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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
平成電電が再建を断念、「破綻させた責任者は私だ」佐藤社長が会見

 「関係者に多大な迷惑をおかけしたことに申し訳ないと心からお詫び申し上げる」(平成電電の佐藤賢治代表取締役社長)。平成電電は17日、民事再生手続きが遂行できない状況となり、近く東京地方裁判所から民事再生手続廃止の決定および保全管理命令を受ける見込みとなったことを明らかにした。ドリームテクノロジーズの支援中止を受けてのもの。


今後は東京地裁の保全管理人が管理

頭を下げる佐藤社長(右)。左は松村弁護士
 平成電電では、2005年10月に負債額1,200億円以上を抱えて民事再生法を申請。平成電電が14万8,000株の株式を保有するドリームテクノロジーズが2005年12月に支援スポンサーに選ばれ、両社で再建を行なう予定だった。しかし、2006年4月10日になって平成電電は東京地裁に再建案を提出したものの、16日になってドリームテクノロジーズでは平成電電への支援を中止すると発表した。

 ドリームテクロノジーズの発表によると、東京地裁に提出された再建案にドリームテクノロジーズの意向が反映されておらず、直前に受けた説明から15億円も収支が悪化していたことや、株式会社ヒューマンアウトソーシングに関する仮処分や通信設備に関する膨大な追加費用などが開示されていなかったという。このため平成電電と「信頼関係を維持できない状態」(ドリームテクノロジーズ)に陥ってしまい、支援中止を決断したというのだ。

 一方、平成電電では2005年12月に締結したスポンサー契約に基づき、ドリームテクノロジーズに支援を要請したが、「(ドリームテクノロジーズは)スポンサー契約に基づく義務を履行せず、資金支援を実行しなかったため、資金繰りがつかない状況に陥った」という。近日中に、東京地裁から民事再生手続廃止の決定および保全管理命令を受ける見込みで、今後、平成電電の事業と資産は保全管理命令によって、保全管理人が管理することになる。


サービス停止の恐れも

ドリームテクノロジーズの見解に反論する佐藤社長。着席している際は両足を震わせ、終始落ち着かない様子だった
 17日に都内で行なわれた記者会見では、平成電電の佐藤社長が「経費節減のため、2月中旬にドリームテクノロジーズと同じビル、同じフロアに事務所を移転した。資産査定時以降すべての情報を開示しており、ドリームテクノロジーズとは週に2~3回ミーティングも行なってきた」と述べ、「信頼関係を維持できない」とするドリームテクノロジーズに反論。申立代理人の松村正哲弁護士(森・濱田松本法律事務所)も「我々の見解とはまったく異なる」とコメントした。

 ドリームテクノロジーズ以外のスポンサーはいなかったのか。「スポンサー決定当時、ドリームテクノロジーズは第三者割当増資によって約200億円資金を調達していた。スポンサー候補のうち、債権者への配当を考えてドリームテクノロジーズをスポンサーに選択した」(佐藤社長)、「ドリームテクノロジーズの支援を受けることを前提に再建案を提出した。現状ではドリームテクノロジーズ以外のスポンサーは考えられない」(松村弁護士)。


 直収電話サービス「CHOKKA」の加入者数は現在14万4,000人前後。これは「2005年10月時点とほぼ変わらない水準」(佐藤社長)だというが、今後の事態によってはサービス停止の恐れもある。また、4月6日にCHOKKAを日本テレコムと相互接続することで合意しているが、再建が前提条件という見方もあり、合意見直しの可能性は否定できない。

 「一般的には民事再生手続廃止の決定が下れば、破産手続きに移る」と松村弁護士。ただし、「他事業者への移管も含めて、利用者保護を最大限配慮する」という。


債権者への弁済は不透明に

 総負債額1,350億円のうち900億円弱は、平成電電に通信設備をリースしていた平成電電設備と平成電電システムが、平成電電匿名組合の契約で募集した資金だ。平成電電が再建を断念することによって、債権者への弁済も不透明になった。

 平成電電匿名組合では17日付でコメントを発表し、支援中止を決めたドリームテクノロジーズが「資金運用に不正があったのではないか」と指摘している件に対して「資金の運用は匿名組合の契約に基づき適性に運用しており、事実無根だ」と反論。また、「情報の提供を受けていない」との指摘についても「そもそもドリームテクノロジーズから資金の運用について質問や照会を受けたことはない」とコメントしている。


「平成電電を破綻させた責任者は私だ」佐藤社長

 「最終的に平成電電を破綻させた責任者は私だ」と佐藤社長。民事再生手続廃止の決定以後、代表取締役社長を辞任し、自己破産する意向を示した。

 なお、佐藤社長の個人資産に関しては「資産隠しはない」とコメント。平成電電匿名組合の契約で募集した資金については「リース設備に以外に利用された事実はない」と回答。平成電電設備と平成電電システムの代表取締役である熊本徳夫氏との関係については「(熊本氏に)平成電電の経営自体をお話しした覚えはない」などと答えた。


関連情報

URL
  平成電電
  http://www.hdd.co.jp/
  平成電電匿名組合 ニュースリリース(PDF)
  http://www.hdd-s.com/060417.pdf
  ドリームテクノロジーズ
  http://www.dreamtechnologies.com/
  関連記事:平成電電が再生案提出、債権額1,350億円のうち最終弁済率は1%前後か[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/04/11/11596.html

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(鷹木 創)
2006/04/17 20:58
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