マイクロソフトは20日、「Xbox 360 メディアブリーフィング」を開催した。Xbox事業本部長の泉水敬氏や米Microsoftのバイスプレジデントであるピーター・ムーア氏などが登壇し、Xbox 360の今後の取り組みについて説明した。
■ 2006年末にはワールドワイドで1,000万台の販売台数を突破する見通し
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Xbox事業本部長の泉水敬氏
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泉水氏は初めにXbox 360の現状を説明。2006年末にはワールドワイドでの販売台数が1,000万台を突破する見通しを示した上で、「他のゲーム機と比較して1年早く投入したこともあるが、この原動力はもっと他にもあると考えている」とコメント。「ゲーム機のグラフィックスやCPU、記憶媒体といったテクノロジーが一定の高い水準に到達した現在、ゲームには質的変換が求められている」とした。
続けて泉水氏は「マイクロソフトはソフトウェアとオンラインサービスの会社」と前置いた上で、「Xbox 360はソフト屋が作ったゲーム機だから、ゲームを開発しやすくアイディアを実現しやすい。また、Xbox Liveのオープンエンターテインメントによるビジョンが世界で幅広く受け入れられいる」とし、「結果としてXbox 360のコミュニティが大きく広がっている」と自信を見せた。
日本では、TOKIOをイメージキャラクターに起用した「do! do! do! しようぜ。」という戦略を展開。ゲームタイトルのラインナップを充実させた「do! Game」、オプション製品などでユーザーの選択肢を広げる「do! Chance」、Xbox Liveによるオンライン体験「do! Live」という3つのコンセプトで年末商戦を進めていく。
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2006年末には1,000万台の販売台数を達成する見通し
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次世代ゲーム機には「質的変換」が求められる
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「ソフト屋が作った」ゲーム機ならではの特徴
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「3つのdo!」によるXbox 360戦略
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■ コア システムやHD DVDプレーヤーなどユーザーの選択肢を拡充
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HD DVDプレーヤーを手にする泉水氏
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「do! Chance」の一環として、11月2日にはHDDやメディアリモコンを省略、コントローラをワイヤレスから有線に改めるなどの変更によって低価格化した「Xbox 360 コア システム」を29,800円で発売。発売当初は「PGR 3 - プロジェクト ゴッサム レーシング 3」「NINETY-NINE NIGHTS」の2作品を同梱した発売記念パックが価格据え置きで販売され、泉水氏は「ソフト2本分を差し引けば(25,000円の)Wiiよりも安い価格設定になっている」と述べた。
オプション製品も拡充予定で、11月2日にビデオチャット用のカメラ「Xbox Live ビジョン カメラ」を4,200円で、ワイヤレス ヘッドセットを6,300円で、20GBのHDDを9,975円で、ユニバーサル メディア リモコンを3,150円で発売。また、発売日や価格などは未定ながら、レースゲーム用のコントローラ「ワイヤレス レーシング ホイール」も紹介された。
さらにXbox 360のオプションとして、HD DVDプレーヤーの発売日や価格も初めて公開された。発売日は11月22日、標準価格は20,790円で、USBでXbox 360と接続することで、1080pのフルHDや5.1chサラウンドといったHD DVDの映像が楽しめるという。Xbox Liveの機能とHD DVDの併用も可能で、HD DVD再生中にXbox Liveでメッセージ送受信やビデオチャットを楽しめる。なお、現時点でXbox 360は1080P出力に対応していないため、ファームウェアのアップデートなどによる対応が予定されているという。
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11月より投入するアクセサリー
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HD DVDプレーヤーも11月22日に発売
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HD DVDプレーヤーを装着したXbox 360のデモ画面
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展示されたアクセサリー
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■ Xbox Liveは2007年に600万会員の見込み。各種サービスも好調
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ピーター・ムーア氏
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Xbox Liveのオンライン機能を使った「do! Live」に関しては、米Microsoftのバイスプレジデントであるピーター・ムーア氏が説明。「かねてから日本市場が重要と語ってきたが、今年こそその約束を実現するとき」と語ったムーア氏は、2006年末までに日本で提供する110タイトルのうち70タイトルは日本のメーカーが開発しており、さらに50タイトルは日本市場に特化したゲームタイトルだと指摘。その代表的な作品例として、ミストウォーカーが発売を予定する「ブルードラゴン」「ロストオデッセイ」の名を挙げた。
Xbox Liveに関しては、2007年中旬までに600万人の会員を獲得する見込みであり、2005年5月にはユーザーの50%がXbox Liveに接続経験があるというデータを紹介。直近のデータによれば、接続経験の数値は60%まで高まっているという。また、デジタルコンテンツをダウンロードできる「マーケットプレース」では1,500以上のコンテンツを揃え、利用経験数も80%という数値を実現。ダウンロード数も5月の2,500万ダウンロードから、現在は5,000万ダウンロードまで伸びているとした。
2006年のE3で発表された、Xbox Liveが携帯電話やPCからも利用可能になる「Live Anywhere」についても言及。「プラットフォームで人をつなげてアイディアを共有し、どこからでもどんなデバイスからでもXbox Liveを体験できる」と説明したムーア氏は、Live Anywhere対応の第1弾タイトル「Shadowrun」により、初めてXbox 360とPCのクロスプラットフォームが実現できると自信を示した。
カジュアルゲームなどをダウンロードしてプレイできる「Xbox Live アーケード」も1,000万ダウンロードを超える人気を誇っており、ムーア氏は「単なるゲームではなく遺産を今後何年にも活かすことができる」と評価。今後の配信タイトルとして「イー・アル・カンフー」「ミズパックマン」「ニューラリーX」などを紹介したほか、50万ダウンロードを突破したという「パックマン」の世界大会を2007年に開催するというプロジェクトも明らかにされた。
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約60%のユーザーがXbox Liveへ接続経験あり
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マーケットプレースは80%の会員が利用体験あり
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5つのゲームをアーケードで新たに配信
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パックマン世界一を決める大会も開催
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■ RPGやスポーツ、アクションなど日本向けのタイトルを多数投入
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ミストウォーカーの代表を務める坂口博信氏
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最後のコンセプト「do! Game」については、泉水氏が「最も重要な要素」と前置いた上で、今後発売を予定するタイトルを紹介。発売日や価格などは未定ながら、コナミのサッカーゲーム「ウイニングイレブン」をXbox 360で発売するほか、ビーチバレー「デッド オア アライブ エクストリーム2」、アクションゲーム「ロストプラネット」、バンダイナムコのRPG「トラスティベル~ショパンの夢~」、トライエースのRPG「インフィニット アンディスカバリー」などを紹介。「スポーツやアクション、RPGなど充実した内容になっている」と自信を見せた。
RPG「ロストオデッセイ」「ブルードラゴン」の2タイトルを開発中であるミストウォーカーの坂口博信代表も登壇。ロストオデッセイは現在体験版の開発が終了段階であり、ブルードラゴンは12月7日に発売するというスケジュールを示した上で、両タイトルのプレイアブルデモを披露。「ロストオデッセイは1,000年生きる男が主人公なので、今までにない新鮮なRPGにしたい。ブルードラゴンはストーリーだけでなくジョブチェンジのようなやり込み要素も盛り込んでいるので、システムにはまるとシナリオそっちのけになるかもしれない」と感想を述べた。
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ビーチバレー「デッド オア アライブ エクストリーム2」
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イ・ビョンホンを主人公に起用した「ロストプラネット」
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バンダイナムコの新作RPG「トラスティベル~ショパンの夢~」。ピアノにはスタニスラフ・ブーニンを起用
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トライエースの新作RPG「インフィニット アンディスカバリー」
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「ロストオデッセイ」はファミ通に体験版を同梱するほか、各種雑誌などで体験版を配布予定
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ブルードラゴンとコア システムを同梱したパックも29,800円で発売。通常のコア システムと比べてコンポジットAVケーブルがSビデオAVケーブルに変更されている
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■ URL
ニュースリリース(HD DVDプレーヤー)
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20060920-3.htm
ニュースリリース(年末までに発売予定のゲームタイトル)
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20060920-2.htm
ニュースリリース(ブルードラゴン)
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20060920-1.htm
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(甲斐祐樹)
2006/09/20 18:15
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