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発表会に出席したKDDIコンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏(左)、グリー代表取締役社長の田中良和氏(右)
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KDDIとグリーは30日、モバイル向けSNS「EZ GREE」を11月16日に開始すると発表した。au携帯電話のユーザーが対象で、ユーザー登録のみで無料で利用できる。
EZ GREEでは、グリーが運営するSNS「GREE」をベースとして携帯電話向けの機能を強化。 日記やプロフィール作成、会員間のメッセージ送受信、コミュニティなど、GREEと同一の機能が利用できる。
さらにEZ GREEの独自機能として、プロフィールやメール、日記を装飾できるデコレーション機能、結果を日記に公開できる占いや心理テスト、成績をランキング表示できる機能などを搭載。GPSと連動した位置情報機能、携帯電話のみで利用できるQ&A機能も備えるほか、Wikipediaの検索と閲覧が携帯電話から可能になる。
サービスの対象はauの「EZwebmulti」「EZ WIN」コースを契約するユーザー。従来のGREEを通じて他の携帯電話キャリアやPCユーザーともコミュニケーションできる。
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モバイルのみの利用を前提としたSNS
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動画共有機能を搭載
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GPSとの連動機能も
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会場のデモ端末。表示できたのはTOPページのみで、ログイン後の機能は利用できなかった
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■ 既存のGREE会員もEZ GREEを利用可能。auサービスとの連携も強化
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サービス開始時点での独自機能。GPSや音楽などは今後対応
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11月16日のサービス開始時点では、Q&A、Wikipedia、動画、デコレーション、ゲームと占いといった機能をリリース。GPSや音楽、ニュースと連動した機能は順次追加していく予定だ。なお、GREEでは動画機能をすでに提供済みだが、EZ GREEのサービス開始に合わせて動画共有機能を正式サービスへ移行するとしている。
既存のGREEユーザーは、従来のIDとパスワードを使ってEZ GREEの利用が可能。EZ GREEの利用規約を承諾した後は、auからGREEにアクセスすると自動的にEZ GREEが表示されるようになる。PCからは従来のGREEの利用が可能なほか、一旦EZ GREEを解約して再度EZ GREEに加入することも可能だ。
EZ GREE向けに提供される機能を従来のGREEにも実装するかは現在のところ未定。また、招待制を採用していた既存のGREEに対し、EZ GREEはauのユーザーであれば自由に登録できるようになるが、GREEで招待制を廃止するかどうかも未定だという。
auのサービスとEZ GREEの連動機能も導入。au向けのニュース配信サービス「EZニュースフラッシュ」や個人ポータル機能「au My Page」を通じ、待受画面などでEZ GREEの新着情報を確認できるようになる。今後はauの音楽サービス「LISUMO」「うたとも」などとの連動機能、携帯電話のアドレス帳から友達のEZ GREEページにアクセスできる機能、アフィリエイト対応なども予定。さらにモバイルを起点とした新しい形のPC向けSNSも提供予定だという。
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EZニュースフラッシュやau My PageからEZ GREEの新着情報が確認できる
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今後の機能拡張予定
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■ KDDI高橋氏「モバイルSNSはどうしてもやりたかったサービス」
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「インターネットの成功モデルにモバイルという“魔法”をかけると新しいサービスが生まれる」と高橋氏
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KDDIの高橋誠コンテンツ・メディア事業本部長は、「auではインターネットの成功モデルをモバイルにいち早く導入してきた」と説明。オークションでは携帯電話のカメラ撮影による手軽な出品が時間や場所を選ばず利用でき、月間PVはYahoo!モバイルの3キャリア合計である8億PVを超える12億PVを記録したとの事例を紹介した。
auのブログサービス「DUOBLOG」は1日約640万PVを超え、「写真と一言で気軽に情報発信できる、メール感覚のコミュニケーションになっている」。また、Googleとの提携による検索機能も「テレビで着うたプレゼントを告知した後に検索が急増するなど、メディアとの連携による効果が生まれている」というメリットが生まれているとした。
高橋氏はこうした一連の取り組みを「インターネットの成功モデルにモバイルという魔法をかけることで新たなサービスが生まれる」と説明。「Web 2.0やCGMの代表的なサービスであるオークションやGoogle、ブログといったサービスの次のステップとして、どうしてもやりたかったのがSNS」と語り、「GREEと共にSNSが提供できることを嬉しく思う」とした。
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月間12億PVを誇るauオークション
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SNSはWeb 2.0やCGM的サービスとして次のステップ
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■ 違法アップロードの監視体制も整備。早期に100万会員の達成を目指す
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「見る」ケータイから「参加する」ケータイへ
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グリーの田中良和代表取締役社長はKDDIとの提携について「オークションや検索、GPSといったインターネットの導入に積極的であり、モバイルSNSという最先端のサービスに最適なキャリア」と評価。「モバイルインターネットの利用者はPCを超える勢いであり、SNSもモバイルと組み合わせることで大きく成長したい」との抱負を語った。
さらにこれまで携帯電話で提供されてきたコンテンツに対し、「かつての有料で限られた情報量だったコンテンツから、無料で見たい放題のコンテンツへ、という流れが生まれている」と指摘。「今後は見るだけではなくユーザーが発信や共有していく第3世代になっていく」との考えを示し、「EZ GREEは見るケータイではなく参加するケータイを目指す」との目標を掲げた。
動画共有機能では、違法な動画のアップロードも懸念されるが、「携帯電話の場合は誰がアップロードしたかわかるため、悪質な動画にも対策できる」(高橋氏)。こうした違法動画の監視体制なども強化を図る方針。また、モバイルSNS向けの新たなガイドラインも設け、ユーザーが安心して利用できる環境を整えていくとした。
GREEの現在の会員数は約40万人だが、高橋氏は「時期は言えないが早い段階で100万人を目指したい。100万を超えると大きく成長する」とコメント。また、mixiを初めとする他のSNSに対して田中氏は「競合ということはあまり考えておらず、ユーザーが何を求めているかを考え、モバイルならではの使いやすさを追求していく」とした。
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EZの全サービスとSNSを組み合わせることで参加の楽しさを付加
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ケータイもWeb 2.0へ
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■ URL
ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/1030/index.html
KDDI
http://www.kddi.com/
GREE
http://gree.jp/
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(甲斐祐樹)
2006/10/30 13:53
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