トレンドマイクロは、セキュリティ対策ソフトの新製品「ウイルスバスター2003 リアルセキュリティ」を11月1日に発売する。新たに無線LAN利用時のセキュリティモード、パターンファイルのアップデートを自動で行なう機能などが搭載された。標準価格は「ウイルスバスター2002」から据え置きの8500円。
トレンドマイクロのウイルスバスターシリーズは、ウイルス対策だけでなくパーソナルファイアウォール機能も搭載したセキュリティ総合対策ソフト。しかし“今まではネーミングのインパクトの強さからか、ユーザーにはウイルス対策機能のみのソフトと思われがちであった”とトレンドマイクロの小太刀和江氏は語る。そのため今回の新製品では“リアルセキュリティ”というサブタイトルを用意、セキュリティ総合対策ソフトという位置付けをよりはっきりさせていくという。
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無線LANセキュリティーモード設定画面 |
ウイルスバスター2003 リアルセキュリティでは新たに6つの機能を搭載した。その中でも特徴的なのが「無線LANセキュリティーモード」。公衆無線LANサービスなどを利用する際に、ワンクリックで無線LAN用のセキュリティモードに切り替え、ファイル共有や他人のファイル操作などを防ぐことができるという。設定はトレンドマイクロが無線LANホットスポットなどで最適化したもので、カスタマイズなどはできない。また、ESS-IDやWEPといったハード面でのセキュリティについてはユーザー側で行なう必要がある。
また、「インターネットアクセスコントロール」機能も搭載された。インターネットを利用した対戦型ゲームやインスタントメッセンジャーなどを利用する際に、ポートやプロトコルなどを指定して接続を許可、拒否するといったコントロールが可能。さらにユーザーのパソコンから外部へ送信されたパケットを自動で検出し、警告画面を表示したのち接続の許可、拒否を設定できる「パケット自動検出」機能もサポートする。
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インテリジェントアップデート設定画面 |
ウイルス対策機能としては、パターンファイルの更新を自動で行なう「インテリジェントアップデート for ブロードバンド」機能を搭載。これによりパターンファイル更新忘れによるウイルス感染を防げるという。アップデートの間隔は3時間から12時間まで3時間きざみで設定が可能。トレンドマイクロからの重要なウイルス情報などをポップアップ画面で表示する「ウイルス緊急警告」、ウイルスを検出した際にウィザードを表示して処理方法を指示する「ウイルス処理アシスタント」といった機能も用意された。
トレンドマイクロでは、メールの件名、ファイルサイズなどからウイルスを判断することで迅速なセキュリティ対策が可能な「トレンドマイクロエンタープライズプロテクションストラテジー(TM EPS)」というサービスを法人向けに提供している。この機能はかなり複雑なものであるため、個人向け製品である「ウイルスバスター2003 リアルセキュリティ」には搭載されないという。
ウイルスバスター2003 リアルセキュリティの対応OSはWindows XP/Me/2000/NT 4.0/98SE/98。サポート対象外のフリーソフト「ウイルスバスター for PDA」が同梱する。標準価格は8500円で、2ユーザパックが1万2800円。ダウンロード版はオープンプライスで、実際の価格はウイルスバスター2002と同程度になる見込み。デジキューブを通じて販売するパッケージも8500円で11月7日に発売される。なお、現在ウイルスバスター2002を利用しているユーザーは、無償で「ウイルスバスター2003 リアルセキュリティ」にアップグレードできる。
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マヘンドラ・ネギ取締役 |
トレンドマイクロのマヘンドラ・ネギ取締役は、「新製品にどんな機能を搭載するかというのはメーカー共通の悩み」とし、進化の速いセキュリティ業界ではさらに難しい問題であると語った。しかしトレンドマイクロの製品は日本製であり、国内ユーザーのニーズに迅速な対応ができる点が何よりの強みであるとし、ウイルスバスター2003の合計販売目標数として150万本という数値を掲げた。
□ニュースリリース
http://www.trendmicro.co.jp/company/news/2002/news020926.asp
□関連記事:トレンドマイクロ、ウイルスバスター2003の無料アップグレード告知キャンペーン
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/22/wb2003.htm
□トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.co.jp/
(甲斐祐樹)
2002/09/26 17:01
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