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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
マイクロソフト、Windows Vistaで利用可能なコンテンツやサービスを紹介

 マイクロソフトは30日、「Windows Vista」と「the 2007 Microsoft Office system(2007 Office)」の一般発売に合わせて発表会を開催した。発表会では、Windows Vistaで利用できるコンテンツなどが紹介された。


ヒューストン社長「熱狂的なファンに発売が迎え入れられた」

マイクロソフトのダレン ヒューストン社長
 マイクロソフトのダレン ヒューストン代表執行役 社長は冒頭、30日0時に各地で行なわれたカウントダウンイベントについて触れ、「私も有楽町と秋葉原を訪れたが、非常に熱心で熱狂的なファンが、Windows Vistaと2007 Officeの発売を迎え入れてくれた」と発言。「米国や欧州とはまた違った、日本ならではのイベントに参加できて嬉しく思う」と続けた。

 両ソフトの目標売上本数に関しては、「Windows XPと比べて2倍、Windows 95と比べて5倍の売上本数を見込んでいる」という。同数値は世界全体のみならず、日本市場でも想定しているといい、「過去と比べて、パソコンが近代的なワークスタイル、ライフスタイルの中核になっているからこそ言える、野心的な数値だ」と自信を示した。

 その上でヒューストン社長は、「本日の発表会ではコンテンツに関する説明をしていきたい」と発言。「私が日本に来た際、『すべてがデジタル化していく』と述べた。また、マサチューセッツ工科大学が5年前に出した調査ではデジタルコンテンツの作成量が10倍になると予測されており、Windows Vistaと2007 Officeの発売によってソフトウェア・ハードウェア産業の双方がそうした流れに追いついていくだろう」と語った。


各社と協力してプレミアムデジタルライフの実現を目指す

発表会中には鏡開きも行なわれた。(左から)ジェイ ジェイミソン Windows本部 本部長 ヒューストン社長、インフォメーションワーカービジネス本部 横井伸好本部長

ヒューストン社長は自身も活用しているリモートデスクトップ機能などを紹介
 Windows Vistaおよび2007 Officeにおけるコンテンツ紹介にあたっては、最初にヒューストン社長がコンテンツや機能を自ら説明した上で、Windows本部 本部長のジェイ ジェイミソン氏から各サービスの概要やパートナー企業の紹介があった。

 ヒューストン社長は自身が普段から行なっているという、会社と自宅にあるWindows Vista搭載パソコンを用いた利用シーンを紹介。その中で、会社から自宅、自宅から会社にあるパソコンへとネットワークを介して接続し、接続先のパソコンに保存したOutlookやPowerPointの閲覧や編集作業が容易に行なえることをアピールした。

 また、Windows Vista Ultimate/Home PremiumがサポートするWindows Media Center機能については「すでに提供されている機能だが、日本では1割程度の普及に止まっているため新しい体験になるだろう」と語った。ヒューストン社長は、「本日だけで45サービスが新しく開始され、今後も順次広がっていくだろう」とした。そのほか、動的なWebページ作成が可能な「Windows Presentation Foundation(WPF)」、ガジェット機能も説明し、「ガジェット機能を利用した雑誌もあり、読むという行為が従来とは異なる次元になる可能性もある」とした。

 ジェイミソン本部長は、主要PCメーカー18社が合計247機種のWindows Vista搭載パソコンを発表した点、各社との協力によるアップグレード確認サイトの準備に加え、エンドユーザーに対するWindows Vistaの魅力を改めて説明。その上で、「コンテンツパートナーとともに、Windows Vistaでプレミアムデジタルライフを実現したい」と語り、Windows Vistaが持つ各機能におけるコンテンツ、それに新たにコンテンツを提供するパートナー企業を紹介した。


メディア オンラインでは日本テレビや朝日新聞が新たにコンテンツ提供

メディア オンラインのパートナー企業
 Windows Media Center向けに提供されるコンテンツサービス「メディア オンライン」は、日本では2005年10月に「Windows XP Media Center Edition 2005(Windows XP MCE 2005)」でサービスを開始。Windows Vista発売に合わせてトランスコスモスが動画配信サービス「backPocket」を提供するほか、3月には日本テレビ放送網、朝日新聞社、ピクセラの各社もコンテンツを提供する。

 このうち、日本テレビの第2日本テレビ事業本部次長 兼 VOD事業部長の田村和人氏とアナウンサーの馬場典子氏が登場。メディアオンライン向けにニュース専門チャンネル「日テレ NEWS24」と動画配信サービス「第2日本テレビ」を提供することを明らかにした。どちらも無料で視聴が可能。

 第2日本テレビでは全国高校サッカー選手権大会の地区大会決勝戦をハイライト映像で配信しているほか、6大学野球もフル配信を予定。田村氏は「スポーツコンテンツも積極的に配信していきたい」と述べた上で、「1人で使うことが多かったパソコンがWindows Vistaによってリビングで家族一緒に楽しめるようになる。日本テレビでは家族が一緒に楽しめるコンテンツを提供していきたい」と抱負を語った。


日本テレビの馬場アナウンサーと田村氏 日テレ NEWS24と第2日本テレビを提供する 第2日本テレビのメニュー画面

WMP 11 オンラインストアにHMVが参入。MSとレーベルゲートは連携を強化

WMP 11 オンラインストアのパートナー企業
 Windows Vistaではメディアプレーヤーとして「Windows Media Player 11(WMP 11)」を標準で搭載。また、Windows XP SP2とWindows XP MCE 2005向けにも合わせて正式版が公開された。

 WMP 10と同様に楽曲購入などが可能な「オンラインストア機能」も用意されており、初期状態ではレーベルゲートの「mora win」が、「おすすめオンラインストア」として表示される。

 マイクロソフトとレーベルゲートでは、WMP 11上での新たな音楽配信サービスを提供することで合意しており、2007年春頃めどに概要を発表する予定だという。なお、WMP 10のオンラインストアにあったマイクロソフトの音楽配信サービス「MSNミュージック」については、WMP 11への対応は未定となっている。米国ではZune.netなどが展開されているが、マイクロソフトの説明員は「日本市場に合ったサービスを国内パートナーと協議しながら考えていきたい」とした。

 オンラインストアではまた、HMVジャパンが「HMV DIGITAL @ Windows Media Player 11 ストア」を開設。HMVジャパン 取締役E-Commerce本部長のデイビット テリル氏からは、同サービスの紹介とともに、マイクロソフトと共同で毎週先着5,000名、合計20,000名のユーザーに1曲を無料でダウンロードできるキャンペーンが告知された。対象はWindows Vista Home Ultimate/Premiumのパッケージ版または搭載パソコンを購入したユーザー。


mora winを提供するレーベルゲートとは新たな音楽サービスの開発でも合意している HMV DIGITAL @ Windows Media Player 11 ストア マイクロソフトとHMVが共同で実施するキャンペーン

タブレット機能を用いた化石探しゲームなどのコンテンツも

セガの「化石プレイ」。2007年春に発売を予定するという
 また、Windows Vista Ultimate/Business/Home Premiumで利用が可能なタブレット機能を用いたコンテンツも紹介。セガの「化石プレイ」、イーフロンティアの「AQUAZONE タッチ・ザ・ドルフィン」などが順次発売されるという。

 セガ 代表取締役社長の小口久雄氏は、「インターフェイスの変化は、新しい遊びを作る上で非常に有効」とタブレット機能を評価。「携帯型ゲーム機でも大きくブレイクしているが、同じくタッチ入力機能の利用が可能なWindows Vistaでも同様の流れが起きる可能性がある」と示唆し、「コンテンツプロバイダーとしても、Windows Vistaの発売は大きなビジネスチャンスだと捉えている」と語った。

 「Windows Presentation Foundation(WPF)」対応コンテンツの紹介では、ワーナー・マイカルの常務取締役 営業企画本部長の橋本滋之氏が壇上に招かれた。同社では、3Dグラフィックで表現した画面上で劇場予告編や上映作品情報を提供する「WARNER MYCAL Preview」を用意し、「エンターテイメント性に含んだ情報提供を行なっていきたい」と抱負を語った。

 このほか、すでに発表が行なわれている「Windows フォトギャラリー」上からのプリント注文サービス、Windows Vistaソフトウェアコンテストの受賞作品なども合わせて紹介された。


ヒューストン社長「1度体験すれば、Windows Vistaの価値が伝わる」

発表会では体験スペースも併設された
 発表会に最後に再び登壇したヒューストン社長は、「パソコンとそれを巡る技術はめまぐるしく進化しており、Windows 95を発売した12年前でも思い出すのは難しい」と述べるとともに、「Windows Vistaが登場した5年前を振り返っても、CPUとHDD容量は10倍に、インターネット環境も5割がブロードバンド化された」と語った。

 「登場からたった25年しか経っていないパソコンは、多くの分野で変化を生じさせている」とした上で、「これまでの25年間が色あせるほど、これから25年間の変化は大きくなる」と医療・教育分野における日本での事例を取り上げながら予測した。

 また、Windows Vistaと2007 Officeに関しては「是非販売店などに足を運んで、自分の手で試して自分の意志で買って欲しい」と発言。「1度体験して貰えれば欲しいと感じて貰えるはずで、Windows XPではデジタルライフスタイルの実現は十分ではないと思っていただけるのではないか」とWindows Vistaに対する意気込みを示した。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2949
  Windows Vista 製品情報ページ
  http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/
  Windows Media Player 11 製品情報ページ
  http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/player/11/
  Impress Watch Windows Vista特集サイト
  http://www.watch.impress.co.jp/headline/vista/
  関連記事:Vista経由で写真を注文、セブン-イレブン店頭でプリントできるサービス[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/12/25/14349.html

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(村松健至)
2007/01/30 17:59
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