「eConf」をパソコン上で利用する際のイメージ

PDAを用いたデモ。端末はiPAQで、全画面表示することもできる

　フランステレコムは、IPネットワーク向けのテレビ電話・会議システム「eConf」を開発した。一般的なパソコン以外に、PDA（Pocket PC）から利用でき、加えて比較的低ビットレートの通信環境でも、円滑な映像を送受信できるという。日本向けの出荷は2003年初頭以降になる見通し。販売価格は現段階で未定。

　eConfは、通話相手のIPアドレスを直接指定することで、1体1のテレビ電話を利用できる。フランステレコム日本研究所の高木茂行所長は「端末間の通信にインターネット（TCP/IP）を使うので、電話回線を使うテレビ会議システムと比較して、圧倒的に安価に導入できる」とeConfの特徴を説明。また「PDA上でのテレビ会議機能を実現した、初めての製品」とも語っている。

　映像品質は回線帯域に左右されるものの、256～512kbpsの場合には、画面サイズ320×240ピクセルの映像を秒間20～30フレーム程度の品質で送受信できるという。ネットワークへの接続は有線/無線LANのほかに、品質は落ちるもののAirH"でも可能だ。また音声用プロトコルとして、H.323、SIP（Session Initiation Protocol）をサポートした。

　eConfの開発は、フランス国内の研究所で行なわれ、すでに現地ではシステム構築事業者向けなどに販売を開始した。クライアント用ソフトウェアの対応OSはいまのところ、PDA向けのWindows CE 3.0とWindows Me/2000/NT4.0/98。日本研究所でも独自に対応検証をを行ない、Windows XPでの動作を確認しているという。

　日本におけるeConfの展開は、クライアント用ソフトウェアの日本語化を完了させた上で開始し、おもに法人が提供先の中心となる見込み。またeConfの各機能をライセンス化し、ソフトウェア開発者などに販売していく。

□フランステレコム
http://www.francetelecom.co.jp/

（森田 秀一）
2002/10/16 20:51