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つくばエクスプレス TX-2000系
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首都圏新都市鉄道、インテル、NTTドコモ、NTT東日本、NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)の5社は25日、8月24日より鉄道路線「つくばエクスプレス線」における列車内での公衆無線LANサービスの商用提供開始についての記者発表会を実施。あわせて、列車内での公衆無線LANサービスの利用デモを公開した。
■ 商用サービスは8月24日より開始。対応車両や提供事業者の拡大も検討
首都圏新都市鉄道、インテル、NTTBPら3社は、つくばエクスプレスの開業日である2005年8月24日から列車内にて無線LAN接続のトライアルを実施していた。今回の商用サービス開始は同トライアルの結果を踏まえて開始されるもので、トライアルは7月31日をもって終了する。
商用サービスは、8月24日よりNTTドコモの公衆無線LANサービス「Mzone」および「mopera U」の公衆無線LANコースのユーザーが利用可能となる。また、年内にはNTT東日本の「フレッツ・スポット」でも利用可能になる予定だ。8月1日から8月23日までは、商用サービス開始に向けた無線LANシステムの更新により列車内での無線LAN接続は行なえないが、8月24日から1カ月間はトライアル参加者を対象に商用サービスを無料で提供するキャンペーンなどを実施する予定だ。
商用サービスの対象となる区間は秋葉原駅~つくば駅間の全区間で、対象車両は快速および区間快速として利用されているTX-2000系の全16編成。7月20日現在で7編成が無線LANサービスに対応しているが、7月31日までに全編成への対応を進めるとしている。また、首都圏新都市鉄道によれば、商用サービス開始後のユーザーの利用動向によっては秋葉原駅~守谷駅間の各駅停車で利用されているTX-1000系全14編成でのサービス対応も検討するとしている。
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無線LANサービスに対応したTX-2000系は、車両番号が赤地に白文字で記載されている。一方、非対応のTX-1000系は青地に白文字となる。
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利用の際には、車両番号の色が赤い車両が公衆無線LANサービスに対応していると考えるとわかりやすい
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車内ドア脇の広告の横にあるステッカーでも対応車両を確認できる。乗客が少ない場合なら車外からでも確認できる位置だ
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TX-2000系の3号車と4号車は、ドア間にクロスシートを設置したセミクロスシートになっている
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クロスシートの通路側には肘掛け収納式テーブルを装備。PCなどを置いて利用できる
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このほかの座席は全てロングシート。PDAや携帯ゲーム機のブラウザ使用時であれば、乗降性のよいロングシートの利用が便利だ
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ノートPCによるサービス利用デモ
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無線LAN搭載のFOMA端末「M1000」でのデモ。北千住駅のライブカメラ映像を表示
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7月31日より法人向けに販売予定の端末「hTc Z」での利用デモ
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列車内での公衆無線LANサービスのシステムは、首都圏新都市鉄道が敷設した光ファイバ網を利用。駅構内には無線LAN基地局を設置し、列車の前後に設置したアンテナとIEEE 802.11g/bによる通信で列車と接続する。列車内ではモバイルルータを介して車内1両ごとに設置されたアクセスポイントをIEEE 802.11b/gで接続し、アクセスポイントからユーザーの端末までをIEEE 802.11g/bで接続する。アクセスポイントからユーザーの端末までの通信速度は、NTTBPによれば平均1.3Mbps程度で、常時1Mbps以上の通信速度は確保できるとしている。
また、駅間の路線沿線に中継局を設置。駅~中継局間は平均800m間隔で、中継局同士は平均500m間隔で合計65局を設置し、25GHz帯を使用したアクセスシステム「WIPAS」で基地局および中継局を約50Mbpsの速度で接続。基地局および中継局を列車では高速ハンドオーバー技術やモバイルIP技術を利用して接続するため、列車が時速130kmで走行している時であっても通信が行なえるという。
このほか、データセンターから列車までのネットワーク間にL2トンネルを設置し、複数VLAN機能と共用アクセスポイントの組み合わせによりマルチESSIDの利用が可能だという。これにより、今後も列車内で利用可能な公衆無線LANサービスの拡大が可能としており、NTTBPによれば「(HOTSPOTを運営している)NTTコミュニケーションズにもサービス提供の話を持ちかけている」とのことだ。
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流山おおたかの森駅に設置された基地局
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前面ガラス右側の上下に設置されている四角い機器が車内アンテナ
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使用されている通信機器のメーカーは非公表だが、アンテナはアイコム製の模様
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列車内のモバイルルータ。前後の先頭車両にそれぞれ1台設置されている
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列車内のアクセスポイント。各車両の秋葉原寄りに設置されている
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浅草駅に停車時だが、スピード測定テストでは約3Mbpsという結果が出た
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■ トライアル実施時も改良を重ね、高い関心を集めるサービス
トライアルの実施結果について、NTTBPの代表取締役である小林忠男氏は、トライアル参加者が7月13日現在で4,465名、総アクセス数は28,369アクセスであったことを公表。また、トライアル参加者数の推移については「通常実施するトライアルでは、開始から2~3週間を過ぎると応募が殆どなくなるものだが、今回のトライアルは開始から現在まで増えつづけている」と経過を説明し「今回のトライアルへの関心が非常に高いことを表しており、この様なトライアルは経験がなく非常に貴重な体験であった」とトライアルの手応えを語った。
このほか、2005年11月に実施した無線LANサービスの利用満足度についてのアンケートでは「満足」「ほぼ満足」の回答が22%であった。これを受けて、想定よりも電波が届かなかった地域へのアクセスポイントの追加や各種設備のチューニング、列車内のアクセポイントを2両に1局から1車両ごとに1局に増設するといった仕様変更などによって品質向上を図り、2006年7月に実施した同アンケートでは「満足」「ほぼ満足」の回答が68%に上昇したことも明らかにした。
今後の展開については、首都圏新都市鉄道、インテル、NTTBPらが沿線自治体など協力し、周辺の商業施設や公共施設向けにエリアポータルサービスやFelicaを利用したEdyなどの電子決済や個人認証サービス、VoIPを利用した内線通話サービスなどの提供を行ない、無線LANやITを活用した街の活性化や利便性向上に取り組むとしている。
今回の列車内での公衆無線LANサービスの商用提供開始について、首都圏新都市鉄道代表取締役社長の高橋伸和氏は「わずか1年で実用化にこぎ着けられたのは、関係者のご尽力と努力の賜で感謝したい。トライアル参加者にも感謝を申し上げたい」と謝辞を述べ「列車内だけではなく、沿線の皆様の利便をはかる鉄道と地域が一体となったサービスにしたい」と期待を表した。
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列車内商用無線LANサービスの概要
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無線LANと携帯電話の連携サービスイメージ
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同サービスの想定利用シーン
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トライアルの概要
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トライアルの状況
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疎通状況の変遷
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FOMAとの速度比較
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トライアルモニタの評価
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システム構成の全体像
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今後の展開
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NTT東日本のフレッツ・スポットの提供概要
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(左から)NTTBP代表取締役の小林忠男氏、NTT東日本のブロードバンドサービス部長の井上福造氏、インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏、首都圏新都市鉄道代表取締役社長の高橋伸和氏、NTTドコモ執行役員の徳広清志氏
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■ URL
つくばエクスプレス
http://www.mir.co.jp/
ニュースリリース(NTTBP)
http://www.ntt-bp.net/pc/company/news/060725.html
つくばエクスプレス トライアル事務局
http://www.ntt-bp.net/pc/tsukuba/
インテル
http://www.intel.co.jp/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
NTT東日本
http://www.ntt-east.co.jp/
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・ インテルなど3社、つくばエクスプレス車内での無線LANトライアルを実施
(大久保有規彦)
2006/07/25 18:59
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