↑ |
(フレゼム) |
3位 |
WORM_BADTRANS.B |
ワーム型 |
139件 |
169件 |
2位 |
↓ |
(バッドトランス.B) |
4位 |
JS_EXCEPTION.GEN |
JavaScript型 |
93件 |
62件 |
4位 |
→ |
(エクセプション) |
5位 |
NIMDA※ |
ファイル感染型 |
41件 |
35件 |
5位 |
→ |
(ニムダ) |
6位 |
PE_ELKERN.D |
ファイル感染型 |
39件 |
30件 |
6位 |
→ |
(エルカーン) |
7位 |
MTX※ |
ファイル感染型 |
38件 |
85件 |
3位 |
↓ |
(マトリックス) |
8位 |
JS_NOCLOSE.E |
JavaScript型 |
25件 |
24件 |
7位 |
↓ |
(ノークローズ) |
9位 |
X97M_LAROUX※ |
ワーム型 |
21件 |
-- |
圏外 |
↑ |
(ラルー) |
10位 |
WORM_SIRCAM.A |
ワーム型 |
16件 |
-- |
圏外 |
↑ |
(サーカム) |
※のウイルスは亜種も含んだ件数
□ニュースリリース
http://www.trendmicro.co.jp/virusinfo/report/mvr020802.asp
□関連記事:トレンドマイクロ、6月のウイルス被害報告でKlezが減少傾向に
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/07/02/tmicro.htm
□関連記事:トレンドマイクロ、プレビュー感染するウイルスの亜種(WORM_FRETHEM)
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/07/15/frethem.htm
□関連記事:IEとWindows Media Playerのセキュリティホールを利用したウイルス(WORM_MANYMIZE.A)
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/07/29/manymize.htm
□トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.co.jp/
(甲斐祐樹)
2002/08/02 12:04
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