ヤフーは15日、無料Webメールサービス「Yahoo!メール」の利用を14日以降に開始したユーザーを対象に、「迷惑メールフィルター」機能を送信メールにも適用すると発表した。あわせて、既存ユーザーも含めて受信メールの迷惑メールフィルターを強化している。
迷惑メールフィルターは、自動的に迷惑メールかどうかを判定し、メールを振り分ける機能だ。Yahoo!メールではこれまでも、大量に送信されて来るメールを一定の閾値で規制したり、送信元認証技術「DomainKeys」によって規制していた。今回、迷惑メールフィルターの判定ロジックを送信メールにも適用することで、大量送信される迷惑メールの規制を効果的に行なうという。
■ 新規Yahoo!メールユーザーは「迷惑メールの送信禁止」
迷惑メールフィルターが送信メールに適用されるのは、14日以降にYahoo!メールの利用を開始したYahoo! JAPAN IDのユーザーで、新たに追加されたガイドライン「迷惑メールの送信禁止」に沿って運用される。
同ガイドラインでは、Yahoo!メールを利用して、短時間に大量のメールを送信することや、同じ内容のメールを大量送信することを明確に禁じた。そのために、迷惑メールフィルターの判定ロジックなどを用いて、1)Yahoo!メールからの送信メールについて、Yahoo! JAPAN IDごとの送信件数を機械的にカウントする、2)Yahoo!メールを利用した送信メールを判読不可能な形に符号化してサーバーに蓄積し、特定の送信者から同一内容のメールが大量に送信されているか否かを機械的に判定する――などを行なう。
これらガイドラインに反して、ヤフーが定める基準を超えて送信されたメールについては送信を停止したり、配信を遅らせるという。場合によっては、一時的にもしくは無期限で当該Yahoo! JAPAN IDでのYahoo!メールの利用を停止するほか、Yahoo! JAPAN IDそのものを削除するなど適切な措置を講じる。
なお、Yahoo!メールでは、これまでも短期間に大量に送信されるメールを一定の閾値で規制するなど送信メール規制を行なっていたが、今回の「迷惑メールの送信禁止」ガイドラインについては既存ユーザーには適用しない。ヤフーでは、「既存ユーザーの利用開始時には、今回のような迷惑メール対策について同意を得ていないため」としている。
■ 送信元のサーバーIPアドレスとメールアドレスをすべて判別
このほかYahoo!メールでは、既存ユーザーも含む迷惑メール対策を強化する。14日に追記されたYahoo!メールのガイドライン「迷惑メール対策について」によれば、1)受信したすべてのメールの送信元サーバーIPアドレスと送信元メールアドレスを機械的に判別する、2)受信したすべてのメールを判読不可能な形に符号化してサーバーに蓄積し、同一内容のメールが大量に送られて来ているか否かを機械的に判定する、3)大量に受信した同一内容のメールに含まれるURLで表示される内容を確認する――の3点を実施する。
なお、2と3については、「メールオプション」ページ内の「迷惑メール対策」から「迷惑メールフィルターを解除する」または「迷惑メールフィルタープラス(ベータ版)を解除する」も選択できる。
これらの迷惑メール対策が実行されると、「迷惑メール報告機能」によってユーザーから多数の報告があった場合や、特定の送信元サーバーIPアドレスや送信元メールアドレスから多数の迷惑メールがあった場合などは、該当するメールを「迷惑メールフォルダ」に振り分けたり、配信を遅らせたり、一時的にもしくは無期限で受信を拒否するなどの措置を実施する。また、2と3を有効にすると、同一内容のメールが大量に送られて来ている場合や、記載されたURLが違法ないわゆる出会い系サイトに関わるものであった場合も同様の措置が取られるという。
■ URL
Yahoo!メール
http://mail.yahoo.co.jp/
Yahoo!メールガイドラインとオプションサービスに関する特約
http://docs.yahoo.co.jp/docs/info/guidelines/mail.html
Yahoo!メールガイドラインの「迷惑メールの送信禁止」
http://docs.yahoo.co.jp/docs/info/guidelines/antispam.html
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(鷹木 創)
2005/11/15 15:36
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