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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アイ・オー、外から自宅のテレビが視聴できる「Slingbox」を国内で販売

 アイ・オー・データ機器は、自宅のテレビやHDDレコーダなどの映像をネットワーク経由で視聴できる「Slingbox(SB100-120)」を7月8日に発売する。オープンプライスで、店頭販売価格は29,800円程度となる見込み。


本体に接続したテレビやレコーダの映像をネットワーク経由で再生

Slingbox

背面

利用イメージ
 Slingboxは、本体に接続したテレビアンテナや外部入力の映像などを、家庭内のLANネットワークやインターネット経由で視聴できる製品。米国のITベンチャーであるSling Mediaが開発したもので、国内での販売総代理店契約を伊藤忠商事が締結、アイ・オー・データ機器を通じて国内で販売していく。

 映像はリアルタイムでエンコードされ、Sling Media独自のストリーミング技術「SlingStream」によりネットワーク環境に適したビットレートを自動で設定する仕組み。視聴には専用のクライアントソフトを利用する。

 視聴する際のファイル形式はWMV9で、ビットレートは50kbps~3Mbpsの範囲で自由に設定することもできる。画面サイズはLAN内の場合が640×480ピクセル、320×240ピクセルの2種類で、インターネット経由での視聴は320×240ピクセルのみ。

 著作権保護の観点からリモート環境からのアクセスは1台に制限されるが、クライアントは複数登録でき、視聴に必要なソフトウェアも無償で提供される。また、設定にはダイナミックDNSではなくUPnPを利用し、Slingbox専用のIDを設定するだけで利用できるという。

 外部から視聴する場合は、AVマウス機能でテレビのチャンネルやレコーダなどの映像機器をコントロールできる。レコーダは国内の主要メーカーに対応し、リモコンのデザインもメーカー製に近いものを用意する。また、アイ・オーのネットワークプレーヤー「AVeL LinkPlayer」のAVLP2/DVDシリーズ、AV-LS300シリーズとも連携し、AVeL LinkPlayer経由でPCなどに保存されたコンテンツを再生できる。

 映像端子は入力がRF同軸×1、アナログ音声×1、コンポジット×1、S映像×1で、出力はアナログ音声×1、コンポジット×1、S映像×1。ネットワーク接続用に10BASE-T/100BASE-TX×1ポートを搭載する。

 本体サイズは269×102×41mm(幅×奥行×高)、重量は約354gで、クライアントソフトの対応OSはWindows XP/2000。クライアントソフトは今後Mac OSやWindows Mobileへの対応も予定されているほか、本体もネットワークアップデートに対応。再生コーデックの追加などもアップデートで可能だという。


同時発表のネットワークプレーヤー「AV-LS300DW」とも連携 背面。重さは片手で持てる程度

テレビ再生画面 AVeL LinkPlayerの映像再生。リモコンのデザインも本物に似せている

全画面表示も可能 ビットレートはカスタマイズ可能

Slingboxをプラットフォームとした新サービスの展開も検討

アイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏
 製品発表会でアイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏は「アイ・オーでも2005年11月くらいからAVeL LinkTunerという製品を発売していたが、これは屋内に限られており、インターネットでの利用という面では不十分だった」とコメント。「2006年に入って伊藤忠商事がSling Mediaと代理店契約を結んだこともあり、国内既存メーカーの機器対応などを含めて協力し合ったほうがいいのではと考えた」と今回の経緯を説明。年間の販売目標を30,000台とした。

 伊藤忠商事の宇宙情報マルチメディアカンパニー情報産業部門長である高取成光氏は「2005年11月にSlingboxの情報を得てから、これはすばらしいと考えてSling Mediaに投資、株式に参加している」と説明。今回の日本販売について「日本の販売チャネルを構築して拡販に努める一方で、Slingboxをプラットフォームとした新しいサービスの展開も考えていきたい」の意欲を示し、「デジタルマルチメディアの販売や技術、サポートに強いアイ・オーと一緒に拡販できることは力強い」と語った。

 Sling MediaのVice Presidentを務めるJason Krikorian氏は「数週前にも英国での販売を発表したが、日本での販売はまた違った意味がある」とコメント。Sling Mediaを立ち上げる前に兄弟で運営していたコンサル会社の思い出を例に挙げ「日本に出張に来るたびに秋葉原を訪れて楽しんでいた。今回自分たちの商品を秋葉原で見ることで、憧れていた世界に入るかのような興奮がある」と語った。

 特徴的なデザインを採用したSlingboxについては「覚えやすいもの、思い出しやすいもの」というコンセプトからチョコレートバーをイメージ。「テレビとチョコレートの組み合わせは世界中で好かれる」と語り、テレビを外出先から見るという体験がいかに甘いものかという意味も込められているとした。


伊藤忠商事の宇宙情報マルチメディアカンパニー情報産業部門長である高取成光氏 Sling MediaのVice Presidentを務めるJason Krikorian氏

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.iodata.jp/news/2006/06/06_pr014.htm

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(甲斐祐樹)
2006/06/23 18:03
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