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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
野口五郎50歳、DRMフリー、MP3で楽曲配信する「音コレ」を本格展開

 芸能生活35年、そして2月23日で50歳の誕生日を迎えた野口五郎は、自身が最高責任者を務める音コレを通じて音楽映像配信サイト「音コレ」の本格サービスを開始した。楽曲料金は1曲120円から。


構想10年、野口五郎が目指した“音楽のアミューズメントパーク”

音コレ
 音コレは、2005年5月にパソコン向けの試験サービスが開始され、10月にはNTTドコモの携帯電話向けにも公式サイトが開設されている。50歳の誕生日を迎えた2月23日に発表会を開催した野口五郎は、新しい挑戦をする「GORO Project」として音コレのサービスを本格展開を宣言した。

 「10年ほど前から何か自分でしていきたいと考えていた」と語る野口は、音楽がレコードからCD、CDからデジタル配信へと変わっていく中で、「時代の流れについていくべく努力してきた」とコメント。そして、「10年前から構築を始め、4年ほど前にサービスの準備が整った」と音コレの設立までを語り、「音楽が好きで仕方がなく、どうしたら良いかを突き詰めていったら、“音楽のアミューズメントパーク”を自分で作ろうということになった」とその真意を説明した。

 パソコン向けの音コレサービスのうち音楽配信関連は、「ニューカヴァー」「オリジナル」「インディーズ」「音テラピー」に大きく分かれる。楽曲料金は1曲120円からで、ファイル形式はMP3。DRM処理は施されておらず、ポータブルオーディオプレーヤーなどに自由にコピーできる。このほか、映像コンテンツとしてVシネマが7日間210円で有料配信されている。なお、楽曲試聴時のファイル形式はWMA、映像はWMVで、これらにはDRM処理が施されている。


原盤から“ものまね”を進めた「ニューカヴァー」

野口五郎。子どもからプレゼントされた服や時計を身につけて発表会に臨んだ

ビデオレターで「音コレでものまね芸人が違う意味で復活していて、助かっている」とコメントするコロッケ
 ニューカヴァーについて、「簡単に言えば、ものまね」と説明。「今、ヒットしている曲は聞くようにしている」という野口は、実兄で作曲家の佐藤寛と話をしているときに、「EXILEの『ただ…逢いたくて』に、他のアーティストのエッセンスを入れたらどうなるだろう」という話になったという。

 「いつも僕は物まねをされる側だが、原盤部分からものまねをして、原盤を超えられるような曲を作った」と語り、「例えば使用しているピアノのメーカーがわかったら、そのピアノを使ってみるなど、細かい細工を加えながらフレーズもカラオケで作り直している」とした。

 また、「ものまねでは、どこまで似ているかが重要になるが、ニューカヴァーではいかにそのアーティストのエッセンスが出ているかがポイント」だという。実際に楽曲を歌うのはものまねタレントとなるが、細かく指示を出しながらレコーディング作業を進めているという。

 発表会では、コロッケによるさだまさし・松山千春・武田鉄矢風の「ガッチャマンの歌」をはじめ、布施辰徳による桑田佳祐風の「ただ…逢いたくて」、市原利夏によるMISIA風の伊藤由奈「ENDLESS STORY」、美空ひばり風の一青窈「かざぐるま」、英二による長渕剛風の「川の流れのように」の5曲を披露。

 「ガッチャマンの歌」は、ユーザーから「さだまさし風で」というリクエストがあったのが発端だったといい、「さださんの透き通ったあの声で本当に地球は守れるかなど、危険なことと迷った(笑)。結局、コロッケさんにお願いすることにした」と述べた。コロッケからはビデオレターが寄せられ、「プロデューサー、歌い手の両面でアドバイスをいただいているため、非常にやりやすい。いつかデュエットができれば」と語っていた。

 ニューカヴァーをはじめ多くの楽曲は、野口兄弟が自宅に持つスタジオで制作されている。野口は「仕事の合間に寝る間もなく、1年間で300曲ほど作った」といい、2006年には「600~700曲まで増やしていきたい」と意気込みを語った。なお、楽曲制作にあたっては「JASRACへの登録はもちろん、ご挨拶に行くべき所にはきちんと挨拶にいっている」と付け加えた。


インディーズ楽曲や子宮内血流音を組み合わせたオルゴールも

今のエッセンスを取り入れたという菊池章子の「星の流れに」を熱唱
 オリジナルは、野口が35年間の芸能生活を通じて知り合ったアーティストたちの楽曲などを取り上げていくもの。「昭和から平成にかけて、そして、20世紀から21世紀にかけて僕らが感じた名曲も継承していければ」と語った。

 インディーズは、野口が3万曲を聴いた中で、「面白いと感じたインディーズアーティストに直接連絡をとって、彼らの曲をベースにアレンジした楽曲を配信している」という。また、「歌詞やボーカルだけの応募をドッキングさせたりと、インディーズの分野だけでも順番待ちの状況」と述べた。

 音テラピーは、「子宮内血流音の周波数を、オルゴールと合体させたもの」で、産婦人科医などから夜泣きを止める方法として「スーパーのレジ袋をクシャクシャさせると泣きやむということを聞いたときに考えついた」と語った。「今後はお年寄りがリラックスして長生きしてもらえるような音テラピーを研究していきたい」と述べるほか、「恋人に愛を打ち明ける前や、気分が落ち込んでいるときに元気になれるような音も専門家を交えて研究している」とした。


ユーザー投票によるイエローキャブ新人11人のデビュー企画も実施

 音コレでは加えて、イエローキャブの新人11人の中から上位3人をユーザー投票によって選び、楽曲やプロモーションビデオを配信する合同企画も実施。イエローキャブ所属の小池栄子からメッセージが寄せられたのち、ノミネートしている新人のうち、秦みずほ、金井佳美、太和田郁子、深井れな、幾度友美の5人が登場。意気込みを語るとともに、野口五郎の50歳誕生を祝っていた。

 イエローキャブとの合同企画は、3月1日から4月25日まで投票が行なわれ、5月1日に結果発表と同時に配信が実施される。レッスン指導は野口五郎自ら行ない、上位3人が歌う楽曲は同一だが、1人1人アレンジが異なるという。また、「締め切りから短期間で配信ができるのはデジタルならでは。今後も1クール単位で投票企画を継続していく」と述べ、「彼女たちを起用したミュージカルや舞台も考えている」と次の構想を明らかにした。

 発表会の最後に野口は、「音コレをはじめるにあたって、誰かがバックについているのではないかと考えられると思うが」と前置きした上で、「NTTドコモの公式サイト申請にあたっても、自分で本社に出向いて説明した」と、野口自身が私財を投じながら運営している点を語っていた。なお、携帯電話向けには4月からauの公式サイトメニューに加わる予定だという。


小池栄子は「自分も音コレをアピールしていきたい」と述べた 野口から直接レッスンを受ける新人11人

発表会にはノミネートするイエローキャブ新人のうち、5人が駆けつけた バースデーケーキも登場し、野口の誕生日を祝っていた

関連情報

URL
  音コレ
  http://www.otokore.jp/
  関連記事:野口五郎プロデュースのものまね着うたサイト[ケータイ Wacth]
  http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/25905.html


(村松健至)
2006/02/23 19:38
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