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メディア オンラインの利用シーン
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2月の「SHOP CHANNEL」のほか、新たにコンテンツ提供を開始する7サービス
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マイクロソフトは12日、「Windows XP Media Center Edition 2005(Windows XP MCE)」に標準搭載するコンテンツサービス「メディア オンライン」の拡充など同社のデジタルエンターテインメント展開に関する発表会を開催した。
メディア オンラインは、Windows XP MCE搭載PCに付属するリモコンを使って映像や音楽、ショッピングコンテンツを利用できるサービス。同OSではまた、マイクロソフトのゲーム機「Xbox 360」をはじめとした「Windows Media Center Extender」機能に対応した端末とも連携し、メディア オンラインやWindows XP MCEに保存した動画や音楽、テレビ視聴などが楽しめる。
日本では2005年10月26日にサービス提供を開始。「バンダイチャンネル」「BIGLOBEストリーム」「GyaO」「ロイター」「ヤマダ電機Web.com」が同日より、「MSNミュージック」がその後メディア オンライン向けにサービス提供を開始した。また、2006年2月には「SHOP CHANNEL」の提供も開始されている。
今回行なわれた発表会では、メディア オンライン向けに合計7つの新サービスが発表された。4月12日にはair impressの「インプレスTV」、大和証券グループの「大和インターネットTV」、クラビットの「Gクラスタ」の3サービスを開始。加えて、CinemaNow Japanの「CinemaNow」、Yahoo! JAPANの「Yahoo!動画」、オンキヨーの「e-onkyo」、住商オットーの「Otto」も、4月中に順次サービスを開始するという。これにより、メディア オンライン向けのサービスは合計13へと拡充される。
マイクロソフトではまた、Windows XP MCE搭載パソコンを春夏モデルとして発売するパートナー会社として、NECや日立製作所、富士通、デル、ソーテック、MCJ、アロシステム、KOUJIROの8社を紹介。加えて、東芝の「gigabeat Sシリーズ」のほか、NECの「VoToL」などのポータブルプレーヤーも紹介した。
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インプレスTV
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大和インターネットTV
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Gクラスタ。当初は10タイトルを無料提供
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Windows XP MCE搭載パソコンやXbox 360、gigabeat Sシリーズなどが展示された
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■ メディア オンラインの利用率は日本が世界第1位
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米Microsoftのジョー・ベルフィオーレ氏
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「デジタルエンターテインメントによってPCはさらに進化し、eHomeが実現可能になる」と、発表会の冒頭に米MicrosoftのeHome担当コーポレートバイスプレジデントのジョー・ベルフィオーレ氏は発言。Windows Media Centerの特徴については「ユーザーが簡単に利用できる環境」「サードパーティーによるコンテンツ提供が可能なプラットフォーム」「テレビなどと連携したリモートコントロール性」を挙げ、「パソコンを家電と同じように使いやすくするのが我々のミッションである」と述べた。
Windows Media Centerの現状に関しては、「日本を含め、世界中で勢いがついている」とコメント。「インストールベースで1,000万台に達しており、毎月100万台のペースで搭載PCが増加している」と出荷台数が好調である点を強調した上で、「パソコンは非常に魅力のあるエンターテインメントデバイスへと発展し、どこにいても最高のコンテンツを楽しめる環境になった」と語った。
ベルフィオーレ氏はまた、「日本はテレビ機能やブロードバンド環境、IPベースのリッチサービスなど世界に先駆けたサービスが多い」と日本市場の重要性を指摘。「eHomeのチームを日本でも立ち上げ、日本のユーザーに最適なアプリケーションやフィーチャーを提供していきたい」と語った。さらに、NECや東芝といった国内メーカーとも協力して、eHomeの実現に向けて取り組んでいく考えを示した。
続いて登壇したマイクロソフトのDeputy BMO 業務執行役員 統括本部長の佐分利ユージン氏は、インターネット回線のブロードバンド化やディスプレイの大型化によって「インターネット配信コンテンツの利用が拡大している」と説明。「メディアセンターPCは2006年にさらなる飛躍を実現する」と抱負を述べた。
日本におけるメディア オンラインの現状に関しては、「アクセス数は米国、英国に次ぐ3位だが、台数ベースでのメディアオンライン利用率は世界第1位である」と語り、「日本市場でオンラインメディアに対する高い関心がある」と説明する。
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Windows XP MCEとXbox 360の出荷台数の現況と予測
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国別のメディア オンラインアクセス推移。台数ベースでは日本が世界第1位になるという
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■ ポータブル端末との連携で、より具体的なデジタルライフスタイルを提案
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マイクロソフトの佐分利ユージン氏
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東芝が4月28日に発売を予定する「gigabeat Sシリーズ」は、OSに「Windows Mobile software for Portable Media Center(PMC)」を採用したWMV対応のポータブルプレーヤー。佐分利氏は「PMCはメディアセンターとの親和性が高いOS」と述べるとともに、「アイリバーやクリエイティブ、NECの製品でもWMVの再生に対応しており、これらを通じてユーザーに新しい提案を行なっていくことが可能になる」とした。
また、オンキヨーが5月25日に発売予定のHD品質のオーディオ視聴に最適化されたWindows XP MCE搭載の「HDC-7」や、DENONのWindows Media Connectに対応した「AVC-4320」を挙げ、「ハイエンドな音楽ライフがエンジョイできる」と語った。
今後の戦略として同社では、デベロッパー向けに「Power Toys for Media Center Editoin 2005」の提供を5月に予定。加えて、メディアセンターPCに対応したサービスやアプリケーションの開発サポートも行なうとしている。
佐分利氏は「パソコンやポータブルプレーヤーを組み合わせることで、より具体的なデジタルライフスタイルが提案できる」とコメント。「今後も取り組みを強化して、普及の拡大に向けて努力していく」と述べた。
メディア オンライン向けのコンテンツ拡充に関しては、マイクロソフト Windows本部 コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャの森洋孝氏から説明があった。森氏は「メディア オンライン向けのコンテンツは数よりもコンテンツの種類や、ユーザーターゲットに合わせたものを用意していきたい」とコメント。具体的な目標数値の明言はなかったが、「メディア オンラインには1画面で15個のコンテンツが表示できるので、まずはこのマスを埋めていきたい」とした。
なお、有料コンテンツの課金決済については「コンテンツプロバイダーごとに方法が異なる」と述べ、サービスによってはInternet Explorerで1度登録手続きが必要な場合もあるという。森氏は「ソフトキーボードのアプレットなどの提供も順次開始しており、5月に提供を予定するPower Toysなどによって、リモコン1つで手続きが完了するようになれば」とメディア オンライン上での課金決済の今後について語った。
■ URL
ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2653
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(村松健至)
2006/04/12 15:48
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