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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
J:COM決算、c.LINK採用の「J:COM NET 光」は秋提供に向けて契約を獲得

 ジュピターテレコム(J:COM)は、2005年6月中間期の決算説明会を7月28日に開催した。説明会では今後提供予定の高速CATVサービスの現状などに加え、一部で報道された地上デジタルのIPによる再送信に関しても強い反対意見が述べられた。


サービスのバンドル化が進み増収増益を達成

左から代表取締役社長の森泉知行氏、常務取締役チーフフィナンシャルオフィサーの春山昭彦氏、事業開発統轄部長の加藤徹氏
 中間期の営業収益は前年同期比11%増の868億円。一方、加入世帯増による番組購入費や、競合対策による人員強化、ブランディング費用などの影響で営業費用が増加、営業利益は11%減の109億円となった。ただし、法人税の見直しなどにより、純利益では前年同期比31%増の103億円を達成している。

 サービスの加入者数は、J:COM TVが63,900件増の1,656,400件で、このうちデジタル放送の加入者は182,500件増の426,000件。J:COM TVにおけるデジタル化率は26%にまで上っており、順調にデジタル放送の加入者を集めているという。J:COM NETは56,900件増の808,500件、J:COM PHONEは86,200件増の859,200件で、加入世帯当たりのサービス数は前年同期の1.6から1.7へ向上。サービスのバンドル化により、解約率も3年連続で減少傾向にあるとした。

 バンドル化の傾向は東関東局が強く、J:COM TV、J:COM NET、J:COM PHONEの3サービスに加入するユーザーの比率も全運営局平均の20.8%に対して東関東局では35.7%と高い。また、バンドル数も全国平均の1.7に対して2.03と、平均して2つのサービスに加入しているという。


中間期決算の概要


3サービスの加入者数 サービスのバンドル化が着実に進展

J:COM NET 光はサービス開始に向けて契約を獲得

今後の事業戦略ハイライト
 今後の展開としては、J:COM札幌でのみ提供している0AB~J番号のIP電話サービスを、現在J:COM PHONEを提供していない調布と群馬で導入し、全国のJ:COMでトリプルプレイを可能にする予定。また、メディアッティへのIP電話サービス提供を皮切りに、他CATV事業者へのホールセール事業も推進していくとした。

 c.LINKによる上下100Mbpsのインターネット接続サービス「J:COM NET 光」は秋頃のサービス提供を予定しているが、すでに営業を開始しており、関西や関東である程度の契約を集めているという。事業開発統轄部長の加藤徹氏は、「c.LINKの実用化が秋頃のため、それまでの事前セールスを進めている状況」と説明。代表取締役社長の森泉知行氏は「料金に関しては新築や既築、部屋数といった条件で異なる」とした上で、「技術的には250Mbpsまで実現できるため、更なる高速サービスも検討している」とした。

 マンションのオーナーや管理者との一括契約メニュー「J:COM in the Room」も積極的に展開。すべての部屋にセットトップボックス(STB)を設置し、入居者に割安なサービスを提供できるほか、デジタル放送の再送信の契約に留まっていた世帯からも安定して収入が見込める有力な商品であり、賃貸マンションで高かった解約率の低減効果も期待しているという。今後はJ:COM TV以外のサービスもJ:COM in the Roomで提供、バンドル化を推進していく。

 VODサービス「J:COM on demand」に関しては、7月に札幌と九州でサービスを開始し、全国展開してから1カ月足らずという時期のために加入者数の詳細などは明らかにされなかったが、加藤氏は「他のIP系のVODサービスと違い、J:COMではVODを見るためだけに加入しているわけではない。まずは40万を超えるデジタル放送のユーザーへの認知活動が重要だ」と説明。森泉氏は「テレビを受動的に見る習慣から能動的に探す習慣への変化は、一般へ浸透するまで時間がかかるだろう」との考えを示した上で、「アメリカではVODで利益を出すのに3年かかったが、我々は2年で実現したい。そのためにはマーケティングが非常に重要なると認識している」と述べた。


J:COM Net 光は集合住宅向けに秋よりサービス開始 集合住宅向けの一括契約「J:COM in The Room」

J:COM On Demandの概要。カラオケサービスが人気だという


IPでの地上デジタル再送信には「ハイビジョンでなければおかしい」

今後のサービス展開では携帯電話も視野に
 一部で報道された携帯電話事業への参入に関しては、「MVNOだけでなく、幅広い分野での提供を検討している(加藤氏)とした上で、「データ通信も興味はあるが、あくまでメインはJ:COM PHONEとの相互利用であり、基本的には音声を中心に検討を進めている」とコメント。サービス提供はあくまで他事業者との提携を視野に入れており、「独自に電波を取りに行くようなことはしない」。また、交渉を進めている事業者については「複数の事業者様と話をしており、報道にあった(ウィルコムとボーダフォンという)2社だけではない」と補足した。


 JDS(日本デジタル配信)への資本参加によるCATV網の新たな展開についても説明が行なわれた。現在、J:COMでは衛星経由でCSデジタル放送を配信するHITS(Head-end in the sky)形式を採用しているが、HDTV番組を配信するためのトランスポンダ利用料が非常に高額であり、最近では長距離系光ファイバのコストが低廉化していることから、JDSが構築する上光伝送ネットワーク基幹網を利用した配信形式「HOG(Head-end on the ground)」へ年内に移行する予定。降雨の影響を受ける衛星経由と異なり、地上ネットワークを利用することで安定した伝送が可能になるほか、CATV独自コンテンツの提供も実現できるメリットがあるという。

 また、IP網を使った地上デジタル再送信を総務省が検討しているという報道についても「IPで放送が流れるのは将来的に当然あり得る話」と前置いた上で、「報道が事実だとするなら、デジタル化を推進するという大義名分がありながら、なぜSDTV(通常画質)で、しかも2006年から始めるのか。きわめて限られた人たちが意図的に仕組んでいるとしか思えない」と発言。「2006年からあわててSTBを配布してSDTVで始めたら、ハイビジョンへの移行はどうなるのか。IPで伝送するのは構わないが、出るならば正々堂々と戦いたいし、不公平な戦いは声を大にして反対したい」との考えを示した。


衛星経由のネットワークから地上系のネットワークへ年内に移行


関連情報

URL
  2005年6月中間期 中間決算短信(PDF)
  http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104817/00036234.pdf
  2005年6月中間期 連結業績ハイライト(PDF)
  http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104817/00036222.pdf

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(甲斐祐樹)
2005/07/28 19:45
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