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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アッカ決算、企業向け事業が好調で売上高は405億。FMC参入も検討

 アッカ・ネットワークスは14日、2005年12月期(2005年1月~12月)の決算説明会を開催した。発表会では2006年度の事業展開などが示された。


2005年12月期は個人向け事業の伸びが鈍化するも、企業向け売上げが増加

2005年12月期決算の概況
 2005年12月期の売上高は、前年同期比5.0%増の405億8,800万円、営業利益は4.6%減の27億3,700万円、経常利益は1.0%増の25億4,200万円となり、2005年8月に公表した業績予想の410億円を達成はできなかったものの、純利益は11.7%増の30億9,200万円となった。売上高の推移について、個人向け事業では2003年度が268億円、2004年度が333億円、2005年度が343億円であったほか、企業向け事業では2003年度が30億円、2004年度が46億円、2005年度が56億円となった。

 2005年12月期における加入者数は、個人が124.2万件、法人が4.1万件。個人向けサービスでは、価格競争が沈静化する中でARPUを維持したほか、法人向けサービスでは営業強化により企業からの大口案件がDSL純増数を回復させたとしている。また、企業向けFTTHサービスでは、サービスエリアを2004年12月末現在の73局から412局まで拡大したという。

 M2M事業の進捗については、2005年12月期における売上実績は5,000万円となった。2005年は実験レベルでのプロジェクトを多数開拓し、特殊券売機ネットワークの構築や、三井住友銀行のATM向け監視ソリューションの導入など、一部案件にて商用サービスを開始したことを明らかにした。決算の概要について、代表取締役副社長の湯崎英彦氏は「個人向け事業ではDSL売上高が成熟基調になり伸びが鈍化するものの、企業向けの売り上げ高が22%増加し、売り上げを押し上げた」と説明した。


売上高の推移 代表取締役副社長の湯崎英彦氏

個人向けサービスではFMC参入も検討

 2006年度の事業展開については、個人向けサービスでは「加入者純減もやむなし」と位置づけ、従来より提供している下り最大50Mbps超のADSLサービスや、下り最大3MbpsのADSLサービスを用意することで、顧客基盤の維持を図り売り上げの減少を抑制する。同時に、運用コストの削減や販促費の計画的な支出を行ない、収益の確保を第一とするとしている。個人向けFTTHサービスにおいては、提携ISP拡大の拡大を図り加入者増を目指すとし、3月よりNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が運営するOCN向けの提供を行なうことを明らかにした。

 このほか、個人向けサービスでは次世代サービスの展開に備えるとして、移動通信と固定通信を組み合わせたFMC事業への参入について本格的に検討を進めることを明らかにした。FMC事業への参入検討について、代表取締役社長の坂田好男氏は「WiMAX、iBurst、次世代PHSなど、さまざまな規格の採用を視野に入れている」とし、「無線サービスではコンテンツが重要であり、無線環境においてもブロードバンド環境が欲しい。また、無線接続のバックアップとしてDSLを用いるといったサービス展開も考えられる」と語った。


2006年度の個人向け事業業績見通し 代表取締役社長の坂田好男氏

企業向けサービス展開強化をにらみ子会社を設立

 企業向けサービスでは、FTTHサービスにおいては提供エリアを412局から700局に拡大するほか、中堅企業や中小企業向けにネットワークインフラの構築とシステムおよびASPを一括して提供するサービス「ACCA Solution Partner Program」を展開。営業促進を目的として子会社である「アッカ・ソリューションズ」を設立する。

 アッカ・ソリューションズの代表取締役社長を務める執行役員法人事業本部長の竹田邦雄氏は「DSL事業では、現在は大口の注文が増えている」と企業向けサービスの現状を説明。また、中堅・中小企業への提供については「中堅・中小企業は、リテラシーや担当者不在などといった理由により古いシステムが多く残っている」と現状を説明し、「企業のほか、地方自治体や学校も含めて営業を行ない、デジタルデバイドが見られる分野での収益が見込める」と展望を語った。

 M2M事業については、現在実験中のプロジェクトの商用化を図り、売上げにつなげるとしている。また、案件の営業を加速することを目的に、体制やビジネスプロセスの整備、企業向け事業サービスチームやアッカ・ソリューションズを活用した営業活動の実施や統合を図るとしている。

 これらを踏まえアッカ・ネットワークスでは、2006年12月期の業績を420億円、経常利益を32億円、純利益を32億円と予想。事業別の売り上げでは個人向けが326億円、企業向けが81億円、M2Mが13億円の売り上げを確保したい意向を明らかにした。


2006年度の企業向け事業業績見通し 「ACCA Solution Partner Program」の概要

[お詫びと訂正]
 初出時、企業向けFTTHサービスの開局数について、資料の誤記載による誤記がありました。お詫びして訂正いたします。


関連情報

URL
  アッカ・ネットワークス
  http://www.acca.ne.jp/
  2005年12月期 決算短信(PDF)
  http://www.acca.ne.jp/ir/finance/tansin/tansin_1712.pdf
  ニュースリリース(アッカ・ソリューションズ設立)
  http://www.acca.ne.jp/release/060214.html

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(大久保有規彦)
2006/02/14 18:28
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